2021年のiPhoneには顔認証のFace IDとディスプレイ内蔵式の指紋認証センサーTouch IDがダブル搭載されると著名アナリストのミンチー・クオ氏が予測しています。2021年のiPhoneが顔と指紋認証でロック解除可能の予測は、クオ氏独自の見解です。
2021年のiPhoneには顔認証のFace IDに加えて、ディスプレイ内蔵式の指紋認証センサーTouch IDが搭載される、との予測をAppleのインサイダー情報で知られる著名アナリストのMing-Chi Kuo(ミンチー・クオ)氏が現地時間8月5日に発表しました。
先日も2021年iPhoneでは「Face IDが廃止され、画面埋込み式Touch IDに取って代わられる可能性が高い」との予測が報じられていましたが、今回は両方とも搭載し指紋でも顔でもロック解除できるというものです。
ミンチー・クオ氏は独自の情報網を持ち、Apple関連の精度の高い予測で知られる著名アナリストです。
最近ではアメリカが対中輸入関税の引き上げを実行しても関税によるコスト増加をAppleが吸収するためiPhoneの販売価格は変わらない、との予測を発表しています。
2021年のiPhoneに関しては、AppleはFace IDとTouch IDの両方を搭載して相互に補完させることで、セキュリティと利便性を強化しより良いユーザー体験を実現できると考えていると述べています。
しかし現時点でディスプレイにTouch IDセンサーを埋め込むには、電力消費、読み取り領域の大きさ、センサーモジュールの厚み、製造時の良品率が低いといった4つの技術的課題が残されています。
クオ氏はこれらの課題の大半は今後12〜18カ月ほどで解決すると予測していて、2021年新型iPhoneにはFace IDとFODの両方を備え指紋でも顔でもロック解除できるようになるとしています。
著名アナリストのクオ氏は、2021年発表のiPhoneはFace IDとTouch IDのダブル搭載を予測していますが、今回はサプライチェーンから入手した情報ではなく、自らの考えに基づいていると述べています。
クオ氏が挙げる根拠は2つあり、1つはAndroidスマホで画面埋込み式指紋認証の人気が高く、来年には4億台もの出荷が見込まれるという理由です。
もちろんAndroidスマホの初期の画面埋込み式指紋認証の採用はあまり成功したとは言えませんでしたが、「OnePlus 7Pro」では著しく改善され、以前のボタン式指紋センサーと同じぐらい認証が速く正確になったと評されていました。
2つ目の根拠は、Appleが画面埋込み式Touch IDに関する複数の特許を出願している点です。AppleはTouch IDセンサーをディスプレイに埋め込む技術の特許を取得していて、今後の製品に同技術が採用される可能性はあります。
この2つの根拠を元に、クオ氏はAppleがFOD(画面埋込み指紋センサー)の改善を織り込んで、一度はiPhone全モデルから廃止したTouch IDを再び採用すると分析しています。
2つの生体認証を搭載すれば、明るい場所ではFace ID、暗がりではTouch IDと使い分けることでセキュリティと利便性が両立できるはずです。
「どちらも採用」となると必然的にコスト増を招くことになるため、iPhone XRで3D Touchを廃止したのもコスト削減のためと見られるAppleとしては、若干考えにくい面もあります。
その一方では中国向け限定に「Face IDの代わりに画面埋込み式Touch ID採用のiPhone」という噂もあり、AppleがTouch IDの復活を検討しているとの観測もあります。
しかし実際Androidスマホでは顔認証と指紋認証搭載デバイスが珍しくなくなったこともあり、Face ID+Touch ID搭載iPhoneの可能性は否定できないかもしれません。