LINEがフードデリバリーサービス「出前館」と資本・業務提携を行いグループで300億円の出資をすることを発表しました。LINEグループが300億円「出前館」に出資し資本・業務提携を行い関係の強化を図ることで他社フードデリバリーサービスに対抗していく方針です。
3月26日、コミュニケーションツール「LINE」は、フードデリバリーサービスを提供している「出前館」と、資本・業務提携を結ぶことを発表しました。
「LINE」の発表によると、「出前館」と業務提携を行う内容について、LINEと関連する投資ファンドグループにて総額300億円を資本出資を行うとされており、合計で出前館の株式の過半数を取得することとなります。
フードデリバリー市場では、Uber Eatsなどが急速に勢力を拡大していますが、LINEグループが、300億円「出前館」に出資し、関係の強化を図ることで、他社フードデリバリーサービスに対抗していく方針です。
それでは、「LINE」が「出前館」と業務提携を行う内容について確認していきましょう。「出前館」では、今回の資本・業務提携に際し、4~5月払い込みにて、実施する第三者割当増資で、新株を発行するとしています。
発行される新株については、LINEと、LINEの母体である韓国NAVERグループとLINEが出資する投資ファンドが引き受けることが決定しているとのことです。
これにより、増資後の保有比率はLINEが約36%となり、投資ファンドが約25%と過半数となることで、「出前館」がLINEの管理下となります。
LINEでは、2016年に「夢の街創造委員会(出前館)」と業務提携により、21.7%の株式を取得し、筆頭株主となっており、17年7月には料理の宅配をLINEアプリ上から検索・注文できる「LINEデリマ」をリリースしています。
「LINE」とフードデリバリーサービス「出前館」の資本・業務提携による主な合意事項の内容については、次の通りとなっています。
「LINE」とフードデリバリーサービス「出前館」の資本・業務提携による主な合意事項の内容について | |
① | LINEの営む出前・宅配事業である「LINEデリマ」事業の名称を「LINEデリマ」から「出前館」に変更すること |
② | LINEの営むテイクアウトサービス事業である「LINEポケオ」事業をLINEの出前館に対する事業譲渡を行い、出前館の営む出前・宅配事業である「出前館」への統合を行なうこと |
③ | 「LINE」と「出前館」で別途合意するシステム担当者及びマーケティング担当者をLINEから「出前館」へ派遣すること |
現在、国内のフードデリバリー市場では、ユーザーのニーズが増えている影響で、新規参入を開始する企業も多くなってきており、今後は、フードデリバリー市場が激化してくると想定されています。
フードデリバリー市場を見てみると、今は、以前に比べ、デリバリーサービスを展開していない多くの飲食店のデリバリーを代行する「Uber Eats」などが急成長しているのも大きな特徴といえるでしょう。
「LINE」では、フードデリバリーサービス「出前館」の資本・業務提携を行うことで、LINEの提供している出前・宅配事業である「LINEデリマ」事業の強化を実施する目的があるとみられています。
LINEがフードデリバリーサービス「出前館」と資本・業務提携を行う背景については、「LINE」と「出前館」が、国内フードデリバリー市場でシェアを維持・拡大を行うことが大きな目的であるとされています。
LINEでは、フードデリバリーサービス「出前館」に300億円の資本を出資し、業務提携を行うことで、出前館の投資資金を確保するとともに、技術やデータ、人材をはじめとして、多くの面で、提携関係の強化を図ると説明しています。
なお、「出前館」では、業務提携によって調達した資金について、システム開発やマーケティング費用などを行ったうえで、配達員の増強に利用する計画であるとのことです。