LINEは法人向けサービス「LINE公式アカウント」の利用を地方公共団体向けに無償化する「地方公共団体プラン」の提供を開始します。地方公共団体プランに申請した地方公共団体は「LINE公式アカウント」を無償で利用でき、災害時の住民への緊急連絡も可能になります。
LINEは4月23日、コミュニケーションアプリ「LINE」の法人向けサービス「LINE公式アカウント」を、地方公共団体向けに無償化する「地方公共団体プラン」の提供を発表し、5月21日より開始することになりました。
LINEは4月18日に、法人向けサービス「LINE Biz-Solutions」において、「LINE 公式アカウント」の新プラットフォームの提供を開始しています。
LINEではこれまでにも主に中小企業・店舗向けに展開している「LINE@」で、地域の繋がりをより深めるためのツールとして利用することを目的として「地方公共団体無償プラン」を提供していました。
4月から開始されたLINE@と「LINE公式アカウント」のサービス統合に伴って、新プラットフォームにおける地方公共団体向け無償化プランとなったというものです。
地方公共団体プランに申請した地方公共団体は、新プラットフォームにおける「LINE公式アカウント」を無償で利用することができます。
「Messaging API」を活用した特定の住民に対するターゲティングメッセージの配信や、One to Oneコミュニケーションなども利用できます。
これによってLINE公式アカウント上での、戸籍・住民異動・福祉・教育など住民向けサービスの各種申請・届出の受付、モバイル送金・決済サービス「LINE Pay」を利用した税金のキャッシュレス支払いも可能となります。
さらに災害時における住民への避難方法の緊急連絡など、様々な用途でLINE公式アカウントを活用できるとしています。初めてLINEを導入する場合でも取り組みやすくなるように、地方公共団体向けに特化したLINEの活用マニュアルも提供予定とされています。
2019年4月時点で累計約600件の地方公共団体のアカウントが開設されていて各地域の特徴や課題に合わせて活用されています。熊本県熊本市では、アカウント上で取得したい情報の種別や居住地域を設定することができます。
「地域情報」「復興情報」「イベント情報」「健康情報」「子育て」「高齢」「障がい」「しごと」等の情報から住民が自分で必要な情報を選択して受け取ることができます。
災害時には登録された居住地域ごとに被災状況や避難所等の必要な情報を素早く配信し、地域力や防災力の強化に繋げています。またメッセージトーク画面でごみの名称を入力すると、ごみの出し方や分別方法を検索できる「ごみ分別検索機能」を実装しています。
さらに秋田県横手市では、LINE内でトークメッセージを送りながら横手市の最新情報が検索できるようになっています。
この「地方公共団体プラン」は都道府県市区町村が対象で、区に関しては東京23区のみが対象となっています。それ以外はプラン適用の対象外とされ、LINE公式アカウントの「認証済アカウント」開設後に申請可能となっています。
LINEは様々なメニューを通じて、地方公共団体とユーザー両方にとって価値のある情報接点を提供し、コミュニケーションインフラとして多様な活用の可能性を広げていく予定だと言います。
この先も行政サービスの新たなモデルケースを創出するなど、地方公共団体への連携・支援を積極的に行なっていくとしています。