2021年04月30日更新
WASAPI排他モードでハイレゾ再生!高音質化する設定方法を解説!
Windowsで音楽を高音質サウンドであるハイレゾ再生する際には、WASAPIの排他モードを利用します。WASAPIとは何なのか、Windowsで高音質なサウンド利用のためWASAPI排他モードを利用する場合、どのような方法を利用するのかを解説していきます。
WASAPI排他モードでハイレゾ再生する方法
Windowsで高音質なハイレゾ再生したい、と思う人も少なくないかと思います。しかし、オーディオAPIの中には音質を変化させて劣化してしまうものもあり、どうしたものか悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
Windows Vista SP1以降のバージョンだと、オーディオAPIとしてWASAPIというものが標準で搭載されていますので、それを利用して音質を向上させる方法の説明をしていきます。
WASAPIとは
まずはWASAPIとは何か、ということの説明からしていきます。WASAPIは「ワサピ」と読み、Windows Audio Session APIの略称です。WindowsOSがサポートしていることもあって手続きさえ踏めばすぐ利用することができます。
排他モードと共有モードがある
なお、このWASAPIには排他モードと共有モードがあります。通常、Windows上では共有モードで動作しており、様々なアプリからカーネルミキサーを通じて1つの出力先(スピーカーやイヤホン)に音声が出力されます。
WASAPIの共有モードとは他のアプリと1つの出力先を共有するモードであるのですが、それとは違い、排他モードとはカーネルミキサーを介さず1つの出力先に1つのアプリケーションのみを利用するモードです。
カーネルミキサーを介すことによって様々なアプリのサウンドをノイズを発生しないように調整した上で出力してくれますが、それが原因で音質が下がります。
逆に、WASAPIの排他モードは共有モードと違いカーネルミキサーを介すことがないため、劣化の少ないサウンドでの再生ができ、ハイレゾなどの高音質のサウンドを利用することができるのです。
ASIOとの違い
なお、同じくオーディオAPIにはASIO(Audio Stream Input Output)というものがあります。現在はYAMAHAの子会社になっているドイツのSteinberg社が策定したドライバ規格で、業界の標準水準となっていることも多いものです。
ASIOとはWASAPIと違い、もともとカーネルミキサーを介さないオーディオAPIです。
ハイレゾが人気になっている今、このASIOに対応している機種も多いものの、WASAPIと違いサウンドドライバーに当たるため、対応機種でなければ使うことができません。
ASIOはWASAPIと違い遅延なども起きづらいですが、対応している物が少ないですので、利用する際はその対応機種かどうかの確認が必要です。
ハイレゾ再生するための初期設定
では、WindowsでWASAPIの排他モードを利用してハイレゾ再生するためには初期設定が必要です。WASAPIの排他モードの設定が必要ですので、まずはそのやり方を説明します。
WASAPIの排他モードを利用したい場合の設定ですが、まずはWindows10の設定を開いてください。
「システム」をクリックします。
「サウンド」をクリックしてください。
下の方にスクロールして「サウンドコントロールパネル」をクリックしましょう。
サウンド設定の画面が開きますので、「再生」タブが開いていることを確認し、既定のデバイス(普段利用しているデバイス)を探して選択してください。
「プロパティ」をクリックしてください。
スピーカーのプロパティが開きます。「詳細」タブをクリックしてください。
「既定の形式」のドロップダウンリストをクリックします。
「サンプルレートとビットの深さ」を、一番高品質なものにしてください。上記の場合は「24ビット、96000Hz(スタジオの音質)」を選択します。
また、排他モードでの利用をするために、「アプリケーションによりこのデバイスを排他的に制御できるようにする」と「排他モードのアプリケーションを優先する」にチェックを入れておきましょう。
完了したら「OK」をクリックします。これでWASAPI排他モードを利用するための初期設定完了です。
高音質化する設定方法
では、Windows10でWASAPI排他モードを利用して高音質化する設定方法の次の説明に移ります。WASAPI排他モードでサウンドの高音質化を実現するためには「foobar2000」の導入が必要です。
foobar2000でWASAPIを使って高音質化する手順
「foobar2000」を導入するためには、まずは下記リンク先にアクセスしてください。
Latest stable versionのものをダウンロードしましょう。その下のものはベータ版ですので、利用できないことはありませんができればstableの方のダウンロードをしてください。
ダウンロードした「foobar2000」のインストーラーを起動します。
インストーラーが起動します。「Next」をクリックしてください。
foobar2000の使用許諾契約書に同意しましょう。「I Agree」をクリックします。
インストールタイプは「Standard Installation」で問題ありません。「Next」をクリックするとユーザアカウント制御の画面が表示されますので「はい」をクリックしてください。
インストールする場所の確認画面になります。そのままで問題ないため「Next」をクリックしましょう。
foobar2000のショートカットの作成などの選択画面が表示されます。ここに関してもすべて選択(FULL)でOKです。「Install」をクリックしましょう。
foobar2000のインストールが完了したら、「Finish」をクリックしてfoobar2000を起動してください。
なお、WASAPIの排他モードを利用するためには追加の設定のインストールが必要です。下記リンク先にアクセスし、WASAPI排他モード利用のため「WASAPI output support」の最新バージョンをクリックしてください。
「Download」をクリックして、ファイルのダウンロードを行います。
ダウンロードしたWASAPI output supportをダブルクリックして開くと、自動でfoobar2000が開き、上記のように注意書きが表示されます。
これは「このパッケージの入手サイトを信頼できるかどうか」というような内容です。「はい」をクリックしましょう。
注意の画面が閉じれば、自動でfoobar2000のコンポーネントの画面が開いているため、そこに「unknown-please apply changes to load」という太字の項目があることを確認してください。
「Apply」をクリックして有効にします。
foobar2000の再起動を求める画面が表示されますので、「OK」をクリックしてfoobar2000の再起動をしてください。
foobar2000が再起動したら、「File」→「Preferences」を開きます。
「Components」を開くと、先程とは違い、WASAPI output supportが追加されていることが確認できます。このようになっていればOKです。
利用設定の説明に移ります。「Playback」の「Output」を左側のメニューから選択し、再生デバイスを選択しましょう。
「Device」の部分のドロップダウンリストをクリックします。
WASAPIには「WASAPI(event)」と「WASAPI(push)」の2つがあります。pushもeventも大きく差はないようなのですが、CPUに負荷がかかりづらいのはpushよりもeventのようです。
そのため、基本的にはeventを選択しておけばよいでしょう。なお、pushを選択してはいけないということでもありません。
CPUに負荷がかからないのであればeventのほうが音質に悪影響を及ぼす可能性が少ないとされるものの、利用している人によってはeventよりもpushのほうが良いと感じることもあります。
eventにするかpushにするかは感覚の問題もありますし、pushだと音がでないためeventにするという形にすることもありますので、どちらも使ってみて判断してみてください。
最後に
WASAPIの排他モードを利用することで、ハイレゾの再生をして高音質のサウンドを聞くことができます。
WASAPIの排他モードで高音質化するには再生ソフトであるfoobar2000を利用し、コンポーネントを追加することで設定できますので、WASAPIの排他モードを利用したい人は解説した内容を参考に設定してみてください。