スマホで「身分証明」が？国際規格案の審議が始まる！

2020年6月22日、経済産業省は、スマホに身分証明機能搭載するという規格案に関して、日本から提案した規格案の国際審議が始まったことを発表しました。

日本の経済産業省が提案した規格案を国際機関が審議し成立すると、スマホへのデジタル運転免許証やデジタルパスポートなどの搭載が現実になるかもしれません。

国際的に、スマホに身分証明機能を搭載する取り組みが始まる中、現実的にはスマホなどのモバイル機器にパスポートや運転免許証等の身分証明機能を搭載する上で、複製や偽造、改ざん等を防ぐための仕組みを整備しなければなりません。

ISO（国際標準化機構）とIEC（国際電気標準会議）の合同専門委員会が設立した専門委員会では、この取り組みを現実化させるために審議されています。

これまでISO/IEC専門委員会の審議では、「システム全体設計」を元に「データ要素と符号化方式」「発行時のプロトコル」「運用時のプロトコル」「トラストモデルと信頼性評価」という4つの視点で国際規格開発が進められてきました。

この度日本からの「セキュアエリアの信頼度に関する認証利用の仕組み」の提案を行ったところそれが承認され審議が始まることになったようです。

前述したように、これまでISO/IEC専門委員会で審議されている規格は、パスポートや運転免許証などのような身分証明機能をスマホで実現させるというものです。

ISO/IEC専門委員会では全体的な仕組みやデータの形式、また身分証明書を発行と運用す時の通信手順などに関して審議が進められてきました。

今回日本の経済産業省は、スマホなどのモバイル機器のOSに異常が起きてもデータを安全に保存できたり安全に処理を行えたりする大切な「セキュアエレメント」という部品が、信頼できるかを確認するための仕組みを提案しました。

この日本からの規格案はISO/IEC専門委員会で認められて、国際審議が始まりました。

経済産業省によると、この日本からの規格案が成立して規格が搭載されたスマホが発売されることになれば、パスポートや運転免許証など各種身分証明機能をダウンロードして利用する中で、十分なセキュリティが保てる効果が期待できるとしています。

またデジタル身分証明書の場合は、個人の属性や資格等の個人情報を常に最新の情報に更新しておくことができるので、本人確認を行うにあたってその都度、情報の正確さと信頼性を保つことができるでしょう。

その上、身分証明書を利用するためのセキュリティ面に関しても随時アップデートできるので、身分証明書を安心して利用できる環境を整備することができます。

日本からの規格案が通れば、スマホ等を通してオンライン上で本人確認を行ったり資格確認を行ったりする機会もますます増えていくでしょう。

ISO/IEC専門委員会はこの規格案について2020年7月から本格的な審議を始めると言い、2022年の国際標準化を目指すとしています。近いうちに「身分証明」に対応するデバイスが普及することが期待されます。