楽天は3月18日から楽天市場で導入予定である「送料無料化」の必要性について説明を行いました。「送料無料化」の施策に関して複数の店舗から不満の声が上がっていましたが、楽天は店舗の意見を踏まえてルールの緩和や見直しを行ったことを説明しています。
楽天は2020年2月13日、2019年通期および第4四半期決算を発表し、3月18日から楽天市場で導入予定である「送料無料化」についての説明を行いました。
この楽天市場に導入予定の「共通の送料無料ライン施策」とは、楽天市場において税込で3,900円以上の買い物をすると一律で送料を無料とするものです。
ただこの施策に関しては、複数の店舗から不満の声が上がり撤退を検討する事態まで引き起こし、さらに2月10日には公正取引委員会が独占禁止法違反の疑いで楽天に立ち入り検査を行っています。
楽天はこの「楽天市場の送料無料化」施策の導入意義について「ユーザーのわかりやすさ」というポイントを説明しています。
楽天市場では、店舗が自由に商品価格と送料を設定できるようにしているため、商品価格は安価に設定し送料を高額に設定することで意図的に商品を安く見せているなど、ユーザーにとって分かりにくい、信頼できない価格設定の商品が実在しています。
実際このような商品に関しては、楽天市場の検索で「価格の安い順」で表示した場合、最低金額の商品として上位に表示されることになります。
そのためユーザーは最安値の商品であると勘違いし誤って購入してしまい、「嫌な思いをした」という体験レビューが実際に投稿されています。その他にも「安いと思ったら送料で高い」など送料に関する不満の声も多く挙がっているようです。
このような信頼できない価格設定の商品への対策として、今回の「送料無料の施策」を導入する必要性があると説明しています。
今回楽天では、「送料無料」の定義について「ユーザーが商品価格の合計のみを支払い、追加で別途送料を支払う必要がないもの」としていて、店舗に対し適正な商品価格の見直しを促していると説明しています。
実際に価格設定は店舗が自由に調整できるため、これまで別途請求していた送料相当分を加算した商品価格に変更することで、店舗にとっては負担が増えずユーザーにとっては最終合計金額がわかりやすくなるとしています。
さらに今回の店舗側の不満の声や意見を踏まえて、以下のようにルールの緩和や見直しを実施しています。
大型、冷蔵・冷凍商品は対象外 |
宛先が沖縄・離島等の場合は施策対象の金額を9,800円に変更 |
酒類は対象外 |
新品の本・音楽ソフト(CD等)は対象外 |
同梱困難な商品は「単品発送設定」可能 |
沖縄・離島等からの配送は任意設定可能 |
「送料無料化」の必要性を説明する一方で、「送料無料と言う言葉が独り歩きをしてしまったのは反省している」とも述べています。
実際に消費者のニーズや各店舗の価格設定に関して楽天は非介入であるとし、送料無料ではなく「送料込み」と表現を変更する考えを示しています。
また送料無料の施策が原因で撤退を検討している店舗について、「楽天市場から別のECサイトに移転する場合の案内支援」や撤退する店舗への出店料の払い戻しを行うとも説明しています。