Huawei(ファーウェイ)を事実上の貿易ブラックリストに加えた米大統領令を受けて、GoogleがHuawei(ファーウェイ)に対し自社サービスや技術サポートの提供を検討していると報じられていましたが、Googleは既存端末へのサービス継続を発表しました。
Reuterは現地時間5月19日に、アメリカの商務省・産業安全保障局が「Huawei Technologies(ファーウェイ)およびその関連企業68社を輸出規制リスト(Entity List)に追加した問題で、Googleが同社との取引を一時中断したと報じています。
その内容によると輸出規制リストに追加された企業と許可を得ずに取り引きをした場合、その企業も制裁の対象に追加されることもあり、米国再輸出規制(EAR)の対象となるGoogle PayやGmailなどのサービスを停止しているとされています。
これによりファーウェイが中国国外で販売しているAndroid端末について、今後はAndroid OSのアップデートやGoogle Playストア、Gmail、YouTubeアプリといったGoogle製アプリが利用できなくなるためスマホビジネスへの影響が懸念されています。
このHuawei(ファーウェイ)問題についてGoogleが「既存のファーウェイ製品ユーザーにはGoogle Playサービスを継続して提供する」という声明を発表しました。
声明の内容によると、Googleはファーウェイに対するサービスの提供中止を検討していること、そして現行製品のユーザーに対しては、継続してサービスを提供する意思があることがうかがえます。
さらにAndroidの公式Twitterアカウント( @Android )で既存のファーウェイのAndroid搭載製品においてGoogle PlayなどのサービスやGoogle Play Protectionによるセキュリティーの保持などは継続して利用できることを明示しました。
GoogleはファーウェイのAndroid端末利用者の不安を解消するよう努めています。
なお日本では日本法人のファーウェイ・ジャパンが5月21日から新製品発表会を予定していて、すでに2019年夏モデルもNTTドコモから「HUAWEI P30 Pro HW-02L」が今年の夏に発売予定となっています。
またauから「HUAWEI P30 lite Premium HWV33」が5月下旬に、Y!mobileおよびUQ mobileから「HUAWEI P30 lite」が5月24日に発売予定となっています。
Googleは供給されているHuawei製端末に対するGoogle PlayサービスやGoogle Play Protectによるセキュリティアップデートは提供され続けるとの声明を発表しました。
しかし一般ユーザーとしては「今持っているHuawei製端末に影響があるのか?」「すでに開発・生産が終了していてこれから販売が始まるHuawei製端末はどうなるか?」と不安に感じる人も多いでしょう。
Android自身はGoogleが所有するプロジェクトではなくオープンソースプロジェクトなので、Huaweiは今後もAndroid OSを継続し使い続けることができます。
またHuaweiは独自にSoCを開発しているため、Qualcomm製SoCを使えなくなることによる影響もありません。
もし今後のファーウェイ製スマホでGoogle PlayなどGoogleが提供するサービスが利用できなくなったとしても、AndroidのべースとなるオープンソースOS「AOSP」の利用までは閉ざされません。
今後日本などの同盟国にスマートフォン向け部品の輸出を自粛するよう求められるなど、さらに一歩踏み込んだ事態にならない限り、ハードウェアの生産に大きな影響はないでしょう。
中国ではもともとGoogle Playストアなどは提供されずGoogle製のサービスに制限がかけられていることから代替サービスが発達していて、ファーウェイの中国におけるスマホビジネスへの影響は少ないとされています。
一方でヨーロッパなどファーウェイがシェアを持つ中国外の市場では、Googleの提供するサービスがなければスマホとしての商品性を引き出すことはできませんので苦戦を強いられると予想されています。
ファーウェイはP30 Proなど優れた端末を販売してはいるものの、その機能やユーザビリティはGoogle提供のサービスやアプリストアに掛かっているところが大きいです。
Google PlayやGmail、Google Mapなどの一連のソフトウェアは、Androidとは別にGoogleが基準を決めて一定水準以上の互換性、品質を持つ端末にのみライセンスしているものです。
Google Mobile Service(GMS)がそれに当たり、端末が認定業者による互換性テストを通過すると、使用ライセンスが発行されプリインストールして出荷できるわけです。
すでに流通・販売されているファーウェイ製のスマホにどのような制限がおよび、新たな端末はOSやアプリ面でどういった対応をするのか、推移を見守りたいですね。
今回のGoogleの声明からは、「少なくとも現在出荷されている端末のGoogle Playなどが動かなくなることはない」ということが分かるだけで、それ以上のことは何の情報もありません。
おそらくGoogle自身が大統領令がどこまで同社のライセンス事業に影響するのかを、まだ法的に精査しきれていないと想像されます。
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