2019年08月22日更新
【macOS 10.14 】Mojaveへアップグレードの注意点まとめ!
2018年9月25日に、15番目の「macOS10.14 Mojave」がリリースされました。今回は、macOS 10.14 Mojaveのシステム要件からインストール方法やセキュリティ、初期設定、新機能、バックアップや注意点について解説します。
目次
- 1【macOS 10.14 】Mojaveとは?
- ・2018年リリースのmacOS
- 2【macOS 10.14 】Mojaveの要件
- ・互換性のある機種
- 3【macOS 10.14 】Mojaveの新機能
- ・主な新機能
- 4【macOS 10.14 】Mojaveの注意点
- ・システム要件
- ・新しいセキュリティ機能
- ・APFS
- ・ファームウェアアップデート
- ・サードパーティ製アプリ
- 5【macOS 10.14 】Mojaveにアップグレードするときの事前準備
- ・バックアップを取る手順
- 6【macOS 10.14 】Mojaveにアップグレードする方法
- ・macOS Mojaveをダウンロードする手順
- ・macOS Mojaveをインストールする手順
- ・macOS Mojaveスペックが足りない場合
- 7【macOS 10.14 】Mojaveの初期設定方法
- ・初期設定の手順
- ・主な不具合
- ・パフォーマンスへの影響は?
- ・合わせて読みたい!Macに関する記事一覧
【macOS 10.14 】Mojaveとは?
2018年10月に公開したmacOS15番目である「macOS Mojave(モハベ)」の名前の由来は、モハベ砂漠(Mojave Desert)かモハベ国立保護区(Mojave National Preserve)を指していると考えられます。
macOSは、最初のバージョン10.0「Cheetah」から9番目の10.8「Mountain Lion」まではネコ科の大型動物、10番目の10.9「Mavericks」から現在の10.14「Mojave」までは米国カリフォルニア州の地名やコードネームが名称として使われています。
2018年リリースのmacOS
2018年9月25日に、15番目の「macOS10.14 Mojave」がリリースされました。
macOS High Sierrraの後継であるこのOSは、2018年6月4日のWWDC2018(Worldwide Developers Conference:世界開発者会議)で発表されました。
Apple News、Voice memos、Home、新しい機能であるダークモードを搭載したmacOS最初のバージョンで、iOSとの連携も強化されたことが特徴です。
【macOS 10.14 】Mojaveの要件
AppleはmacOS 10.14 Mojaveのリリースを発表するにあたって、アップグレードできるMacのシステム要件をHigh Sierraに変更しました。
その後、MojaveへアップグレードできるMacのシステム要件は、全てAppleのグラッフィックスAPI「Metal」をサポートしていることが条件であるとしました。さらにiOS 12/Mojave以降のOpenGL/OpenCLを非推奨にすると発表しています。
注意点としてmacOS 10.14 Mojaveへアップグレード してもOpenGL/
OpenCLを利用したアプリが利用できなくなるということはないので、安心してください。
互換性のある機種
macOSのシステム要件の変更はmacOS 10.12 Sierra以来です。Mojaveへアップグレードできる互換性のある機種は以下の通りです。
注意点としては、システム要件であるmacOS10.13 High Sierraが利用できる Macでも、2010年〜2011年製の MacがMojaveへアップグレード することができないので、システム要件を確認してからアップグレードにのぞみましょう。
OS X 10.11 El Capitan | OS X 10.12 Sierra OS X 10.13 High Sierra |
OS X 10.14 Mojave |
|
MacBook | Late 2008アルミニウム製またはEarly 2009以降 | Late 2009以降 | Mid 2015以降 |
MacBook Air | Late 2008以降 | Mid 2010以降 | Mid 2012以降 |
MacBook Pro | Mid/Late 2007以降 | Late 2010以降 | |
Mac mini | Early 2009以降 | Mid 2010以降 | Late 2012 以降 |
