iPhoneにiPod classicのUIを再現するアプリを、アメリカの大学生エルビン・フー氏が開発していることが明らかになりました。販売終了のiPod classicがiPhoneで再現できるアプリを「iPodの父」トニー・ファデル氏も称賛しています。
iPhoneのタッチスクリーンに、iPod ClassicのUI(ユーザーインターフェイス)を再現するアプリを、アメリカの大学生エルビン・フー氏が開発していることが明らかになりました。懐かしいクリックホールも再現しています。
Appleは2014年にiPod Classicの販売を終了していますが、「iPodの父」として知られるトニー・ファデル氏もこれに対して称賛の声を送っています。
基本的にはiPhoneをオリジナルのiPod classicと同じように全画面にクリックホイールが表示されていて、触覚フィードバックやクリックを音込みでオリジナルのように再現しています。
機能面ではiPhoneスクリーンに表示されたクリックホイールをなぞると、アルバムのアートワークがスクロールできたりアートワークをタッチ操作で選択したりすることもできます。
またこのアプリには、多くのApple製品に組み込まれていた「Cover Flow機能」も再現されていて、iPhoneを横向きにしてCover Flow表示でアートワークをスクロールする操作を行うことも可能です。
エルビン・フー氏のTwitter投稿画像では、アルバムジャケットなどの写真を視覚的にスクロールしていくUIがとてもスムーズに機能している様子を確認することができます。
デザイナー志望のエルビン・フー氏は今回のiPhoneにiPod ClassicのUIを再現するアプリの開発を自主的に行っていますが、彼は大学でもiPodの開発に関する論文を書いていて、それがアプリ作成の動機にもなったと言います。
海外テックメディア「The Verge」の取材で、今回のアプリの開発について次のように語っています。
「私は子供の頃からずっとApple製品のファンでした。家族が買えるようになる前は、私はフェレロ ロシェ(チョコレート)の箱のフタにiPhoneのUIレイアウトを描いていました。」
「Appleの製品のデザインは当時のWindows VistaやZune HDなど他社の製品の中でも、デザインを志望する私の決定に大きな影響を与えました」と語っています。
このアプリは、iPodの開発で中心的役割を担いクリックホイールデザインを取り入れた「iPodの父」とも呼ばれるトニー・ファデル氏の目にも留まっているようです。
トニー・ファデル氏はこのアプリが動作する様子に「いい感じの復活だ」とTwitterでコメントしています。
2014年にiPod Classicの販売を終了し、iPodは最近ではiPhoneの影に隠れてその影響力も小さくなってしまいましたが、いまだに多くのファンがいるのも事実でこのアプリを望む声もあります。
エルビン・フー氏は年内にこのアプリ機能の開発を完成させたいと考えているようですが、これをAppleが承認するかどうかは現時点では不明となっています。
エルビン・フー氏も特許などの理由で公開されない恐れがあると見ていて、もしAppleがApp Storeでの公開を拒否した場合は「コミュニティからの反応を見てオープンソースプロジェクトとしてリリースする可能性もある」と語っています。
トニー・ファデル氏も称賛しているこのアプリ開発が良い方向にいくことが望まれています。