Googleはスマートウォッチメーカー「Fitbit」を約21億ドルで買収することで合意しました。Googleは「Fitbit」の時価総額にかなりの額を上乗せし21億ドルで買収合意し、Wear OSとフィットネストラッカーの最高の組み合わせを計画しています。
Googleは米現地時間11月1日、スマートウォッチメーカー「Fitbit」を買収することで合意したと発表しました。Googleによる買収総額は約21億ドルで、取引は「Fitbit」の株主や規制当局の承認などを待ち、2020年には完了すると予想されています。
もともとはGoogleの親会社である「Alphabet」が、「Fitbit」の買収を提案していると「VentureBeat」など複数のメディアで報じられていましたが、どうやらGoogle傘下となるようです。
買収合意によってフィットネストラッカーの代表的企業である「Fitbit」がGoogleのハードウェア部門となり、Wear OS搭載デバイスを含む新しいウェアラブルを提案することが期待されます。
GoogleのハードウェアチーフのRick Osterloh氏は「Fitbitの素晴らしい人材と協力し、最高のハードウェア、ソフトウェア、AIを組み合わせて、世界中のさらに多くの人々を支援するウェアラブルを構築することを楽しみにしています」とコメントしています。
さらにこの買収合意は「Made by Googleウェアラブルデバイスを市場に投入するだけでなく、Wear OSにさらに投資するチャンス」とも言っています。
AndroidやWear OSの製品管理担当のSameer Samat氏は「スマートウォッチプラットフォームとフィットネストラッカーの最高の組み合わせを実現し、パートナーが次世代のウェアラブルを構築できるようにすることを楽しみにしています」とコメントしています。
Googleはスマートウォッチ用OSとしてWear OSを提供していますが、まだオリジナルのスマートウォッチは発売できていません。実際にウェアラブル製品の分野では2019年上半期市場シェア25.8%を占めるAppleやサムスン電子などに遅れをとっています。
2019年1月にGoogleは「Fossil Group,Inc.」が開発しているスマートウォッチ関連技術に関する知的財産と研究開発部門の一部の人材を4,000万ドルで買い取っていて独自のハードウェア投入を試みています。
今回の買収合意によってGoogleは「Fitbit」と密に連携して、Wear OSとフィットネストラッカーの最高の組合せを計画していると言えるでしょう。
「Fitbit」は8月に新型スマートウォッチを発売し、それら自社製品に関しては今後も引き続き特定のプラットフォームに依存せずに、AndroidとiOSの両方で利用可能であるとしています。
また「Fitbit」製品のデータに関しては、Googleには利用されず、「Fitbit」の強力なプライバシーとセキュリティは今後も変わることはないと述べています。これはデータの収集をしないというわけではなく、その透明性を維持するという意味合いです。
今回の買収はGoogleが新製品出すというよりもWear OSの改良に焦点を当てたもので、スマートウォッチとフィットネストラッカーの最高の組み合わせを実現し、世界中の人々の役に立つ次世代のウェアラブルの構築が期待されています。