iMac | Mid 2007以降 | Late 2009以降 | |
iMac Pro | ー | macOS10.13.2以降 | 2017以降 |
Mac Pro | Early 2008以降 | Mid 2010以降 | Metalと互換性のあるGPUを積んだMid 2010/Mid 2012 |
【macOS 10.14 】Mojaveの新機能
Mojaveで新しく追加された機能について説明します。
主な新機能
主な新しい機能として、「ダークモード」「ダイナミックデスクトップ」「スタック機能」などがあります。以下からご紹介します。
ダークモード
ダークモードは今までになかった新しい機能です。メニューや背景の配色を白を基調としたデザインから黒を基調としたデザインに変更することができます。左上のAppleマークから選択します。
「システム環境設定」をクリックします。
「一般」をクリックします。
「外観モード」を選択します。以下の外観である「ライトモード」は白基調になります。
「外観モード」を「ダークモード」に変更すると黒基調になります。
設定変更は以上になります。
ダイナミックデスクトップ
ダイナミックデスクトップは、時間でデスクトップ写真の明るさが変わる機能です。macOS Mojaveは砂漠の標準写真を使っていますが、macOS Mojaveを使っている時間によって写真も変化していきます。
例えば、朝にmacOS Mojaveを使っている場合は、太陽が出た砂漠風景になり、夜に使っている場合は、太陽が沈んで星が出ている写真に切り替わります。
左上のAppleマークから選択します。
「デスクトップとスクリーンセーバ」をクリックします。
「ダイナミックデスクトップ」の変更は2種類から選択できますので、お好みのデスクトップへ変更しましょう。
ダイナミックデスクトップの設定は以上になります。
スタック機能
macOS Mojaveは、デスクトップ上のファイルをスタック表示することが可能になりました。このスタック機能によってファイルをカテゴリ別に整頓でき、デスクトップ上もキレイに使うことができます。
メニューバーの表示をクリックします。「スタックの使用」を選択し、チェックを入れます。
デスクトップ上にあるファイルが整理されます。
Finderの新機能
macOS Mojaveでは、既存のFinderに新しい機能が追加されています。一つ目は、「ギャラリー表示」という機能です。選択したファイルを拡大し、その下にファイル一覧を表示することができます。ファイルを開く手間が省けるので効率化を目指せます。
二つ目は、macOS Mojaveの「クイックアクション」という機能です。画像の回転やPDFの作成、ビデオのトリミングがアプリケーションを開かず行うことができます。
クイックルックの機能向上
macOS Mojaveでは、ファイルをクイックルックした状態で、PDFファイルの注釈追加やオーディオ、ビデオファイルのトリミングなどを行うことができます。
ファイルの上で(ファイルを開かずに)spaceキーを押すことで、使うことができます。
Mojaveではこのクイックルックの機能が向上していますので、使いこなせると作業効率がアップします。
新しいアプリケーション
macOS Mojaveに株価やボイスメモなどのアプリケーションが使えるようになりました。サードパーティ製アプリも同様です。iOSでしか使えなかったサードパーティ製アプリがmacOSでも機能すると連携が取りやすくなります。
「株価」をチェックするには、デスクトップ上の「Launchpad」をクリックし、「株価」を選択します。
下記の画面から株価をチェックすることができます。「株価」アプリケーションは、カスタマイズできるウォッチリストで素早く確認することができます。
株の取引を頻繁にされている方はとても重宝するアプリケーションだと言えます。他にもサードパーティ製アプリも利用して自分好みのカスタマイズを楽しんでださい。
【macOS 10.14 】Mojaveの注意点
macOS Mojaveの利用する上で注意点でもある、システム要件、新しいセキュリティ機能、APFS
、ファームウェアアップデートについて説明します。特に、APFS
とファームウェアアップデートに関しては詳しく解説していますので、ご確認ください。
システム要件
AppleはmacOS Mojaveのアップグレードできるシステム要件を「High Sierra」からに変更しました。そしてその他のシステム要件としてAppleのグラフィックスAPI「Metal」をサポートしていることが条件であるとしています。
アップグレードをする際は、必ずファームウェアアップデートが最新であることと、バックアップを取ることを忘れずに行いましょう。
新しいセキュリティ機能
