「LINEで電話すると料金が無料」という言葉、一度は耳にしたことがあるでしょう。果たして本当に料金無料なのでしょうか?通常の電話とLINE無料通話は何が違い、通信量も違いがあるのか気になりますよね。LINE無料通話の仕組みと通信量の目安について見てみます。
LINEは今や国民の2人に1人以上が使用しており、日本ではメジャーなコミュニケーション手段としての地位を確固たるものにしたアプリです。LINEのおかげでメールはほとんどしなくなった、という人も多いのではないでしょうか。
そのLINEですが、メッセージやスタンプ送信だけにとどまらず、「無料通話」という名称で相手に電話が掛けられる機能もついています。このLINE無料通話ですが、いったいどのようなものなのでしょうか。本当に料金不要で、通常の電話機能と何が違うのでしょうか。
LINEはもともと、2011年3月に発生した東日本大震災がきっかけとなって誕生したアプリです。被災地周辺では、携帯で電話ができない・メールも送れないといった状況に一瞬にして陥りました。そして安否情報や被害情報がなかなか入ってこない、自分は無事だけどそちらはどうかといった確認をしたいけれども情報が発信できない、といった状態になったのです。
この出来事をTVの映像で見た、現在のLINE株式会社の会長が「どんな時でも無料で簡単にメッセージを送受信できるアプリが必要だ」と思い立ちました。
そしてメールより簡単にリアルタイムにメッセージのやりとりができるアプリとして震災後すぐに開発が始められ、2011年6月に初めてLINEはリリースされました。
メッセージに「既読」機能がついたのも、有事の際に相手の安否確認(既読になれば相手は無事である、と送信者がわかる)に使えるからだと言われていますが、LINEはこのような背景があってできたものなのです。
LINEは、今でも単にメールの代わりとして、メッセージやスタンプのやり取りだけで使っている方も多いようです。
メッセージやスタンプ送受信であれば、メールと同じようにアプリ自体には料金はかからないけど通信をするのにパケットがかかる、というのは何となく感じておられると思います。
けれども、LINEの無料通話の機能についてはあまり仕組みがわかっていない、という方も多いのではないでしょうか。使い方によっては無料どころではないどころか高額な料金がかかるケースもありますので、本記事ではその辺も含めて取り上げていきたいと思います。
さて、LINEでできる無料通話には、「無料通話」と「ビデオ通話」の2種類があります。前者は通常の電話機能と同じように音声のみで通話する機能です。
後者はスマホのカメラ機能を使い、いわゆるテレビ電話のように相手の顔を見ながら通話ができます。(これ以降あえて分けた書き方をしていない限り、無料通話とビデオ通話の機能をあわせて「無料通話」と記載します。)
LINEで無料通話を使ったことがあるという人もそうでない人も「料金がかかることなく電話ができる」と言われている点について、少なからず気になっていると思います。
LINEの電話は本当に料金かからないの?何か裏があって実は高い通話料金がかかるのでは?と、使うのをためらう人もいると聞きます。
そもそもLINEでの通話に関して「無料」というキーワードだけが独り歩きしており、目安となるものがないことが「いまいちよくわからない、本当に大丈夫なのか?」と思われる原因であろうと思われます。
それでは具体的にLINE無料通話について次の章から見ていきましょう。この記事が皆さんのモヤモヤを晴らす一助になればと思います。知っておいて損はない情報ばかりなので、ぜひこれから紹介する内容を目安にしてLINE無料通話をうまく使ってください。
それでは、なぜLINEの無料通話は通常の電話と比べ安いと言われているのでしょうか?そして料金は本当に安いのでしょうか?まずは仕組みを見ていきましょう。
LINEの無料通話やビデオ通話は、いったいどのようにして機能として実現されているのでしょうか。
実はLINEにおける通話は、電話回線を経由する通常の携帯電話における音声通話の仕組みとは全く異っています。
音声データをパケットに変換してデータ通信回線を通り、そこからインターネット回線を経由して通話相手とやりとりします。
すなわち、音声のデータは通信経路の中ではLINEのメッセージやスタンプのデータと同じように扱われているわけです。インターネットを経由するので、いわゆるIP(Internet Protocol)電話の一種ということになります。
通常の電話回線は、特殊な仕組みをしていることからや高価なインフラ設備が必要となります。また全国津々浦々に回線を整備し維持しないといけないので、コストもそれなりにかかるのです。
しかも他の携帯キャリアや固定電話の相手にかけるのであれば、他社の回線も経由するため、その分余計にコストがかかることになります。ですから携帯の通話料金はどうしても高くなってしまうのです。
一方インターネット回線経由のデータ通信回線だと、各携帯キャリアはインターネットへの接続口までを整備すればよく、仕組みも電話回線ほど複雑ではありません。
みんなで共通に利用しあうインターネットを使うことで、コストが抑えられているのです。ですからそもそも通常の電話回線より安く利用することが可能、というわけです。
1 / 5
続きを読む