Twitterはドナルド・トランプ大統領のあるツイートを「暴力の賛美」に当たるとし非表示にしました。このトランプ大統領のツイートはミネアポリスでの暴動に関する投稿で、削除ではなく「暴力の賛美」についてのTwitterルール違反として、非表示にしました。
米現地時間5月29日、Twitterはドナルド・トランプ米大統領のミネアポリスでの暴動に関するツイートをTwitter上の「暴力の賛美」に当たりルール違反として非表示にしました。
ただこのツイートは削除されたのではなく、「このツイートは、暴力の賛美についてのTwitterルールに違反しています。ただし、Twitterではこのツイートに公共性があると判断したため、引き続き表示できます」と表示されています。
そして右側にある「表示」をクリックすると表示される仕組みとなっています。
Twitterによって非表示となったツイートは、ミネソタ州ミネアポリスで発生した白人警官に武器を所持していなかった黒人男性が身柄を拘束された際に死亡した事件に対する暴動に関するものです。
ミネアポリスで抗議するデモが過激化し暴動となっていることに対し、ミネソタ州知事に対し州兵を派遣して事態の収拾を図るように知らせたとし「略奪が始まるなら軍による銃撃を開始する」と投稿している部分が問題となっています。
この部分が個人や集団に向けた暴力を与えることをほのめかしていて、Twitter上でのルール違反になるとして表示となったようです。
Twitterのコミュニケーションチームは、トランプ大統領ツイートによって他のユーザーが暴力的行動を取るように促されないように対応したとし、非表示設定によって「いいね!」や「返信」「リツイート」はできないようになっています。
このような内容のツイートは一般人によるツイートであればルール違反で削除されるところです。
しかし「Twitterを使う世界的リーダー」の場合、投稿されたツイートを人々が読んで討論する権利を重視するため削除せずラベル付きで残すとしています。
米現地時間5月26日には、Twitterはトランプ大統領のツイート対して初めてラベルを追加しています。
このツイート内容は、「カリフォルニア州知事は同州に住んでいる何百万人もの人々に投票用紙を送っている」ことで、選挙において郵送での投票は不正を防げないと主張する内容です。
これに対してTwitterは「Get the facts about mail-in ballots(郵便投票についての事実を知ろう)」という青いラベルを追加しています。
このラベルをクリックすると「トランプ大統領は郵送投票が有権者詐欺につながるという根拠のない主張をしている」という米CNNの解説が表示される仕組みです。
Twitterの措置に対して不満を持ったトランプ大統領は「Twitterは無料で行う主張を阻害している」とし「SNSを強く規制するか閉鎖する」とツイートしました。
そして5月28日、Twitterなどのソーシャルメディアプラットフォームに対して、法的保護を制限することをを目的とした大統領令に署名しています。