総務省は「5G」の基地局開設計画に基づきNTTドコモ、au、ソフトバンクの3社に対し、次世代モバイル通信サービス「5G」の無線局免許を交付しました。3社のうちNTTドコモはほぼ全国で無線局免許の交付を受け取り、他キャリアを圧倒する数となっています。
総務省は7月31日、5Gの基地局開設計画に基づきNTTドコモ、au、ソフトバンクの3社に対し 次世代モバイル通信サービス「5G」の無線局免許を交付しました。5Gの商用サービス向け免許交付は今回が初となります。
キャリアが5Gの電波を発射し実際にサービスを提供するためには、無線局に対して免許を申請して交付を受ける必要があります。
免許交付は総務省の下部機関に当たる「地方総合通信局」が行っていますが、NTTドコモは全国で11ある地方総合通信局のうち信越総合通信局以外の全てから免許を交付を受け取り、他キャリアを圧倒する数となっています。
5GではNTTドコモ、KDDI・沖縄セルラー(au)、ソフトバンクに加えて新規参入となる楽天モバイルの4社が展開予定となっています。
4社とも商用サービスは2020年の開始を予定していて、既存3社が受けた今回の免許交付は実際にサービスインする前に基地局や端末を検証するためのものとなります。
楽天モバイルは3社と同様、5Gの基地局開設計画に対して認定を受けていますが、運用開始日は2020年4月予定となっていて今回の免許申請を行っていないため、交付式には参加していません。
NTTドコモは基地局および陸上移動局54局(3.7GHz帯 12局、4.5GHz帯 21局、28GHz帯 21局)に対して免許が交付されました。全国では222局に対して免許の交付を受け取りました。
NTTドコモは9月から開催される「ラグビーワールドカップ2019 日本大会」にあわせて「商用周波数帯での5Gプレサービス」を展開するとしていて、今回免許交付を受け取りした基地局では、札幌ドームや花園ラグビー場など大会会場も含まれています。
auは、基地局および陸上移動局4局(全て3.7GHz帯)に対して免許の交付を受け取り、関東、中国、九州という3つの地方総合通信局から免許を交付され、基地局は合計11局を設置予定としています。
なお、同社は今年秋に5Gのプレサービスでは商用周波数帯を使わず、すでに割り当てられている試験局用の周波数帯を利用するとしています。
ソフトバンクには東北、関東、中国、九州の4つの地方総合通信局から合計15局分の「予備免許」を、陸上移動局(3.9GHz帯 1局)に対して免許が交付されました。
同社が5Gで利用する予定の周波数帯は海外の通信事業者に利用されていない周波数帯で、技適などの法的な認証をこれから行うことになります。法的な認証が済み次第、本免許が交付される予定です。
ソフトバンクは7月26日~28日の3日間、新潟県の苗場スキー場で開催されるロックフェスティバル「FUJI ROCK FESTIVAL '19」で、さまざまな5Gを使った実験やサービス行う「5Gプレサービス」を提供しました。