2020年07月14日更新
【Linux】「ブラックリスト/スレイブ」などの用語の置き換えを承認!
Linuxのカーネルコードやドキュメントに使用する「ブラックリスト/スレイブ」などを新しい用語に置き換えることを承認しました。これによりLinuxでは古くからコンピューター用語として使われる「ブラックリスト/スレイブ」を他の単語に置き換えるように求められます。
目次
Linux「ブラックリスト/スレイブ」などの用語を他に置き換え
Linuxのカーネルコードを開発したLinus Torvalds(リーナス・トーバルズ)氏は、米現地時間7月10日、Linuxのカーネルコードやドキュメントに使用する用語の一部を新しい単語に置き換えることを承認しました。
これによってLinux開発者は、古くからコンピューター用語として使われる「master/slave(マスター/スレイブ)」や「blacklist/whitelist(ブラックリスト/ホワイトリスト)」を他の推奨単語に置き換えるように求められます。
Linux開発チームは、TwitterやGoogleなど多くのテクノロジー企業などに続いてカーネルコード内での人種差別的な用語の使用をやめて、より中立的な用語で置き換えることを承認しています。
「ブラックリスト/スレイブ」使用禁止する動きは「BLM運動」から
今回の「ブラックリスト」や「スレイブ」などの人種差別的な用語を別の単語に置き換える動きは、2020年7月4日にLinuxカーネルメンテナーであるDan Williams(ダン・ウィリアムズ)氏が投稿した提案がきっかけとなっています。
2020年5月25日に起こった、黒人男性が白人警官の暴行で死亡したことをきっかけに全米で人種差別抗議運動が続いていて、TwitterやGoogle、Microsoftとその傘下のLinkedInとGitHubなどの多くのIT企業が同じような取り組みを決定しています。
このような動きは、テクノロジー製品やIT環境において有色人種が抵抗なく利用できることを目標として、配慮に欠けると考えられる用語を置き換えていくとしています。
「ブラックリスト/スレイブ」の置き換えとして推奨されている用語
今後Linuxの開発者は、「master/slave(マスター/スレイブ)」や「blacklist/whitelist(ブラックリスト/ホワイトリスト)」などの特定の用語に関しての利用を推奨していません。
代わりにこれから紹介する新しい用語の中で適切なものを使用することを求めています。ただLinuxカーネルコードで使用を禁止されるのは、シンボル名やドキュメンテーションでの使用に関してです。
ABI(Application Binary Interface)に必要な場合や既存のハードウェアやプロトコルに関連するコードの更新に利用する場合は対象外です。
まず「master/slave(マスター/スレイブ)」の置き換えとしては以下の単語が推奨されています。
primary/secondary |
main/replicaまたはsubordinate |
initiator/target |
requester/responder |
controller/device |
host/workerまたはproxy |
leader/follower |
director/performer |
次に「blacklist/whitelist(ブラックリスト/ホワイトリスト)」の置き換えとしては以下の単語が推奨されています。
denylist/allowlist |
blocklist/passlist |