ファーウェイが開発している折りたたみディスプレイ搭載スマホ「Mate X」の発売を9月まで延期することを明らかにしました。ファーウェイが「Mate X」を発売延期した理由は、Galaxy Foldの失敗を受け耐久性について追加のテストを実施するためです。
ファーウェイが開発している折りたたみディスプレイ搭載スマートフォン「Mate X」の発売を9月まで延期することを明らかにしました。
ファーウェイの「Mate X」は今年のスマートフォンの最新トレンドになるはずだった、二つ折りできるディスプレイを採用したスマホ「フォルダブル」のひとつです。
折りたためばポケットに入る厚めのスマホとして使え、広げればミニタブレットとして大画面で使える製品です。
「Mate X」は春に発売予定だったサムスンの「Galaxy Fold」に続き、本来であれば今年半ばにも発売見込みとされていました。
しかしアメリカによる対中制裁によってGoogleのAndroid OSが事実上使用できなくなったため計画は大きく狂うことになりました。
その後のファーウェイの動きに注目が集まっていましたが、ファーウェイのスポークスマンがCNBCに語ったところによると、Mate Xは9月に登場することが分かりました。国際的に展開され、5Gに対応で価格は2,299ユーロ(約28万円)~となります。
折りたたみスマートフォンには、ディスプレイごとデバイスを折りたためる構造上、耐久性の問題がつきまといます。
「Mate X」に先行する形で登場したSamsungの「Galaxy Fold」は、正式発売前に入手したメディア関係者の間で「数日で画面が割れた」「画面に線が入り正に表示されなくなった」といったレビューが続出しました。
そしてストアやキャリアも予約キャンセルを発表し、4月26日に予定されていた発売日が一転して「未定」となった経緯があります。
Galaxy Foldの破損理由としては、ディスプレイ表面の保護層、一般的なスマホであればガラスである部分が柔軟な樹脂製だったために、レビュアーの多くが使用前に剥がすべき輸送用の保護フィルムと勘違いして無理に剥がそうとしてしまいました。
そのせいで本来の構造的な保護が失われてしまい、また保護層とは別に折りたたみの際ディスプレイに大きな隙間ができる構造で、異物侵入の対策もなかったため、挟まった微細なゴミで裏側から突かれて壊れることも指摘されていました。
これに対して、ファーウェイのスポークスマンはSamsungの件で「より注意深くなった」とコメントしました。「我々は自分たちの評判を地に落とすような製品を発表する気はない」とし、製品の出来栄えに胸を張っています。
現在ファーウェイは消費者向けのテストを広範囲に渡って行なっていて、その理由はSamsungと同じ轍を踏まないよう耐久性について追加のテストを実施し慎重を期しているというわけです。
なおファーウェイといえばアメリカから通商問題で禁輸リストに載せられていて、部材やソフトウェアの調達で困難に直面していますが、この点についてファーウェイは、「Mate X」は問題なく販売できOSもAndroidを搭載できるとしています。
ちなみにAppleも関連する特許を複数取得しているように、折りたためるiPhoneについては関心を持っているとされています。早ければ登場は2020年になる見込みです。