macOS Mojaveではセキュリティの新しい機能として、「User Consent」を導入しています。
注意点としてセキュリティ機能はサードパーティ製アプリ含め、全てのアプリが「ユーザーの同意なしにカメラやマイク、メールやSafariなどへのアクセスを禁じる」機能です。
macOS Mojaveのセキュリティ機能である「User Consent」でデータのアクセスにはユーザーの同意を求める設定になります。
APFS
Appleは2017年9月にリリースしたHigh Sierraで新しいファイルシステム「APFS」を導入しました。
注意点として、macOS Mojaveでは「APFS」のサポートが見送られていたHDDとFusion DriveもHFS+からAPFSへ自動的にファームウェアアップデートされる仕組みになっています。
ですが、APFSはHigh Sierraで不具合が出ていましたので、HDDとFusion Driveを搭載した Macをお使いの方は、APFSの不具合が発生しないか、APFSの互換性に問題ないか確認してからのアップグレードをお勧めします。
APFSとは
「APF(アップルファイルシステム)」とは、Appleに対応しているハードドライブ、フラッシュドライブやその他取り外し可能なストレージ用の新しいファイルシステムです。
APFS(別名APFS macOS)は、ほどんどのmacOS、iOSに対して、現在の技術であるHFSやHFS+より優れたパフォーマンスの提供が可能となっています。
ファームウェアアップデート
macOS Mojaveのアップグレードでは、一部のmacOSにファームウェアアップデート、Apple T1/2のBridgeOSアップグレードが適用されます。
注意点としては、Apple T2を踏査したiMac ProやMacBook Pro(2018)はファームウェアアップデートに失敗すると、DFUモードからの復帰が必要になります。
ファームウェアアップデートをする時は、電源供給が取れるところで行うようにしましょう。念のためにバックアップしておくことも重要です。
サードパーティ製アプリ
macOS Mojaveで使用するサードパーティ製アプリであるAdobeやセキュリティ、Wacom、その他サードパーティ製アプリについて注意点も含めて説明します。
Adobe
Adobe系のサードパーティ製アプリは、β版の段階からInDesignやInCopyが起動時にクラッシュするという不具合が報告されています。
これに対してAdobeがバッチを公開しているほか、「OS X 10.11 El Capitan」でAdobeのCS6製品を使用している方は以下の注意点を確認してください。
- macOS10.12Sierra以降でCS6でサポートしていない
- 次期メジャーファームウェアアップデートでシステム要件を変更する
セキュリティ
セキュリティのサードパーティ製アプリも、セキュリティーメーカーがリリース後の最終確認ができるまでファームウェアアップデートを待つようにコメントしています。
Wacom
Wacomのサードパーティ製アプリは、日本時間2018年9月21日にサポートドキュメントを公開しました。macOS Mojaveには対応するが、「User Consent」の制限で二つのセキュリティの設定許可が必要になるとしています。
その他サードパーティ製アプリ
その他サードパーティ製アプリやプリンター、スキャナのドライバーもmacOSリリース後に各メーカーが検証をしているので、ファームウェアアップデートを行う際も、macOS Mojaveの対応を待ってからの方がオススメです。
【macOS 10.14 】Mojaveにアップグレードするときの事前準備
macOS Mojaveには、ダークモードらスタックなどの新しい機能が追加されました。macOS Mojaveにアップグレードするときの事前準備について説明します。
バックアップを取る手順
アップグレードをインストールする前にしておきたい事は、バックアップを作成する事です。Apple製品のTime Machineであれば簡単にバックアップを取ることができますが、他にもバックアップする方法はあります。
バックアップの方法
大切な写真や書類、音楽などのファイルをiCloudやiCloud Driveにバックアップすることができます。その他の方法としてはハードディスクにバックアップすることもできますので、ご自身にあったバックアップ方法をご検討ください。
【macOS 10.14 】Mojaveにアップグレードする方法
macOS Mojaveにアップグレードする方法や注意点について説明します。
App StoreのWeb版が開き、「App Storeアプリで開きますか」と質問してきますので、App Storeアプリでダウンロードしましょう。
