タクシー配車アプリ「MOV」で事前確定運賃のサービスに対応することを発表しました。事前確定運賃とは、配車アプリで入力した走行距離と推計所要時間などから事前にタクシー運賃を算出し、乗車前に運賃を確定させる仕組みで、「MOV」でも利用可能になります。
株式会社DeNAは11月27日から、自社展開するタクシー配車アプリ「MOV」で事前確定運賃のサービスを提供開始することを発表しました。
事前確定運賃とは、配車アプリで入力した乗降車地の地図上の走行距離と推計所要時間などを踏まえて事前にタクシー運賃を算出し、乗車する前に運賃を確定させる仕組みです。
このサービスは国土交通省が今年10月25日付で導入の認可を行い、国内で導入が始まったばかりのシステムです。まず関東のタクシー会社を中心に導入され、所定の配車アプリを使うことで事前確定運賃が利用可能となります。
実際に「MOV」で事前確定運賃サービスを利用する場合は、アプリで「メーター運賃」と「確定運賃」を選び、「確定運賃」を選んだ場合は乗車する前に料金が確定する仕組みです。その料金はアプリユーザーが指定した乗車場所と降車場所を基に算出されます。
これは「MOV」アプリで乗降車地を選択して、事前確定運賃を実施するタクシーが配車可能範囲にいる場合に適応されます。ただ実際の道路の混雑状況によって、事前確定運賃がメーター運賃より高くなることもありますので注意してください。
また周辺に事前確定運賃の対象となるタクシーがいない場合や、荒天やイベント等による大規模な交通規制が発生した場合など、運賃を確定してタクシーを配車できない場合があります。
有料道路料金と迎車料金は事前確定運賃とは別途必要となり、走行ルートの変更をユーザーの都合で行なった場合は、まず注文時の事前確定運賃を支払い、その後はメーター運賃となる仕組みです。
交通事情等で、事前確定運賃よりもメーター運賃の方が安くなった場合は返金されません。
対応エリアについては、東京都、神奈川県、大阪府、京都府、兵庫県の5都府県が事前確定運賃の導入エリアとされていて、順次開始予定です。ただ対応エリアとされていても地域によって対応していない場合があります。
10月28日以降、準備が整った地域からタクシーの事前確定運賃サービスを開始しています。
現時点では「MOV」だけでなく「JapanTaxi」「スマたく」「S.RIDE」などの配車アプリで利用でき、札幌、東京、横浜、長野、名古屋、大阪、京都、神戸などの27つのエリア、約200の実施事業者が対応を予定しています。
「JapanTaxi」では、日本交通、金星自動車の合計約2200台から提供開始し、「S.RIDE」では国際自動車の3458台、大和自動車交通2052台が28日時点で対応しています。
乗車前に運賃が確定することで「渋滞や回り道によってタクシー運賃が高くなるかもしれない」という心配や「到着するまでメーターが気になる」というタクシー運賃に対する不安を解消できるでしょう。
また訪日外国人にとっても、事前に運賃が確定した上で予約できるようになるため、気軽にタクシーを利用した円滑な日本観光を楽しむことができる点もメリットと言えます。