Facebookがこれまでより高速化を実施しシンプルな「iOS」版「Messenger」アプリの提供を開始したことを発表しました。Facebookが「Messenger」のiOSアプリを高速化しサイズを1/4に変更を行った内容についてご紹介します。
米国時間の3月2日、Facebookが今までより高速化を実施しシンプルな「iOS」版「Messenger」アプリの提供を開始したことを発表しました。
Facebookがリリースした高速化が実施されたシンプルな「iOS」版「Messenger」アプリの新バージョンは、2019年の開発者会議F8で、「LightSpeed」というプロジェクト名で紹介されていました。
「iOS」版「Messenger」アプリの新バージョは、変更前と比較すると、一見すると変更点はないように感じてしまうかもしれません。
ですが、根本から見直したというコンセプトの通り、アプリのコード行数は170万行以上から約36万行へ大幅に縮小化されており、アプリのサイズも1/4となっています。
Facebookが提供を行う「Messenger」アプリについてご紹介しておきましょう。「Messenger」は、2011年に、独立したアプリとしてサービス提供が行われており、現在、「Messenger」を利用しているユーザーは10億人を超えているとされています。
「Messenger」アプリは、以前から、アプリ本体の肥大化が問題視されており、ピーク時にはバイナリサイズが130MBを超えていた経緯があります。
「Messenger」アプリは、古いデバイスを利用している場合など、アプリのコールドスタートが非常に遅くなってしまうことがありユーザーから簡素化を望む声も多くありました。
ユーザーの声もあり、2018年にもインターフェイスの再設計などを実施し、簡素化を行いましたが、簡素化だけでは、抜本的な解決をすることができませんでした。
Facebookでは、新バージョンの「Messenger」アプリは、ロード速度が2倍に速くなっており、ファイルサイズが1/4に縮小化されているとのことです。
今後は、あらゆるユーザーが、今までよりも高速に起動することが可能となっており、ダウンロードやアップデートに対応可能となります。
なお、縮小化により簡素化・高速化が実施された「iOS」版「Messenger」アプリの利用対象については、古いデバイスを利用しているユーザーも利用可能となります。
また、接続速度の遅い場所にいるユーザーも簡素化・高速化が実施された「iOS」版「Messenger」アプリを利用することができます。
新バージョンの「Messenger」アプリの変更は、「Project LightSpeed」と呼ばれる計画に沿って実施され、アプリを根本から再構築を行う大規模な変更となっています。
最新の「Messenger」アプリでは、起動速度がこれまでの1/2になっており、アプリサイズは1/4に縮小化されています。「Messenger」アプリでは、84%削減となる170万行を超えるコードを、36万行へと削減を行いました。
なお、再構築の経過段階では、一時的に使用できない機能も発生するものの、今後のアップデートで対応を行う予定となっています。
今回の設計は、今後10年間持続可能と説明しており、プライベートメッセージングと、アプリ間の相互運用性の基盤を築いていく方針を示しています。
「iOS」版「Messenger」アプリの特徴である〈高速化〉〈縮小化〉〈簡易化〉については、具体的に次の通りとなっています。
内容 | 特徴 | メリット |
高速化 | アプリ起動時間の高速化 | メッセージを送るのに1日に何度も開く場合、非常に重要 |
縮小化 | アプリのデータサイズを縮小 | Messengerの起動やダウンロード、アップデートが速くなる。 古いデバイスを利用している場合やネットワーク接続環境が悪い場所にいる場合は、データサイズの大きさが重要になる |
簡易化 | プリ内のコードが整理整頓される | エンジニアがアップデートを行いやすくなり、認知負荷が軽減されるだけでなく、新しい機能を一から作る必要がなくなる |
Facebookでは、Messenger・WhatsApp・Instagramのメッセージ機能の相互運用を発表していますが、「LightSpeed」については、メッセージ機能の相互運用の一環とした取り組みであるとされています。
Facebookでは、アプリ間の相互運用の一環とした中で、今後に向けて取り組みを一層強化していく方針ですが、暗号化については、まだ、数年単位で時間が必要であるとの見解を示しています。