2022年10月29日更新
【Windows10】Windows7からアップグレードできない/インストールが失敗する時の対処法
Windows7は人気が高いOSでしたが、現在Microsoftがサービスを終了したため、Windows10にアップグレードする必要がありますができない場合があります。Windows7からWindows10にアップグレードできないときの対処法を紹介します。
目次
【Windows10】Windows7からアップグレードできない/インストールが失敗する時の対処法
2009年にリリースされて以来、Windows7はエラーが少なく安定したWindows OSとして評判が高く、多くの個人ユーザーや企業によって利用されていました。そのため2015年にWindows10がリリースされた後も、多くの人がWindows7を使い続けました。
しかしMicrosoft社が2020年にWindows7のサービスを終了することを発表したため、Windows7をWindows10にアップグレードする必要が生じました。
現在もWindows7を使い続けているユーザーはいます。しかしWindows10にアップグレードしないと、2つの重大なリスクを回避できなくなります。1つは故障してもサポートを終了しているため修理ができないことです。
もう1つのリスクはセキュリティ問題です。Microsoftがサポートを終了したOSはセキュリティ更新プログラム受けられなくなるため、情報漏えいといったOSの脆弱性に起因したセキュリティ事故を回避できなくなります。
今後もMicrosoftからのサポートを受け続けるには、Windows7をWindows10にアップグレードしなければなりませんが、OSのアップグレードがうまくできない場合があります。
Windows7からWindows10にアップグレードできる条件
Windows7を搭載しているパソコンの中には、Windows10にアップグレードできないものがあります。
それでWindows7からWindows10へのアップグレードを行う前に、Windows10へのアップグレードが可能なパソコンかどうかをまず確認する必要があります。Windows10へのアップグレードをするためには、2つの条件を満たしていなければなりません。
Windows10(64bit)インストールのシステム要件と必要な容量
Windows7からWindows10へのアップグレードをするには、Windows7搭載のパソコンをチェックし、システム条件を満たすデバイスかどうかを確認する必要があります。
Windows10へのアップグレードを行うために必要なシステム条件を以下にまとめるので参考にしてください。
システム | 要件 |
OS | Windows 7 SP1、またはWindows 8.1にアップデート |
CPU | 1GHz 以上のプロセッサ、あるいはSoC |
メモリ | 1GB (32 ビット)または2 GB (64 ビット) |
ハードディスクの空き容量 | 16GB (32ビット)、20GB (64ビット) |
グラフィックカード | DirectX 9 以上および WDDM 1.0 ドライバー |
ディスプレイ解像度 | 800 x 600 |
システム条件を満たしているかどうかを確認する最適な方法は、「DirectX診断ツール」を活用することです。「DirectX診断ツール」の起動方法をWindows10搭載のパソコンを使って説明します。操作方法はWindows7も同じです。
「スタート」キーと「R」キーを同時に押すと、「ファイル名を指定して実行」が画面左下に表示されるので、「dxdiag」と入力し「OK」をクリックしましょう。
「DirectX診断ツール」が立ち上がります。「システム」でOS、CPU、メモリ、グラフィックカードの4つが確認できます。
「次のページ」をクリックすると、「ディスプレイ」画面が表示されます。この画面でディスプレイ解像度を確認できます。
次にハードディスクの空き容量をチェックする方法を紹介します。デスクトップ画面にある「エクスプローラ」アイコンをクリックしましょう。
画面の左側に「PC」があるのでクリックすると、「ローカルディスク(C:)」が画面の右側に表示され、ハードディスクの空き容量も表示されます。
Windows10との互換性があるかサポートの対象か確認
Windows10へのアップグレードを行う前に確認して欲しいことがもう1つあります。使用しているパソコンがWindows10との互換性があるサポート対象製品かどうかです。
サポートの対象になっているかどうかは、パソコンのメーカーの公式サイトで確認できます。
例えば東芝のdynabookの場合は、「https://dynabook.com/assistpc/osup/win10v21h1/target/index_j.htm」にアクセスし、必要事項を入力すれば確認できます。
