JR東日本では電車内での痴漢行為を防止するため、被害者が「痴漢通報アプリ」を使って車掌に通報し、車内放送で注意喚起を行う仕組みの開発を進めています。今回「痴漢通報アプリ」の実証実験を行うことを発表しました。実証実験は埼京線車内で行う予定です。
JR東日本では電車内での痴漢行為を防止するため、被害者がスマートフォンでの専用アプリ「痴漢通報アプリ」を使って車掌に通報し、車内放送で注意喚起を行う仕組みの開発を進めています。
JR東日本はこのシステムについて、国立情報学研究所の新井紀子教授をはじめ有識者の意見を取り入れながら検討を進めてきましたが、2020年2月4日、電車内での痴漢行為防止対策に関する実証実験を実施することを発表しました。
システムの仕組みとは、スマートフォンに専用アプリ「痴漢通報アプリ」をインストールしたユーザーが、電車内で痴漢行為を受けた際にアプリのボタンを押すことで車掌に通報することができます。
そして車掌は携帯しているタブレット端末で利用者の通知を確認し、注意喚起の車内放送をする仕組みとなっています。
実証実験では、利用者が電車内で痴漢行為を受けた際にスマートフォンの専用アプリ「痴漢通報アプリ」で車掌へ通報するシステムを実際に実施する予定です。
この取組みの狙いは痴漢被害者から車掌への通報を可能にし、車掌が車内放送で注意喚起を図ることです。また周囲の電車利用者に痴漢行為に気付いてもらうことで痴漢行為の抑制を図ることも目的としています。
アプリの実証実験は、JR東日本によると被害の訴えが多い埼京線で行うとしています。機能や乗客の反応を確認するため、2月下旬から3月中旬の通勤時間帯に埼京線車内で実施されます。
JR東日本は「アプリを使うことで、周囲に知らせることのハードルを下げられる」と効果を期待しています。
実証実験のスケジュールとしては以下のように先行試験(第1ステップ)を行い、その結果を踏まえて、2020年6月以降駅員と連携した本格的な試験運用(第2ステップ)を行うとしています。
スケジュール | 場所 | |
第1ステップ | 2月下旬~3月中旬 7:00 頃~10:00 頃 (土休日は除く) |
埼京線車内 (大宮駅~新宿駅) |
第2ステップ | 第1ステップの結果を踏まえて、6月以降埼京線車内で実施予定 |
アプリの実証実験の第1ステップの目的とは、「機能検証及び受容性確認(利用者の反応)」としています。
実際の実証実験では、通報タイミングは予め設定して、社員およびモニターが専用アプリのボタンを押し、車掌が車内放送を試験的に行い注意喚起をします。その後「お客さまアンケート」による調査を行うとしています。
アプリの実証実験の第2ステップの目的とは、「専用アプリや車内放送の痴漢防止効果の確認 」としています。
実証実験では、モニターが痴漢行為を受けたと認識した時専用アプリのボタンを押し、車掌が車内放送にて注意喚起を行い駅員と連携するまでを実施します。その後モニターアンケートによる調査を行うとしています。