トラブル続きだったMacBook Airのバタフライキーボードが2019年から廃止されるという噂が伝えられています。そしてバタフライキーボード廃止後、2019年発売のMacBook Airから新型シザー式キーボードに回帰すると予測されています。
バタフライキーボードは2015年の12インチMacBookに採用され、今年発売のMacBook Pro最新モデルにも搭載されて4年目を迎えました。
バタフライキーボードは薄くて省スペースでさらに正確な打鍵が可能との売り文句でしたが、実際にタイプ感が少ない、音が大きい、そして故障しやすいとの報告が多く何度も修理プログラムが発表されていました。
そしてついにAppleはこれを廃止し2019年発売のMacBook Airから新型のシザー式キーボードを採用との噂が伝えられています。
この噂を報じたのは、Apple関連のインサイダー情報で知られる著名アナリストのMing-Chi Kuo(ミンチー・クオ)氏です。
著名アナリストKuo氏が発表した新たなレポートによると、Appleは2019年のMacBook Airから耐久性と深いキーストロークを備えた新型シザー式キーボードを提供する予定であるとされています。
そしてMacBook Proも新型シザー式キーボードを搭載する予定ではあるものの、2020年までは実現しないとされています。新シザー式キーボードは平均的なノートPCのキーボードよりは高価になる可能性はありますが、バタフライ式よりは安くなるようです。
著名アナリストKuo氏によると、新型シザー式キーボードは全く新規に設計され、グラスファイバーを使用してキーを補強していると言います。
シザー式キーボードはノートパソコンでは一般的に採用され、非RetinaのMacBook Airをはじめとする以前のMacBookシリーズにも採用されていてその信頼性と打ち心地には定評があります。
バタフライキーボードでユーザーの議論の元となっていたストロークも深くなるとのことで、この点を嘆いていたユーザーにとっては明るいニュースと言えるでしょう。
さらに著名アナリストKuo氏は、実はバタフライキーボードはApple側にとってもトラブル続きの存在で製造コストも高かったと述べています。
ユーザーにとって評価が分かれる打ち心地は置いておくとしても、特定のキーが効かなくなることや文字が勝手に反復入力されること、さらに押したキーがスムーズに返ってこないといった障害が多く、第1世代に対しては米連邦地裁に集団訴訟が起こされました。
第2世代では「従来のシザー構造よりもキーの安定性が4倍向上」と宣言されながらも、結局は無償修理プログラムの対象となりました。そして2018年モデルに搭載された第3世代バタフライキーボードもトラブルが相次ぎ、Apple広報は公式に謝罪しました。
さらに2019年5月にはキーボード無償修理プログラムがバタフライキーボード搭載の全機種に拡張され、発表されたばかりのMacBook Pro新モデルまで含まれるという事態に陥りました。
これといったトラブルも報告されず、打ち心地も好評だったシザー式キーボードへの回帰は多くのMacユーザーにとって夢に見た展開のはずです。
ただデザインを全面刷新された16インチMacBook Proは今年9月に発売と噂されているのでもしかしたらバタフライキーボードが続投になるのかもしれません。MacBook Proでの新シザー式キーボード採用についても前倒しを望む声が多そうです。