カシオとアシックスは走りをスマホで可視化できるサービスを共同開発し、「第6回ウェアラブルEXPO」で共同出展しています。これは腰に装着した「モーショントラッカー」で走りを解析し、ランナーの走った時の体の動きをスマホで可視化しコーチングを行うサービスです。
東京ビッグサイトで開催中の「第6回ウェアラブルEXPO」において、高耐久腕時計「G-SHOCK」を手掛けるカシオ計算機とスポーツ用品大手のアシックスが、ランナー向けの新サービスを共同出展しています。
今回カシオとアシックスが共同開発し出展したのは、走った時の体の動きをスマホで可視化し、文章や動画でコーチングを行うサービスです。
腰に装着した「モーショントラッカー」で走りのフォームや動きを解析しアプリでデータやフォーム改善の助言を行いランナーの成長を支援するサービスを目指していきます。
カシオが開発した「GPS」や「9軸センサー」を内蔵したクリップ付きの「モーショントラッカー」を腰に装着して走ると、距離や走るペース、ピッチ、足のストライドなどのランニングの指標を解析することが可能です。
「モーショントラッカー」の重量は40g、外形寸法は40×62×18mmで、クリップで簡単に腰に装着できる仕様です。さらに、足を動かしている最中や地面に足が着いたときの腰回りの動きなど、20種類以上のデータを取得できます。
「モーショントラッカー」で取得したデータはBluetoothを介してスマホアプリに転送されます。
そのデータの判定結果は大きく6つの項目に分けられてグラフで表示されます。その結果からランニングに関する改善方法を文書や動画を使ってコーチングできる仕様となっています。
カシオとアシックスが共同開発をするに至ったきっかけは、アシックス側は「カシオが高度なセンシングデバイスを手掛けていることに加え、両社のビジョンが合致したため」と説明しています。
カシオでは前述した「モーショントラッカー」というセンサーを開発し、正確なランニングデータを取るためにカシオ独自で実業団や大学の陸上部などと連携し、ノウハウやデータを集めていました。
ここでカシオだけでランニングデータを取得するのは限界があったため、アシックスに相談したことが今回の共同開発の始まりだったと言います。
また連携するアプリでは、走る速度やピッチなどの基本情報のほかに「負担の少ない接地」「安定した姿勢」「巧みな動き」「動きの力強さ」「スムーズな重心移動」などの特徴をレーダーチャートで評価していきます。
走りの特徴を分析し走りのコーチングも行いますが、ここでアシックスのノウハウが必要となります。そもそもアシックスでは「ランニングラボ」というコーチングサービスで、多くのフィードバックを集めています。
そのデータやパーソナライズの手法を今回のアプリでも展開していくことになります。
カシオ側としてはカシオだけではランナーへのコーチング方法が不明瞭であると言い、アシックスのノウハウが重要であることを説明しています。
アプリでは、走りのフォームの改善提案だけでなく「総合スコア」としてユーザーの走りを評価します。アシックスのエキスパートを100点とし、フォームの完成度や安定度などを評価しコーチングします。
今回のサービスの価格や販売ルートなどは検討中で、今後ランナー向けのイベントなどに出展し、そのニーズを把握することで、販売経路や価格、サービスのあり方などの詳細を決めていくようです。