「Slack」と「AWS(Amazon Web Services)」は、数年間にわたる戦略的提携を結んだことを発表しました。「Slack Calls」機能全てを「AWS」の「Amazon Chime」に移行し機能強化するなど提携内容が発表されています。
米現地時間6月4日、「Slack」と「AWS(Amazon Web Services)」は、数年間にわたる戦略的提携を結んだことを発表しました。
「Slack」のビデオ・音声通話「Slack Calls」機能全てを「AWS」のコミュニケーションツールである「Amazon Chime」に移行して機能強化し、「AWS」は「Slack」を全社導入するなど連携内容が発表されています。
今回の戦略的提携に関しては、クラウドサービスにおいてMicrosoftの「Azure」と競合する「AWS」とビジネスチャットツールにおいてMicrosoftの「Microsoft Teams」と競合する「Slack」が提携し機能強化を図る形です。
今回、「Slack」と「AWS(Amazon Web Services)」が発表した戦略的提携に基づく取り組みの主な内容は以下の通りとなっています。
「Slack」と「AWS」の提携内容 |
Slackの通話用「Slack Calls」機能を全て「Amazon Chime」に移行 |
Slackに「AWS Chatbot/Amazon AppFlow」を統合 |
セキュリティ(暗号鍵管理)機能強化 |
SlackはAWSを主要クラウドプロバイダーとして利用 |
AWSはチームコミュニケーションツールとしてSlackを採用 |
Slackのビデオ・音声通話「Slack Calls」のSlack内蔵の音声・ビデオ・スクリーン共有機能は、「Amazon Chime」の音声・ビデオ通話インフラ上に移行することで、リアルタイムコミュニケーションの品質やセキュリティ面など機能強化を図ります。
そして「Slack Calls」の既存のインタフェースには変更がないとされていますが、将来的にはモバイルビデオ通話機能などの新機能も追加していくとしています。
次にSlackと「AWS Chatbot」や「AWS Appflow」との統合の具体例としては、「AWS Chatbot」のSlack Appを提供開始するとしていて、既存のSlackチャンネル上でもAWSのリソース管理ができる環境を整えるとしています。
またこの統合で今後数カ月かけてデータフロー自動化ツール「Amazon AppFlow」と「Slack」の連携機能も刷新するとしていて、複数のSlackチャンネルとAWS間の双方向のデータ連携を実現するとしています。
この「Amazon AppFlow」と「Slack」の統合は、ノーコードで数クリックで連携が可能になると言いさらに便利になります。
「Slack」では2019年3月に大企業向けセキュリティ機能として、チャンネルごとや期間ごとにファイルやメッセージを暗号化できるアドオン機能「Slack Enterprise Key Management(EKM)」をリリースしています。
これはAmazonの暗号化キー作成・管理サービス「AWS Key Management Service(KMS)」を採用していて、Slack上のメッセージやファイルを暗号化する暗号鍵を「KMS」上で安全に管理しています。
ユーザーはSlackの全てのデータを転送中も保存後も独自の暗号化されていて、アクセスを細かくコントロールできます。Slackによるとセキュリティ機能「EKM」は今現在すでに90社以上に採用されているとしています。