クアルコムとNianticが、ARソフトウェアおよびハードウェアの開発を目的として協力体制をとることを明らかにしました。クアルコムとNianticはクアルコムの新しいチップセット「Snapdragon XR2」を利用したARメガネの開発に取り組みます。
米現地時間12月5日、クアルコムは5G対応の新しいチップセット「Snapdragon XR2」を発表しました。
「Snapdragon XR2」は、拡張現実と仮想現実のデバイス専用のプラットホームで、8K解像度や360度動画再生、7基のカメラを同時にサポート対応し、これを搭載するARメガネを構築できるシステムとされています。
さらにその発表の後、クアルコムとスマートフォンゲームの「ポケモンGO」や「ハリー・ポッター:魔法同盟」の開発元であるNianticが、ARソフトウェアおよびハードウェアの開発を目的として協力体制をとって取り組むことを発表しました。
クアルコムとNianticは、将来的にARメガネのリファレンスハードウェア、それに付随するソフトおよびハード、クラウドコンポーネントの開発を共同で行うとしています。
この共同開発において、「Snapdragon XR2」を利用するARメガネのリファレンスデザインを開発し、「ポケモンGO」や「ハリー・ポッター:魔法同盟」で使用されるAR技術「リアルワールド・プラットフォーム」を実行可能にするとしています。
つまりいずれはこれらのアプリにおけるAR機能を、簡単に「Snapdragon XR2」搭載のARメガネに対応させられるようになるでしょう。
これまでに発売された「Hololens」や「Magic Leap」などは、企業や裕福な起業家をターゲットとした高額なARヘッドセットでした。
クアルコムとNianticが協力して開発するARメガネは、これらとは異なり、誰でも購入できる手頃な価格帯での製品化を目指すためのものになるとしています。
このクアルコムとNianticの協力体制は発表されたばかりなので、いつまでに完成するかという具体的な期限は設けられていませんが、今後Appleなどの他の企業が既に進めている取り組みと並行して進行することになりそうです。
いつか「ポケモン GO」や「ハリー・ポッター:魔法同盟」対応のARメガネが発売が発表されると、公園や道端でピカチュウやイーブイを捕まえたり、トレーナー同士で対戦をしたりできるようになるかもしれません。
Nianticは既に「Nianticリアルワールドプラットフォーム」という現実世界に融合されたARシステムを構築済みで「ポケモン Go」「ハリー・ポッター:魔法同盟」などはその上で動作しています。
Nianticの共同創設者で最高技術責任者のPhil Kreslin氏は、今回の協力体制について「クアルコムのSnapdragon XR2が使えるようになれば2020年開始予定のNiantic Creator Programの開発者が誰でも利用可能になるだろう」と述べています。
つまり一般の開発者もNianticのARプラットフォームを利用して、自分で位置情報/AR対応アプリを開発できるようになるということです。