2019年08月25日更新
Googleが「Privacy Sandbox」発表!個人プライバシー保護と広告を両立!
Googleは「Privacy Sandbox」を発表しました。Googleが発表した「Privacy Sandbox」はユーザーの関心事に合わせて配信する広告ターゲティングと個人プライバシー保護の両面で最適なものを提供するための取り組みとされています。
Google「Privacy Sandbox」を発表
Googleは米現地時間8月21日、ユーザーのプライバシーを保護しつつ、ユーザーに最適な広告を表示するための取り組みである「Privacy Sandbox」を発表しました。GoogleはWeb標準プロセスに従い、業界からのフィードバックを求めています。
Webサイトや広告主と共有されるユーザーデータはユーザー情報を匿名で集約して、多くのユーザー情報をオンデバイスに保持することで最小限に抑えつつ、最適な広告を表示することを目指すと言います。
ユーザーの興味などに応じた広告を表示するターゲティング広告は効果が高い反面、プライバシーを侵害しているという考えもあります。
ユーザーが広告ターゲティングを回避するためにCookieをブロックしたとしても、例えばPCにインストールされているソフトウェアのバージョン、ハードウェア構成などを取得する「フィンガープリント」と呼ばれる方法などによりユーザーの推定が可能です。
Cookieと異なりユーザーはフィンガープリントを自分の意志で制御することはできず、これは好ましい方法でないのは明らかとなっています。
Firefoxなどはこのフィンガープリントをブロックする仕組みを持っていますが、Cookieをブロックし、かつ代替方法も封じてしまうと、今度はパブリッシャー側の資金調達手段を奪ってしまうという問題が出てきます。
そこでフィンガープリントを防いでユーザーのプライバシーを保護し、なおかつ個人情報を集めなくてもターゲティング広告を配信可能にしようという提案が「Privacy Sandbox」というわけです。
Googleは個人のプライバシー保護と最適な広告のバランスを目指す
Googleの直近の四半期業績で広告収入はGoogleの総収入の84%を占めていて、Googleにとって広告は重要な収入源となっています。
最近の調査ではCookieを削除して閲覧者と広告の関連性を低くすると、パブリッシャー側の収益がCookieが存在するトラフィックよりも平均52%も減少したとの報告があり、特にニュースメディアサイトでは平均62%減少したとされています。
オンライン広告はサイト運営者や広告主にとっては重要な収入源になっていて、この広告収入があるからこそ無料の情報を発信できるという側面もあります。
Googleの提案は、個人情報やID情報を流出させている既存の経路を閉鎖する仕組みをいくつか備えています。「フェデレーションラーニング」と呼ばれる技術ではブラウザ内の機械学習ソフトウェアを利用して、人々の関心を評価します。
この情報は大勢の人を反映している場合にのみ広告主と共有できるため、広告主は各ユーザーの個人情報を把握しなくても広告をターゲティングできるわけです。
Googleの研究者らが数ヶ月に渡って取り組んできた成果である「Privacy Sandbox」は、うまく機能してWebサイトや広告主に受け入れられれば、Googleがプライバシーをめぐる苦境から脱するのに役立つ大きな一歩となるでしょう。