YouTubeが中国共産党に対する批判的なコメントについて自動削除を行っているのではとの報道がされています。中国共産党に対する批判の「コメント」をYouTubeが自動的に削除しているとの報道について報道内容やYouTubeの対応についてご紹介します。
YouTubeが、中国共産党に対する批判的な「コメント」について自動削除を行っているのではとの報道がされています。
中国共産党に対する批判的な「コメント」について自動削除を行っているとの報道に関し、YouTubeでは広報担当者が質問に答える形で回答を出しており、自動削除はソフトの不具合であり現在調査中であると説明しています。
中国共産党批判の「コメント」をYouTubeが自動削除していると報道した「The Verge」では、ユーザーの投稿内容に「共匪」もしくは「五毛」という単語を含んでいる動画が自動削除の対象となっていると指摘しています。
自動削除の対象とされている「共匪」の単語の意味としては、共産主義の匪賊(野盗、ゲリラ)のことを指しており、中国共産党軍の蔑称として利用される機会も多くあります。
また、「五毛」は、共産党配下にて世論誘導などを目的とした宣伝工作や、やらせレビューなどを書き込むユーザーを指しているとみられており、書き込み1つあたり「5毛」が支払われていたことが名前の由来となったとも言われています。
YouTubeでは、「共匪」もしくは「五毛」がコメントの中で肯定的な意味で利用されている場合でも、自動的に削除されていると指摘を受けています。
YouTubeにて中国共産党を批判するコメントが自動削除されていることを最初に指摘を行ったとされているのは、中国出身の人権活動家ジェニファー・ゼン氏とみられています。
ジェニファー・ゼン氏は、今年5月13日のツイートにて「YouTubeで、中国共産党の指示で活動するゲリラを意味する【共匪(Gongfei)】とコメントすると、15秒で自動的に削除されてしまいます」との投稿を行っています。
また、ジェニファー・ゼン氏は、同様の投稿を3回試してみたものの、いづれも同様に自動削除となった旨を指摘しています。
「YouTube」の広報担当者は、中国共産党批判の「コメント」をYouTubeが自動削除している問題について、投稿される動画の検閲によるものではなく、自動化モデレーションシステムに利用されているソフトの不具合が原因だと説明しています。
「YouTube」では自動削除の対応については、ソフトの不具合であり意図した結果ではないと説明を行っていますが、通常のスパムや攻撃的な内容を含むコメントを削除するためのコンテンツフィルタに、2つの単語が追加されているとの見方もあります。
「YouTube」のコンテンツ管理については、これまでもAIを活用したコンテンツの管理運営を実行しています。
AIによるコンテンツの管理の結果、中には、「YouTube」に投稿された「資料価値のある戦争犯罪ムービーが暴力的なムービーとして削除された」という指摘や「教育目的のムービーまで削除規制されている」といった問題も報告されています。
さらに、2020年3月以降「新型コロナウイルス」感染症の感染拡大の影響を受け一部を除く北米の全従業員の勤務態勢がリモートワークでの勤務となっており、AIを主軸「YouTube」のコンテンツ監視にて誤った削除が行われているとの報告もあります。