2020年07月11日更新
DNPが読みやすいレイアウトに文章を変換する「読書アシスト」を無償公開!
大日本印刷(DNP)は、文章を読みやすいレイアウトに変換する「読書アシスト」を無償公開しました。ウェブサイトでは、利用者が任意の文章を「読書アシスト」を使って読みやすいレイアウトに変換し、太宰治「走れメロス」など、変換表示した小説作品を閲覧できます。
目次
読みやすいレイアウトに自動変換する「読書アシスト」無償公開
大日本印刷(DNP)は、文章を読みやすいレイアウトに変換するWebサイトを2020年9月30日までという期間限定で無償公開しました。
これはDNPが日本ユニシスと共同開発した、文章のレイアウトで読みやすさを向上させる技術「読書アシスト」を活用しています。
「読書アシスト」という技術は、独自の文章表示アルゴリズムによって、読んでいる最中の目線をスムーズに動かせるように誘導し、読むスピードを高める文字レイアウト変換技術です。
読むスピードが低下するという「無駄な目線の動き」を減らし、一般的には400〜600字程度の1分間に読める文字数を、この技術によって最大1000文字程度までは約1.5〜2倍にスピードが向上すると説明しています。
「読書アシスト」を適用したレイアウトの具体例
具体的なレイアウトとしては、文字のベースラインを文節単位で段階的に下げていて、文節を分断しないよう改行位置を調整しています。
そして段落単位で行頭を段階的に1字下げていて、画面幅や文字サイズに応じて「行間」や「行長」、「背景色」などを調節しています。このように読むスピードを高める文字レイアウト変換しています。
これらのレイアウトは体感的に読みやすいと感じるユーザーが多く、頭に入りやすいため集中して読むことが可能となります。またどこまで読んだか見失いにくく、実際に読みやすいと感じたユーザーは8割を超えています。
文字レイアウト変換技術「読書アシスト」の実証実験を開始
大日本印刷(DNP)はは2010年頃から、スマートフォンやタブレット端末で「読みやすいテキスト表示」について研究してきました。
今年は新型コロナウイルス感染防止対策としてテレワークが広まっていますが、実際に文章をスムーズに早く読みたいというニーズが高まっていて、そのサポートとして「読書アシスト」技術を無償提供することを決めたと言います。
「読書アシスト」の技術を使った実証実験を行うことで、ユーザーの読書や学習などの効率性向上を狙います。
「読書アシスト」の実証実験概要
文字レイアウト変換技術「読書アシスト」の実証実験では、専用サイトとプラグインソフトが無償提供されます。そしてユーザーが準備した文章を読みやすく変換することが可能です。
専用サイト上では、変換表示した小説作品も閲覧可能で、芥川龍之介「蜘蛛の糸」や太宰治「走れメロス」など変換表示を行った小説作品を閲覧することが可能です。文章変換を行うにはパソコンが必要になります。
実証実験の日時は2020年7月10日(金)から9月30日(水)で以下のリンクにアクセスしてみてください。
無償提供される小説
「読書アシスト」ではこの技術を適用した著作権フリーの日本文学の名作を順次提供しています。提供作品は以下の通りですべて無償となっています。
著者 | 作品 |
芥川龍之介 | 羅生門 鼻 蜘蛛の糸 |
泉鏡花 | 外科室 |
太宰治 | 走れメロス |
中島敦 | 名人芸 |
新美南吉 | ごん狐 |
宮沢賢治 | 注文の多い料理店 |
森鴎外 | 高瀬舟 |
グリム | ・ラプンツェル ・ヘンゼルとグレーテル ・白雪姫 |