Appleは2020年2月3日以降、macOS野良アプリの公証を厳格化することを発表しました。これまで公証のないmacOS野良アプリは、MacのGatekeeperによって警告が生じる状態でしたが、2020年2月3日以降は起動できない状態になります。
Appleは米現地時間2020年2月3日以降、MacのApp Store以外で配布される全てのアプリケーションを「macOS Catalina」で実行する際には、公証(Notarization)を得ていないとエラーになることを発表しました。
これまでは公証のない野良アプリは、MacのGatekeeperによって警告が生じる状態でしたが、2020年2月3日以降はエラーが生じ起動できない状態になります。
Appleは米現地時間12月23日、開発者サイト「Apple Developer」において発表し、これは公証を得ていない古いアプリが使えなくなる可能性を意味しています。
Appleはセキュリティポリシーの厳格化の一環として、App Store外のアプリ、いわゆる「野良アプリ」の起動を制限する方針を示しています。公証はそのための制度です。
公証とはAppleに申請して得る認証チケットのことを指し、このアプリは有害ではないと証明する証になります。今回の発表は迷惑な仕様変更のように見えますが、Macのセキュリティの施策の一つです。
今回の発表は、元々予定されていた公証要件を期限通りに実施するという内容であって、特別に要件が厳格化するというわけではありません。
ただ、例えば古いソフトウェア開発キットで開発したアプリを配布していた開発者にとって、期限内に新しい開発キットでアプリを作り直さないと更新版が配布できなくなるため、対応に追われることになるでしょう。
なお2020年2月3日以前に公証を受けたアプリは、「macOS Catalina」で引き続き起動できます。
Appleの公証制度とは、AppleがApp Store外でアプリを配信する開発者に対してセキュリティチェックを行い、この公証を通過したアプリはmacOSが備えるセキュリティ機構「Gatekeeper」にブロックされずに起動できるという仕組みです。
Appleの公証制度は2019年5月の「macOS Mojave 10.14.5」からスタートし、2019年9月に配信された「macOS Catalina」では、公証要件を満たしたアプリのみが起動できるシステムに移行する予定となっていました。
ただ、公証制度では開発者がアプリを提出してAppleによる審査を受けるまでに時間がかかるため、2020年1月までは移行期間として、本来の公証要件を満たしていないアプリでも公証が受けられるような措置が取られています。
スムーズな移行のために2020年1月まで緩和されていますが、2020年2月3日以降から厳格化されるようになります。
また「公証」を受けていないアプリでも「Gatekeeper」の例外として登録すれば、起動することは可能となります。
ただこれはAppleの保護手段を一時的に無効にすることで実行できる状態となりますので、ユーザー側にとってはそれ相応のリスクを負う可能性があることを理解した上で実行することになり注意が必要です。