Windows7からWindows10にアップグレードできない/インストールが失敗する時の対処法
Windows10のインストールとアップグレードに必要なすべての条件を満たしているにもかかわらず、アップデートに失敗しエラーが出る場合の対処法を、これから10個紹介します。
Windowsを最新版に更新/アップデートしてから再度行う
Windows10へのアップグレードが失敗した原因は、Windows7のアップデート(更新)が行われていないからかもしれません。アップデート(更新)はアップグレードには不可欠な作業です。
この記事で紹介したように、Windows10にアップグレードするには、Windows 7 SP1、またはWindows 8.1にアップデート(更新)されていなければなりません。
使っているパソコンのWindows7がWindows7 SP1にアップデート(更新)されているかどうかをまず確認しましょう。もしアップデート(更新)されていないようなら、下記の手順でアップデート(更新)を行ってください。
ステップ | 操作 |
1 | 「スタート」ボタンをクリックし、「コントロールパネル」を選択。 |
2 | 「システムとセキュリティ」を選択。 |
3 | Windows Updateの「更新プログラムの確認」を選択。 |
4 | アップデートがあれば「更新プログラムのインストール」をクリック。 |
周辺機器を全て外す
パソコンにプリンター、USBスピーカー、CD/DVDプレーヤー、外付けハードディスクなどが接続された状態でWindows10へのアップグレードを行うと失敗しエラーになる場合があります。
アップグレードの妨げとなるすべての周辺機器を取り外し、その後もう一度Windows10へのアップグレードを行ってください。
アップグレード時に引き継ぐ設定を変更
Windows10へのアップグレードが失敗しエラーになる別の原因は、Windows7からWindows10へ引き継がせるデータにエラーがあることです。アップグレードするとデフォルトで「個人用ファイルとアプリを引き継ぐ」が設定され、データの引継ぎが行われます。
この設定は変更可能です。「インストールする準備ができました」と表示されたらそのまま作業を進めるのではなく、「引き継ぐものを変更」をクリックします。Windows10に引き継がせるデータの選択オプションが表示されるので、以下のどちらかを選択してください。
- 個人ファイルのみ引き継ぐ
- 何もしない
セキュリティソフトをアンインストール
Windows10へのアップグレードが失敗しエラーになる原因は、パソコンにインストールしているウイルス対策ソフトがアップグレードを妨害し、エラーを引き起こしているからかもしれません。
一度ウイルス対策ソフトをアンインストールしてパソコンを再起動し、その後もう一度Windows10へのアップグレードを行い、エラーが出ないか確認しましょう。ウイルス対策ソフトをアンインストールする方法は以下の通りです。
ステップ | 操作 |
1 | 「スタート」ボタンをクリックし、「コントロールパネル」を選択。 |
2 | 「プログラムのアンインストール」を選択。 |
3 | 「ウイルス対策ソフト」を選択し右クリック。 |
4 | 「アンインストールと変更」をクリック。 |
スタートアッププログラムを停止
Windowsには「スタートアップ」プログラムと呼ばれるものがあります。「スタートアップ」とは、Windowsを立ち上げたときに、自動的にアプリケーションソフトを起動させる機能のことです。
「スタートアップ」プログラムが干渉するためにアップグレードに失敗し、エラーになるケースもあるので、すべての「スタートアップ」プログラムを無効化しましょう。無効化の方法は以下の通りです。
ステップ | 操作 |
1 | 「スタート」キーと「R」キーを同時に押す。 |
2 | 「ファイル名を指定して実行」が立ち上がったら「misconfig」と入力し「OK」をクリック。 |
3 | 「スタートアップ」タブをクリック。 |
4 | 「すべて無効にする」をクリックし、「OK」をクリック。 |
USBやDVDのインストールメディア/ISOファイルを作成してアップグレード
Windows10へのアップグレードが失敗する原因は、通信環境が悪いからかもしれません。通信環境が問題なら、USBフラッシュメモリーや外付けハードディスクなどのインストールメディアに、ISOファイルを作成してアップグレードする方法を試せます。
ISOファイルは仮想イメージファイルとも呼ばれ、CDやDVDなどの記憶装置に記録されているデータをコピーしたファイルのことをいいます。
通信環境が悪くても、アップグレードのISOファイルをUSBなどに作成すれば、エラーが出ることなくWindows10へのアップグレードが行えます。ISOファイルを作成するには、下記リンクにアクセスする必要があります。
