2019年05月30日更新
IPアドレスで住所特定?個人情報はどこまでわかる?
IPアドレスとはいったいなんなのか、住所特定が可能な情報なのか、聞いたことはあるけど具体的にどういう情報なのか分からない方も多いかと思います。今回はIPアドレスが公開可能な情報なのか、住所特定は可能かなど、IPアドレスについて触れていきます。
目次
IPアドレスは公開情報である
IPアドレスは公開情報です。ただし、このIPアドレスがいったいなんなのか、住所(個人情報)特定ができるなのか、具体的にどういった情報なのか分からない方もいるかと思います。
今回は、IPアドレスで住所特定が可能なのかなど、IPアドレスの詳細について触れていきます。
IPアドレスの確認方法
そもそもIPアドレスとは、IPでネットワーク上の機器を識別する為に指定するネットワーク層における識別用番号です。IPアドレスのIPとは、「インターネットプロトコルアドレス」の略称です。
パソコンだけでなく、スマホ(AndroidやiPhone)やプレイステーション4、DSといったゲーム機にもIPアドレスは割り当てられているのです。
このIPアドレスはインターネットの回線業者が管理していて、決してアドレスが被ることはありません。被らないからこそ、特定されるのではないかという疑問が浮かんでしまうわけです。
IPアドレスはインターネット上の住所といった形で誤った認識が広まっています。自分のIPアドレスは、以下リンクから確認することができます。「確認君」というサイトを開くだけで、貴方のIPアドレスが表示される仕組みとなっています。
IPアドレスを確認するサイトは他にもあります。この際取得される個人のIPアドレスが悪用されることはありませんのでご安心ください。
IPアドレスで住所は特定される?
IPアドレスで住所は特定されるのか?公開される情報はどこまで正確なのか?その疑問について触れていきましょう。
住所特定はできない
まず、IPアドレスだけでは住所特定はできません。警察の捜査などで個人情報の開示が求められない限り、住所特定を行うことはできないということです。
個人がIPアドレスから住所や氏名を特定することはできないので安心してください。IPアドレスに基づいて個人を特定する為には、法律に基づいた手続きを行い、プロバイダへ情報開示を行う必要があります。
おおよその住所までは特定可能
IPアドレスだけでは正確な住所特定まではできないのですが、おおよその住所までは特定可能なケースがあります。なぜかというと、IPアドレスの場合、ルータのホスト名から位置を推測できるケースがあるからです。
ただし、あくまでルータの地域までが公開情報として扱われているだけなので、市区町村までしか範囲を絞ることはできません。
ここまでIPアドレスについて触れてきましたが、ここまでの内容はあくまで個人がIPアドレスから得られる情報についてです。
一方、プロバイダ側では、該当する時刻に対して指定のIPアドレスを使用しているユーザーを確認することが可能です。つまり、警察や被害者が加害者へ訴えを起こした場合、プロバイダはある法律に基づいて個人を特定する情報を開示することになります。
ただし、こういった場合は法律に基づいた手続きを踏んだうえでプロバイダから捜査機関へ情報が開示されますので、個人が勝手に個人情報を悪用することはできません。
IPアドレスで住所が特定される噂が広まった理由は?
ではなぜIPアドレスで住所が特定されるといった噂が広まったのか、その理由について触れていきましょう。
ネット初期時代のワンクリック詐欺
過去、ネット初期時代にはワンクリック詐欺という詐欺が多く発生していました。これは、詐欺を目的としたサイトでIPアドレスを自動表示させる仕組みを利用し、ポップから「本日中に〇〇円お振込みください」といった脅迫めいた悪質なサイトです。
特にアダルト系のサイトではこのワンクリック詐欺が横行していた為、初めてこのようなサイトに出くわした人が怖がって詐欺にあってしまうことが多くありました。
チャット/SNSでの脅し
他にも、チャットやSNSでの脅しを受けるケースもあるようです。IPアドレスがどういった情報なのか理解していない人の場合、ネットで関わった(チャットやSNS)だけで個人情報(住所)を特定できてしまうと勘違いしてしまう人もいます。
何もしらず脅されてトラブルに巻き込まれたのではと怖がる人もいるかもしれませんが、IPアドレスだけでは個人情報(住所)の特定はできません。
あくまで警察など行政側が捜査の為にプロバイダへ情報請求した時はじめて個人情報が特定されます。一般の人がプロバイダに何の手続きもなく直接個人情報を聞いても答えてもらえるわけではないのです。
ネットトラブルで住所を特定する法律がある
IPアドレスは公開情報なので、ネット上で住所特定などの個人情報による脅迫があっても実際に住所特定されることはありませんが、ネットトラブルで住所を特定(請求)する法律はあります。
今回は、住所特定を行うことのできる(請求)法律についても触れていきましょう。
被害者がプロバイダに情報を請求することがある
ネットなど、なんらかのトラブルを理由に住所特定したいと被害者がプロバイダに情報を請求することがあります。
住所特定の流れとしては、何らかのトラブルがネット上で発生した場合、警察が各サービスに対して該当のIPアドレスやプロバイダの所有している住所や氏名といった個人情報を法律のもと請求するといった形となります。
IPアドレスはあくまで公開情報なので、正確な住所を特定したり氏名を確認することはできません。氏名や住所は個人情報なので、個人が勝手に他人の個人情報を取り扱えないよう規定されています。
特定される個人情報
誹謗中傷された人などが加害者を訴える為に「発信者情報開示請求」を行うことで、初めて発信者の個人情報が特定されます。これはプロバイダ責任制限法にもとづいたものです。
請求可能な情報とは、氏名や住所、IPアドレス、メールアドレス、書き込まれた時間など、ネットで誹謗中傷した際の証拠となり得るデータとなります。
IPアドレスで住所特定?個人情報はどこまでわかる?~まとめ~
IPアドレスは公開情報なので住所特定ができないです。何もしらないとIPアドレスで住所特定されてしまうのでは?と勘違いしてしまう人もいるでしょう。IPアドレスは公開情報なので、具体的な個人情報を確認できるわけではありません。
ネットで被害を受けた方も、法律上は「発信者情報開示請求」を行わなければ個人情報を特定することはできないのです。個人情報が簡単に覗けるわけではないのでひとまず安心してください。
ちなみに自分の公開情報については、IPアドレス以外も下記リンクから確認することができます。公開情報の取得時間やIPアドレス、プロバイダ名、言語やクライアントポート、リモートホスト、画面解像度、リファラーなどが確認できます。
あくまで被害者が加害者に対して訴えることを理由に法律に基づいて「発信者情報開示請求」を行います。プロバイダが勝手に個人情報を公開することはできないので、IPアドレスが他人に伝わることを必要以上に恐れる必要はないということです。
ちなみに、IPアドレスは常に固定されているわけではありません。これはプロバイダが接続の際IPアドレスを割り当てるのが理由です。つまり、プロバイダを変えればIPアドレスは変わります。
ただし、学校や会社などの名義で契約している場合、名称から住所特定が可能なケースもあります。しかし、あくまで特定できるのは学校や会社までで、個人を特定するまでには至りません。
繰り返しますが、個人の場合はあくまでプロバイダ名が分かるだけです。IPアドレスからの住所特定はできませんが、IPアドレスの場合ホスト名に「tokyo」などが含まれている場合があります。
この場合は都道府県の特定ができるケースもあります。ですが、あくまで推測なので正確な情報の取得はできないものとして受け止めておいてください。
このようにIPアドレスは公開情報なので法律上個人の特定はできませんが、ルータのホスト名次第では位置を推測するケースもあります。