2019年12月29日更新
太陽誘電は「iPhone 12」の5G対応で需要増を予測!
太陽誘電は「iPhone 12」の5G対応で自社の主力製品である積層セラミックコンデンサーのMLCCの需要増を予測していることが明らかとなりました。2020年発売予定の「iPhone 12」の5G対応で太陽誘電が需要増を予測している内容についてご紹介します。
目次
太陽誘電は「iPhone 12」の5G対応で自社の主力製品MLCCの需要増を予測
Appleの主要サプライヤーとして知られる「太陽誘電」の登坂正一社長が、Bloombergのインタビューを受け、2020年に発売を予定している「iPhone12」が5Gに対応することにより、自社の主力製品MLCCの需要増を予測しています。
Appleの主要サプライヤーである「太陽誘電」について
Appleの主要サプライヤーである「太陽誘電」についてご紹介しておきましょう。登坂正一氏が社長を務める「太陽誘電」では、主力製品であるMLCCなどのコンデンサの売り上げが全体の売上高の6割以上を占めています。
太陽誘電は、MLCC製品について、高度な技術力による信頼性と小型化の実現を行い、安定した生産体制についても対応可能だとしています。
Bloombergのインタビューにて、「太陽誘電」の登坂正一社長は、日本でも2020年に展開される「5G」関連の受注が多くなってきていることを明らかにしており、海外でも世界的に高いシェアを持つHuaweiやZTEからの需要が増えていると説明しています。
また、「太陽誘電」の登坂正一社長は「5G」関連の受注に加え、スマートフォンやデータセンターの需要も多いとしています。
スマートフォンやテレビにも利用されている「MLCC」について
太陽誘電の売上高全体の6割を超えている「MLCC」を含むコンデンサーについてご紹介していきましょう。
「MLCC」は、普段ユーザーが利用しているスマートフォンやテレビをはじめとして、冷蔵庫や自動車など生活に必要な電化製品に多く使用されている製品となります。
2020年に展開される「5G」では、現在の「4G」よりも大容量のバッテリーが必要となるため、これまでの4Gで700~800個必要だった「MLCC」が「5G」では1000個のコンデンサが使用される事になる場合もあるとされています。
需要が増える理由については、「5G」対応の「iPhone12」にて、他の部品を搭載するスペースが圧迫をしないよう、より小型かつ大容量に対応したコンデンサが必要不可欠となるためと見込んでいます。
「太陽誘電」の取組について
「太陽誘電」のMLCCの技術の取組についてみてみると、12月10日に、MLCCの技術を活用した全固体電池の開発に成功したことが発表されています。
「太陽誘電」では、2020年度にMLCCの技術を活用した全固体電池のサンプルを出荷し、2021年度中に製品の量産を開始する方針としています。
今後の動向について
今後のスマートフォンの動向について、「太陽誘電」の登坂社長は、中国のファーウェイは約1億台の5G対応のスマートフォンを販売すると予測し、ファーウェイやサムスンが5Gスマートフォンをリードしていくのではと公表しています。
また、来年2020年9月に発売開始が予測される5G対応iPhoneについて、2020年6月に部品の受注が開始されると予測しています。
「太陽誘電」の登坂社長は、工場の稼働率を上げることにも対応可能であり、5G対応iPhone12の膨大となる需要に十分応えられる生産能力があるとしています。