「Windows 10」ビルド18936が公開され、パスワードレスオプション追加を発表しました。「Windows 10」ではパスワードレスオプション追加だけでなく、カレンダー機能から直接スケジュール登録対応やスマホ同期のスクリーン共有もサポートされています。
米Microsoftは現地時間7月10日、「Windows 10 Insider Preview」ビルド18936(20H1)を「Windows Insider Program」の新機能を積極的に試すユーザーのためのFast ringで公開しました。
「Windows 10 Insider Preview」ビルド18936(20H1)は、「Windows 10 19H2」の次にリリースされる機能アップデート版です。テスト中に大きな問題がなければ来年の春に正式公開される予定となっています。
ビルド18936ではパスワードレスでMicrosoftアカウントへのサインインを行うオプションの提供を開始しました。ただ、まだ全てのInsiderに対応されているわけではないとのことです。
もし設定画面にオプションが見当たらない場合は1週間後にもう一度確認するとよいかもしれません。
Microsoftはこれまでも「Windows Hello」でFIDO2認証を取得したり、EdgeブラウザでWebAuthをサポートするなど、パスワードレス化に積極的に取り組んでいました。今回のパスワードレスオプションはこのような取り組みを後押しするものになるでしょう。
Windows上でMicrosoftアカウントにサインインするには、これまでもパスワードの他に「Windows Hello」による顔認証や指紋認証、PINといった選択肢がありました。
今回のパスワードレスサインインのオプションとは、そのデバイス上からのMicrosoftアカウントへのサインインにパスワードが利用できなくなり、Windows Hello(顔認証、指紋認証、PIN)やセキュリティキーの使用が必須になるというものです。
つまりパスワードを使ったログインを禁止するための設定ということになります。日常的にパスワードを利用していると、そのパスワードが漏れてしまった場合Microsoftアカウント全体を乗っ取られる可能性があります。
生体認証やセキュリティキーによるパスワードレスサインインオプション追加は、使い回しやフィッシング詐欺などによる流出の被害の拡大も防ぎやすくなるでしょう。
「Windows 10」ビルド18936(20H1)ではMarvellドライバーがアップデートされ、「Surface Go」でしか利用できなかったAndroidの画面をWindows PC上に表示するスクリーン共有機能を拡張しました。
現在は以下のデバイスでスクリーン共有対応しています。
そのほかにもタスクバーから呼び出せるカレンダー機能が強化されました。カレンダー機能では日付けをクリックするとテキストボックスが現れ、その場でスケジュール登録できるようになりました。
カレンダー機能強化により、わざわざカレンダーアプリを起動せず直接スケジュール登録できます。今回の機能が「Windows 10」リリース版に反映されるのは来年前半の大型アップデートかそれ以降となるでしょう。