ISOファイルをイメージメディアにダウンロードし、Windows10にアップグレードする操作方法を以下にまとめるので参考にしてください。
ステップ | 操作 |
1 | 8GB以上のUSBメモリ、または外付けハードディスクをパソコンに接続。 |
2 | 「ツールを今すぐダウンロード」をクリック(下記のリンクにアクセスします)。
|
3 | ダウンロードされたISOファイルを起動。 |
4 | ライセンス条項が表示されるので「同意する」をクリック。 |
5 | 「別のPCのインストールメディアを作成する」を選択。 |
6 | 言語とアーキテクチャを選択。 |
7 | 接続している記録メディアを選択。 |
8 | インストールメディアへのISOファイルの作成が開始される。 |
9 | 「(インストールメディア)の準備ができました」と表示されたら「完了」をクリック。 |
10 | 「エクスプローラ」を開き、インストールメディアの中にあるISOファイルをクリック。 |
11 | ISOファイル「setup.exe」をクリックしてアップグレードを行う。 |
クリーンブートを実行
Windows10にアップグレードできない原因は、インストールされているソフトが干渉しているからかもしれません。クリーンブートを実行してアップグレードを行えば、エラーになることはないかもしれません。
クリーンブートとは、スタートアップとサービスを無効にした状態で、Windowsを起動することをいいます。クリーンブートでWindowsを起動すれば、インストールされているソフトやファイルの影響を受けずにパソコンの動作チェックを行えます。
クリーンブートはセーフモードに似ていますが、クリーンブートとセーフモードには違いがあります。セーフモードとクリーンブートの決定的な違いは、セーフモードでは問題の特定はできませんが、クリーンブートであればそれが可能なことです。
クリーンブートを使えば、Windowsに問題があるのか、それともそれ以外に問題があるのかを判断できます。
クリーンブートを無効にする前と後で動作や現象が変わったなら、クリーンブートで無効にした項目がWindows10へのアップグレードができない原因だと分かります。クリーンボートを起動させる方法は以下の通りです。
ステップ | 操作 |
1 | 「スタート」キーと「R」キーを同時に押す。 |
2 | 「ファイル名を指定して実行」が立ち上がったら「misconfig」と入力し「OK」をクリック。 |
3 | 「全般」タブをクリックし、「スタートアップの選択」に「✓」を入れ、「スタートアップの項目を読み込む」の「✓」を外す。 |
4 | 「サービス」タブをクリックし、「Microsoftのサービスを全て隠す」に「✓」を入れ、「すべて無効」をクリック。 |
5 | 再起動をすればクリーンブーストが起動する。 |
RAMが正常かチェックしてから再度アップグレード
Windows10へのアップグレードに失敗するのは、物理メモリであるRAMに問題があるためかもしれません。RAMにエラーがないかをチェックし、エラーが起きていないようならその後もう一度Windows10へのアップグレードを行ってください。
RAMのエラーをチェックする方法は以下の通りです。
ステップ | 操作 |
1 | 「スタート」キーと「R」キーを同時に押す。 |
2 | 「ファイル名を指定して実行」が立ち上がったら「mdsched.exe」と入力し「OK」をクリック。 |
3 | 「今すぐ再起動して問題の有無を確認する」をクリック。 |
4 | メモリ診断が開始されるので、終わると自動的に再起動される。 |
5 | Windowsメモリ診断の結果が表示。 |
それでもだめならMicrosoftに連絡
Windowsのアップデート(更新)、引継ぎ設定の変更、ウイルス対策ソフトの停止、「スタートアップ」の停止、ISOファイルの作成とアップグレード、クリーンブートでのアップグレードのすべてを試しても問題が改善されないようなら、Microsoftに連絡しましょう。
Windows10へのアップグレードに失敗する問題はよりテクニカルなものかもしれないので、Microsoft社に相談し、Windows10にアップグレードするための解決法を聞くのが最善です。
条件や互換性を確認してWindows7からWindows10にアップグレードしよう!
Windows7からWindows10にアップグレードできない場合は、システム要件とストレージの空き容量、またサポート対象機種かどうかを確認しましょう。
インストールが失敗するなら、Windowsのアップデート(更新)、ISOファイルの作成、クリーンブートの起動などを行ってください。Windows7からWindows10へのアップグレードがそれでもできないなら、Microsoftに連絡してみましょう。