2020年02月23日更新
AppleがSafari以外のiPhone標準ブラウザを検討中?
Appleが、iPhone標準ブラウザに「Safari」以外のサードパーティ製ブラウザを使えるようにすることを検討中であることが報じられました。AppleがSafari以外のiPhone標準ブラウザを使用可能にする案はiOS 14で対応する可能性もあります。
目次
Apple、iPhone標準ブラウザ「Safari」を変更可能とする案を検討中
Appleが、iPhone標準Webブラウザの「Safari」ではなく、サードパーティ製のブラウザを標準で使えるようにすることを検討中であることが、アメリカの総合ニュースサイト「Bloomberg」によって報じられています。
さらにAppleのスマートスピーカー「HomePod」で再生できる標準設定を、「Apple Music」ではなく「Spotify」などの他社の音楽サービスにも開放することも検討中であると報じられています。早ければiOS 14で実現する可能性があるようです。
Appleは2008年にApp Storeのサービスを開始して以来、iPhoneの標準ブラウザとメールアプリに関してはプリインストールされている「Safari」と「Apple Mail」に固定しています。
つまりユーザーがURLのリンクをタップすると、自動的に「Safari」で開かれ、Webサイト内のメールアドレスをタップすると自動的に「Apple Mail」が起動されるという仕組みとなっていてそれ以外のアプリに切り替えるオプションはありません。
Appleが自社アプリを優遇していると批判
この仕組みに関しては、実際にAppleが自社製アプリを優遇しているという批判の声もあがっています。
2019年にはアメリカの米下院の反トラスト委員会でのヒアリングにおいて、Appleが自社アプリを優遇しサードパーティ製アプリを不当に扱うのは独占禁止法に抵触するのではないか、との議論が持ち上がりました。
今回検討中とされている「Safari」以外のiPhone標準ブラウザに変更できるようにするという措置は、Appleがこのような批判へ対応していることになるでしょう。
また音楽サービスに関して、iOS 13からはSiriで「Spotify」を再生できるようになりましたが、これは「Hey, Siri Spotifyで曲を再生して」とわざわざ指示しなければいけません。
ここで「Spotifyで」を抜いて「〜〜という曲を再生して」とだけ呼びかけると、標準設定の「Apple Music」や「Apple Podcast」が優先さるため設定を変更することは不可能となっています。
「HomePod」での他社音楽サービス再生に関しても、iPhoneやiPadなど別のデバイスから「AirPlay」で転送するという方法をとっていて、「Spotify」はAppleが競合するアプリやサービスを締め出していると欧州委員会に苦情を申し立てていました。
早ければ「iOS 14」で対応
「Bloomberg」の報道によると、今回のサードパーティ製のブラウザやメールアプリを標準として使用可能にする案は、検討中の段階であるとしています。
早ければ、毎年6月に開催される世界開発者会議(WWDC)で発表され、次期バージョン「iOS 14」で対応される可能性もあるでしょう。