日本気象協会はゲリラ豪雨を察知する「tenki.jp Tokyo雨雲レーダー」アプリの公開を開始しました。世界初の実用型レーダーとなる「MP-PAWR」を活用しゲリラ豪雨を察知する無料の「tenki.jp Tokyo雨雲レーダー」アプリについてご紹介します。
7月7日、日本気象協会はゲリラ豪雨を察知する無料の「tenki.jp Tokyo雨雲レーダー」アプリの公開を開始したことを発表しました。
無料で利用可能な「tenki.jp Tokyo雨雲レーダー」アプリはMP-PAWRと呼ばれる世界初の実用型「マルチパラメータ・フェーズドアレイ気象レーダ」を活用したスマホアプリとなっています。
なお、「tenki.jp Tokyo雨雲レーダー」に対応可能となっている対応OSについては「iOS 13」以降もしくはAndroid 8以降のデバイスが対象となっており利用料については無料にて利用可能です。
「tenki.jp Tokyo雨雲レーダー」アプリをリリースした背景についてですが、今回日本気象協会が公開を開始した「tenki.jp Tokyo雨雲レーダー」アプリは、内閣府のSIPでの実証実験の取り組みの一環として提供されるとのことです。
内閣府のSIPとは、内閣府がプロジェクトチームを立ち上げ取り組んでいる戦略的イノベーション創造プログラムであり今回のアプリ公開もこの主旨に基づいて実施されています。
「tenki.jp Tokyo雨雲レーダー」アプリで活用される「MP-PAWR」とは、内閣府のSIPにて開発が行われた世界初の気象レーダとなっています。
「MP-PAWR」の大きな特徴として30秒から1分の間隔で雨雲の高速三次元観測が可能なフェーズドアレイ気象レーダ(PAWR)と、高精度で雨量を計測することが可能となるマルチパラメータ(MP)レーダの機能を搭載している点があげられます。
「MP-PAWR」では、上空に位置している強い降水域の情報について正確な情報が素早く観測することが可能となるため、数分後に地上に到達する強い雨についても事前に察知することができるとされています。
なお「tenki.jp Tokyo雨雲レーダー」アプリでは東京・神奈川など首都圏の雨に特化してゲリラ豪雨対策のために起用することを想定して開発されています。
「tenki.jp Tokyo雨雲レーダー」アプリの特徴については主に次の点が特徴としてあげられています。
tenki.jp Tokyo雨雲レーダーの特徴 | |
①首都圏の雨に特化 | 今年の夏に向け首都圏のゲリラ豪雨対策として利用される予定 |
②ゲリラ豪雨予測の精度向上 | 発生の兆候を素早く察知することが可能に |
③更新頻度が高く、リアルタイムで降雨状況を確認 | 250m格子で雨雲の様子が確認でき情報は1分間隔で更新される |
④路線沿いの雨雲観測 | レーダーの3次元データを活用して雨雲の状況を観測可能に(★今後、追加予定の機能) |
公開が開始された「tenki.jp Tokyo雨雲レーダー」アプリでは、MP-PAWRの観測情報を活用した予測情報を提供を行いますが。今回一般ユーザーへの公開を行う点については世界初となる取り組みとなっています。
「tenki.jp Tokyo雨雲レーダー」アプリでは、MP-PAWRで観測したデータを活用し日本気象協会が提供する天気予報専門メディア「tenki.jp」のノウハウを重ね合わせることで急速に発達する雨雲の予測について「最短1分」毎に更新を実施するとのことです。
また、新たな機能として「MP-PAWR」の特徴である高速3次元観測を活用し雨雲の高度500mから15,500mの断面図が見られるコンテンツを開発に取り組んでおり7月上旬ごろに新機能として追加する予定となっています。
「日本気象協会」では、これまでも内閣府のSIP「国家レジリエンス(防災・減災)の強化」の研究課題に取り組みを実施してきました。
「日本気象協会」では、今後も企業活動や研究活動を通じて習得した知識や成果の実用化により、社会課題の解決に結びつけていきたいとしています。