アップルはSiriのようなソフトウェアが人の感情を読み取り命令と表情を組み合わせて分析することで、より正確に対応することに役立てるという内容の特許を出願したことを明らかにしました。特許の開発が進めば、未来のSiriは感情を読み取り対応できるようになります。
Siriなどの音声アシスタントは、話しかけるだけでスマホの操作などやりたいことを代わりに行ってくれるアシスタント機能ですが、年々その聞き取りの精度は向上しユーザーの要求に対しても適切に回答してくれます。
とは言ってもSiriの対応は完璧というわけではなく、聞き間違いや微妙なニュアンスなどを読み取るには至っていません。
アップルはそれを改善するため、米現地時間11月14日付で、Siriのようなソフトウェアが人の感情を読み取り命令と表情を組み合わせて分析することでより正確に対応することに役立てるという内容の特許を出願したことを明らかにしました。
米特許商標庁(USPTO)が11月14日に公開したアップルの出願した特許は「インテリジェントソフトウェアエージェント」というものです。その内容は「顔の表情や感情に応じてインテリジェントエージェントの動作を変更する」とされています。
「インテリジェントソフトウェアエージェント」とは、「ユーザーに代わってアクションを実行できる」「ユーザーが話した文など、自然言語のユーザー入力に応じてアクションを実行できる」と定義されていて、Siriなど音声アシスタントを指します。
Siriのようなソフトウェア・エージェントが、命令と表情を組み合わせて分析することが可能になれば、誤った回答をする回数が減り、Siriのユーザーごとにコマンドをカスタマイズし利用できるようになることが期待されます。
さらにこの特許技術の開発が進めば、Siriに表情分析機能が追加され、ユーザーの感情に応じて反応を変えるようになる未来がやってくる可能性もあるでしょう。
表情からその人の感情を読み取り分析するという流れは、わたしたち人間はごく普通に行っていることです。
出願した特許の主な目的は、前述したようにSiriのようなソフトウェア・エージェントが実行したアクションがユーザーのアクションと一致しないという状況を解消することと、カメラで読み取った表情を元にユーザーの感情をも把握することも目的としています。
同じ命令であってもその時の感情によって肯定的か否定的かなど意味する内容が異なる場合がありますが、この特許技術を使えば、ユーザーの感情を組み合わせてもっと適切な反応を返すことが可能になるでしょう。
iPhone X以降のモデルでは、Face ID(顔認証)や顔の表情を読み取りアニ文字に反映するによるTrueDepthカメラなど、ユーザーの顔の認識機能は既にアップル製品に実装されていますが、顔の表情から感情を読み取るというレベルまでには至っていません。
アップルが今回出願した特許技術の開発が進み実装されるようになれば、Siriはより一層人間に近づく未来が見られるのかもしれません。