2020年下半期の登場が見込まれる新型iPhone、通称「iPhone12」の全モデルが5Gに対応するとされています。5G対応の「iPhone12」は9月に発売が予測されていますが、より高速なミリ波を使用するモデルの発売は2021年になる可能性もあるようです。
Appleは5G対応の新型iPhone、通称「iPhone12」は2020年9月に発売するとしていますが、より高速なミリ波(mmWave)を使用するモデルの発売は2021年にずれ込む可能性もあるようです。
2019年12月著名アナリストのミンチー・クオ氏は、「iPhone12」について全モデルが5Gに対応し、5Gサービスが提供される日本を含む地域ではミリ波とサブ6GHzの両方の周波数帯に対応したモデルが発売される、との予測を発表していました。
一方で中堅証券会社サスケハナ・フィナンシャル・グループのアナリストであるメディ・ホセイニ氏は、2020年9月に発売されるiPhoneはサブ6GHzモデルのみで、ミリ波モデルの発売は2020年12月か2021年1月にずれ込む、との予測を発表しました。
なぜミリ波対応モデルの発売が遅れるかと言うと、Appleがアンテナインパッケージ(ミリ波帯での通信に不可欠なアレイアンテナをワンパッケージ化したもの)をサードパーティから調達せずに、Appleで自社開発することを決定したからとされています。
ホセイニ氏によると、5G対応モデルのうち1つは液晶ディスプレイが搭載されると予測しています。ホセイニ氏は、2020年にiPhoneの45%〜50%がOLEDモデルになり、2019年の34%から上昇する、とも予測しています。
なお、ミンチー・クオ氏の予測では、「iPhone12」は全モデルが有機ELディスプレイが搭載されるとしていて、以下の4モデルの構成を予測しています。
高速大容量で低遅延の通信が可能な5Gには「ミリ波(mmWave)」と「サブ6GHz(sub-6GHz)」の2種類の周波数帯が存在します。「ミリ波」は1Gbpsの高速な通信が可能ですが電波の届く距離が短いという弱点があります。
「サブ6GHz」とは広い範囲に電波が安定して届くのが特徴で、「ミリ波」ほどの通信速度はありませんが「LTE」よりも高速です。
iPhone12では「サブ6GHz」のみ対応したモデルと「サブ6GHz」「ミリ波」両方に対応した2種類のモデルがラインナップされ、両方に対応したiPhone12が発売されるのは、アメリカ、カナダ、日本、韓国、イギリスの5カ国としています。
5Gは、サブ6GHzでも一定の通信速度の向上が見込まれていますが、真のスピードを発揮するには「ミリ波」である必要があるといわれています。
ミンチー・クオ氏の予測では、Appleは「サブ6GHz」に対応していない国や地域では「ミリ波」でない方の5G機能を無効にするか、5Gの浸透率を浅くし、デバイスの購入価格を低く抑えるだろうとされています。
一方でホセイニ氏の予測では「サブ6GHz」+「ミリ波」に対応したモデルは発売が2021年にずれ込むとしていて、これまでの予測と一致しない点が多いことがよく分かります。