日本電子決済推進機構が新たな銀行に対応するスマホ決済サービス「Bank Pay」を2019年秋に開始することを発表しました。Bank Payは、ユーザーがスマホアプリに表示したバーコードを読み取って貰うことで、対応する銀行口座直結で決済ができるサービスです。
日本電子決済推進機構は4月22日、今秋からオールバンクのスマホ決済サービス「Bank Pay(バンクペイ)」を開始することを発表しました。
Bank Payとはユーザーが小売店店頭でスマホをかざすだけで、メガバンク・地方銀行等をはじめとする最大1,000以上の銀行口座から直接支払いができる全金融機関共通の決済アプリです。
ユーザーがBank Payアプリを利用することで、Bank Payに対応している金融機関であればどの口座でも利用可能となります。
日本電子決済推進機構とは、デビットカードサービス「J-Debit」を運営する団体です。Bank Payは、J-Debitとは別のサービスとしてスタートしますが、デビットカードのような「銀行口座から直接引き落とし」という機能は共通です。
支払いは、競合の「PayPay」や「LINE Pay」などと同じような仕組みを用いています。QRコードやバーコードの表示機能を備えていて、QRコードの読み取りにも対応しています。
Bank Payは企業側にもBank Payの機能を開放することで、企業独自のクーポンアプリやショッピングアプリ内でも銀行口座からの支払い機能が利用できるようになるとされています。
これによって会員証やポイントカードなどの企業独自の販売促進機能とBank Payが連携することになり、1つのアプリで決済まで完結することで利便性の向上に繋がるでしょう。
小規模店舗の場合、タブレット端末にダウンロードしたBank Payの加盟店用アプリからQRコードを表示するか、Bank PayのQRコードステッカーを設置しユーザーが読み込むことで決済可能です。
QRコードステッカーを設置する場合であれば、新たなシステムや端末を導入する必要がなくコスト0円で導入ができます。中規模・大規模店舗の場合はユーザーが表示したQRコードまたはバーコードを読み取ることで決済を行えます。
店舗側は1つの金融機関と契約すれば、対応する1000行以上で決済できるといいます。なお日本電子決済推進機構には、3大メガバンクのほか、全国の地銀、信用金庫、農協系金融機関などが加入しています。
金融機関の銀行口座と連携するQR決済サービスは「Bank Pay」以外にもあります。GMOペイメントゲートウェイの決済システムを使って参画している銀行の口座直結支払いや加盟店の共有などを可能にする「銀行Pay」です。
銀行 Payはそれぞれの銀行のサービスの一部として、ゆうちょ銀行の「ゆうちょPay」や横浜銀行の「はまPay」といった形で提供されています。
Bank Payではこの「銀行 Pay」との連携を目指していて、決済システムのネットワークの共通利用や、「加盟店の相互開放(片方のサービスのユーザーなら、両方の加盟店で決済できる仕組み)」といった連携を検討しています。
ちなみに三大メガバンクの一角であるみずほ銀行は、独自のQR決済サービス「J-Coin Pay」を開始しています。J-Coin Payのシステムには地方銀行も対応していて北海道銀行や第四銀行、京都銀行などでも利用できるようになっています。
銀行系のQRコード決済は「銀行 Pay」、「Bank Pay」、「J-Coin Pay」の3つの決済プラットフォームが存在し、それぞれに金融機関の加盟を募っていることになります。