2019年05月09日更新
Instagramがファクトチェック機能強化のテストを開始!フェイク画像をAIで自動認識
フェイクニュース対策としてファクトチェック機能が大手ネットサービスに導入されつつありますが、Instagramでもファクトチェック機能強化のテストを始めました。Instagramはフェイク画像を見つけ出して自動的に対処するためAIを使用するようです。
目次
Instagramがファクトチェック機能強化のテストを開始
ファクトチェック(事実検証)機能はフェイクニュース対策としてYouTubeなど大手ネットサービスに導入されつつありますが、この度「Instagram」がファクトチェック機能を強化するテストを始めたと報じられています。
ジャーナリズムやデジタルメディア関連ニュースを扱うPoynterによると、今回のInstagramによるテストプログラムについてInstagramの広報は「フェイク画像をAIで自動認識する機能を導入している」と述べているようです。
Facebookでは2016年よりファクトチェック強化
Facebookでは、2016年から問題のあるコンテンツをFacebookが提供するアプリ全体にわたって管理することを目的とした「削除、抑制、情報提供(Remove、Reduce、Inform)」という対策を実施しています。
これは2016年の大統領選挙でロシアの誤情報キャンペーンに侵入されて1億5000万人ものアメリカ人にフェイクニュースを配信したことがきっかけとなっています。
52社ものファクト確認パートナーの協力の元、フェイクと判定されたリンクや画像、動画はニュースフィードに配信されにくくなり、ユーザーがシェアしようとすると警告が表示されるという具合になっています。
今回のInstagramによるテストプログラムはFacebookによる取組みよりも踏み込んだもので、フェイクニュースを見つけ出して自動的に対処するために画像認識テクノロジーを使用していると言います。
今週からInstagramはFacebookのファクト確認パートナーがフェイク情報を分別するため使用しているのと同じダッシュボードに、虚偽の疑いがあるユーザー投稿を送信していると言います。
これによって両社のファクトチェックはこれまでのワークフローを変更することなく、Instagram固有のデマを検出し、拡大を防げるようです。
Instagramはフェイク画像をAIで自動認識する機能を導入
今回Instagramが行うファクトチェック機能強化のテストはフェイク画像をAIで自動認識する機能を導入していますが、なぜFacebook側のファクトチェックでInstagramのフェイクニュースを捉えきれないのでしょうか。
政治にまつわる発言や声明の信ぴょう性をファクトチェックする米国のサイトの「Politifact」のAaron Sharockman氏によると、誤報はプラットフォームごとに大きく形が異なると言います。
Instagramはハイパーリンクがコメント欄では機能しないので、文字情報から構成されていないフェイク画像は画像認識AIでしかフォローすることはできないということです。
Instagramがフェイクと判断した投稿への対応は基本的にFacebookと同じです。投稿は削除はせず、配布を減らしニュースフィードに載りにくくするという方針が取られます。
さらにInstagramでは、生死に関わるようなデマを拡散する悪質な投稿に対し、Facebookで誤った情報を検索するとポップアップが表示されるように、間違った知識を修正する教育機能の追加を検討しているようです。
誰しも「正しいこと」よりも「信じたいこと」の情報を求めてSNSを検索し自分に都合よくデマや同志を探し出し思い込んでしまいがちです。SNSでのフェイクニュースを検索しにくくして正しい知識を得る取組みは、悪循環を断ち切る大きな試みとなるでしょう。