macOS Mojaveをダウンロードする手順
App StoreのmacOS Mojaveのページを開いて「入手」ボタンをクリックします。ダウンロードが終わると自動的にインストーラが開きます。
画面が変わりましたら、枠内の「こちらで表示 Mac App Store」をクリックします。
macOS Mojaveのページから「ダウンロード」をクリックします。
お使いのMacのネットワーク環境にもよりますが、15分から20分くらいかかります。
macOS Mojaveをインストールする手順
macOS Mojaveのインストール手順は下記の通りです。ダウンロードが完了すると、インストーラの画面が出てきます。
macOS Mojaveの利用規約を確認後、「同意する」を選択します。
「ソフトウエア使用許諾契約の条件を読んだ上で同意します」と画面が表示されますので、確認の上で「同意する」を選択します。
「macOS Mojaveは、ディスク”Macintosh HD”にインストールされます」と表示されるので、「インストール」ボタンをクリックします。
インストールし始めると、残り時間が表示されますので、このまま待ちます。実際は表示されている時間よりも早くインストーラが完了する場合もあるようです。
「インストールする準備ができました」と表示されたら、「再起動」ボタンで再起動を島しよう。「コンピュータがインストール中に何回か再起動することがあります。」とありますので、操作せずにこのまま待ちます。
再起動中に下記の画面が表示されます。時間がかかりますので、気長に待ちます。
しばらくすると画面がログイン表示に変わりますので、パスワードを入力します。
以上でmacOS Mojaveのインストール完了です。
macOS Mojaveスペックが足りない場合
macOS Mojaveのスペックが足りない場合は、下記の表示が出ます。セーフモードで再起動すると容量が確保できる場合が多いですが、あらかじめ空き容量を確認しておいた方がスムーズです。
キャッシュで容量を使っている場合が多いので、キャッシュクリアで容量を減らしましょう。セーフモードの方法は、再起動してShiftを押し続け起動することで「セーフモード」の起動になります。
この作業で容量を減らすことができますので、アップグレードするのに空き容量が足りない場合は試して見ましょう。
【macOS 10.14 】Mojaveの初期設定方法
macOS Mojaveの初期設定方法について説明します。
初期設定の手順
macOS Mojaveの初期設定では、まずはじめにAppleIDでサインインします。
次にiCloudキーチェーンの設定です。設定をすることで承認するデバイス上でパスワードとクレジットカード情報が最新の状態に同期されます。この設定は後から行っても構いません。
「解析」ログの提供チェックです。チェックを入れると、Appleとアプリケーションデベロッパの製品やサービスの品質向上に自動的に参加する仕組みになっています。チェックは任意ですので、しなくても問題はありません。
ここからmacOS Mojaveの新しい機能である「外観モード」の選択画面です。下記の「ライト」画面を選択すると、白基調のウインドウになります。
「ダーク」を選択すると、黒基調のウインドウに変わります。このほか、dock、メニュー、ボタンも変更されます。外観モードの選択は「システム環境設定」から変更できます。
「続ける」をクリックすると、「Macを設定中」の画面に変わります。
起動すると、バージョンが「macOS Mojave」にアップグレードしていることが確認できます。
外観モードで「ダーク」を選択したので、アプリケーションの画面も変わりました。
以上で初期設定完了です。
主な不具合
主な不具合をまとめていきます。
- スリープからの復帰後にパスワードを入力すると固まるのはMacBook Pro 2017で 発生している事象です。
- カスペルスキーインターネットセキュリティが勝手に再起動を繰り返す事象が報告されています。「ネット保護決済、Webトラッキング防止」という項目のチェックを外すことによって解消するようです。セキュリティが弱まる可能性がありますので、自己責任でお願いします。
Git問題
macOS Mojaveにアップグレード後、Gitコマンドが動かなくなった場合は「xcode-select--install」で入れ直すと改善します。
パフォーマンスへの影響は?
macOS Mojaveにアップグレード後は、快適になったとの声がありますが、アップグレードをする際はシステム要件をチェックし、バックアップを取ることや注意点(ファームウェアアップデートなど)を確認することをオススメします。