auとソフトバンクはファーウェイが製造した新型スマートフォンの発売を延期することを発表しました。さらにNTTドコモも今年の夏に発売予定だったファーウェイ製スマートフォンの予約受付を中止しました。延期されたスマートフォンの新たな発売時期は未定です。
auとソフトバンクは5月22日、5月下旬に予定していた中国ファーウェイ製の新型スマートフォンの発売を延期すると発表しました。NTTドコモも今夏に発売を予定していたファーウェイ製の新型スマートフォンの予約受付を停止しました。
さらにauは、2019年夏モデルとして用意していた「HUAWEI P30 lite Premium」の発売時期を5月下旬から時期未定に変更しました。
ファーウェイは、米政府の制裁措置によりスマートフォンに不可欠なIT製品・サービスが調達できない恐れが出て来ています。
これはファーウェイ社製スマートフォンの利便性に影響を及ぼしかねず、現時点では販売を見合わせることにしたようです。
米中貿易摩擦はau、ソフトバンク、NTTドコモなど日本の携帯大手がファーウェイ社製新型スマートフォンの販売を延期したり予約受付を中止する事態に発展しています。
発売延期の理由について、auは「現在、ファーウェイ製品に関するドナルド・トランプ米大統領の発言や、Googleの対応などの事実確認中で、製品の発売に関して判断ができていない状況。総合的に判断して発売延期を発表した」としました。
ソフトバンクも「Y!Mobile」ブランドから「HUAWEI P30 lite」を24日に発売する予定でしたが、延期すると発表しました。
ソフトバンクも発売延期理由について「HUAWEI P30 liteが安心して提供できる状況か、また販売による影響を確認中であり、発売延期を発表した。新たな発売時期は未定」としました。
さらにNTTドコモは「HUAWEI P30 Pro HW-02L」を今夏に発売する予定でした。5月22日午後13時時点では「発売延期、発売中止を検討中」としていました。しかし22日午後5時過ぎに予約受付を停止すると発表しました。
ドコモ広報部によると予約受付停止理由は、ファーウェイとその関連企業が米商務省産業安全局(BIS)の「エンティティリスト」に加えられたことに伴い「規制内容を確認し、影響範囲を精査する必要が生じた」ためと言います。
新たな発売時期の見込みは立っていませんが、HUAWEI P30 Proの販売やサポートに影響が出ないことが確認できれば、その時点で予約の受け付けを再開する予定だと言います。
米国のトランプ政権が発動した禁輸措置によって、Googleはファーウェイに対するAndroid OSのサポートを「既存端末」を除き中止する方針を発表していました。これはその影響について各キャリアが確認作業を進めるなかでの延期となった形です。
米商務省は15日(現地時間)、ファーウェイとその関連企業70社を「エンティティリスト」に追加すると発表しました。エンティティリストとは、大量破壊兵器拡散の懸念や米国の安全保障・外交政策上の利益に反する顧客等のリストを指します。
ファーウェイは米政府の許可がなければ米国からの部品調達ができなくなります。米Googleや米Intelは、ファーウェイと取引停止することを決定したとも報道されています。
現時点では、既に発売済みのファーウェイ製のスマートフォンなどは影響を受けないとされていて、ビックカメラなどの量販店では「既存製品については販売を続ける」としています。