iPhoneでネットを閲覧している最中にAppleセキュリティと書かれたポップアップで「ウィルス感染」や「セキュリティの弱点がある」という画面が出ることがあります。しかしこれは偽物の警告です。Appleセキュリティ詐欺に引っかからない方法を学んでください。
インターネットをiPhoneで閲覧している最中に「Appleセキュリティ」という形で、Appleを名乗ってウイルス感染やセキュリティ対策を促してくる画面を見たことはありますか?
多くの場合、対策として別サイトへ誘導したり、アプリをダウンロードさせようとしてきますが、そもそもの話、AppleおよびiPhoneがリアルタイムでポップアップで警告してくることはありません。まずはこの事を強く覚えておいてください。
では具体的に、Appleセキュリティを名乗ってどのような警告が出てくるのかという点についてご紹介していきます。
代表的なものに「Apple警告:セキュリティ上の脆弱性が検出されました」という文言から始まるメッセージのポップアップになります。検索すると類似のポップアップの相談がたくさん出てきます。
あまり詳しくない人にとって「セキュリティ上の脆弱性」と言われると「よくわからないけど危険」と不安を煽られると思います。そしてその専門用語の「脆弱性」という言葉こそがポイントになっていると思われます。
セキュリティ上の脆弱性が問題になる場合はありますが、ご丁寧にポップアップで警告してくれるようなものではありません。そして脆弱性は基本的にアップデート等で埋めるものなので、セキュリティソフトが必要な場合はほぼないと言って良いでしょう。
他に有名なものとして「(3)セキュリティの弱点を検出しました。パスワードが危険です」といった形で始まり、VPNアプリをインストールしてください、と出るものです。こちらも偽物の警告であり、この警告こそが詐欺になります。
焦って警告の通り有料のアプリをインストールすると、そのインストールを紹介したこの偽物の警告を作った人に紹介料としてお金が入る仕組みだと考えられています。
VPN自体は、確かに公共Wifiの利用時等のセキュリティ対策や漏洩予防として効果があるといわれるシステムですが、このような怪しい方法でインストールを促されて使うものではなく、自分で必要不要を吟味して使わないと意味がないものでもあります。
もう一つよくあるものに、Appleセキュリティ「必ず対策を行ってください!」と書かれているものあります。こちらも危機感を煽り、itunes経由で有料のセキュリティアプリをダウンロードさせようとするメッセージが出てきます。
そもそも「Appleセキュリティ」と書いていますが、AppleセキュリティというものはAppleは用意していません。単に本物のAppleを騙っているだけの偽物であり、偽物の警告に信憑性を持たせようとしているだけです。
このメッセージが出たときの対策は、一番良いのが無視です。そして、このメッセージは「広告」として埋め込まれていることが多いため、この警告が出たサイトを見に行かないようにすることが対策であり予防にも繋がります。
その他の偽物の警告のパターンとしては「警告!ブラウジング中にiPhoneが感染した可能性があります!」というメッセージが出るものです。
こちらの偽物の警告も、上で既に紹介したとおり「VPNアプリ」でウイルス対策をするように促してきますが、もちろんこれも偽物の警告であり、目的としては有料のアプリをインストールさせることにあります。
そもそも特別なセキュリティソフトを導入してない限り、ウイルスをリアルタイム監視するサービスはありません。ですので本物の警告ではないと判断して良いでしょう。
ここまで、偽物の警告についてまとめてきましたが、共通点としてはAppleセキュリティを名乗って「ウイルス」という言葉とともに、専門用語っぽい「システムの脆弱性」や「VPN」「セキュリティの弱点」という言葉を巧みに使っている点です。
そして、もう一つの共通点としては、アプリのインストールを促されている点にもお気づきでしょうか。この手の警告がなぜアプリのインストールを促しているか、その目的についてもご説明していきます。
また、本物の「セキュリティ上の弱点」がある場合、セキュリティソフトを新たに入れるという対策は一般的でない、という点も覚えておくと良いでしょう。セキュリティに弱点がある場合、アップデートでの対応が一般的なのです。
これらの偽物の警告がなぜ「システム上の弱点がある」「脆弱性が見つかっている」「危険だ」と不安を煽っておいて、最終的にはアプリのインストールを促してくるのでしょうか。そこにはAppleの安全性が関わっています。
iPhoneに使用者の承諾なくアプリなどを入れ込むというのはほぼ不可能であり、その点でiPhoneは安全です。そこでもなんとか稼ぎ口を見つけたい業者が金稼ぎという目的から「不安を煽る」という手段で有料アプリを売ろうとしているのです。
ですので、アプリのインストールを促される場合、まず怪しいと疑うことが一番の予防となります。
ここまでは、偽物の警告についてご紹介してきました。しかし「Appleセキュリティ」と言われれば「もしかして」と不安になる気持ちもわかります。
その不安を取り除いて、確信を持って対処するのも予防として有効です。ここではそもそもの「Appleセキュリティ」というものについて解説していきます。
「Appleセキュリティ」と名乗っていますが、検索するとわかりますが、Appleが公式で行っているサービスにそういったものは存在しません。そして検索すると類似の「相談例」が出てきます。
Appleがセキュリティで独自のサービスを行っていないので、もちろん「Appleセキュリティ」という公式のサービスもありません。こう名乗っているのは逆に怪しい、と疑っていくことが危険への予防に繋がります。
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