Amazonは「ダッシュボタン」を経由した販売機能を8月末に終了することを発表しました。Amazonの「ダッシュボタン」とは物理的ボタンに登録されている日用品を1プッシュで注文できる機能で注目を集めましたが、他サービスの利用が増え終了することになります。
Amazonは、ダッシュボタン(Dash Button)を経由した各種商品の販売を、8月末に全世界で終了することを発表しました。ダッシュボタンの利用者には、8月2日午前からAmazonから個別にメールで終了の案内が届いているようです。
8月末に終了するのは、注文専用ボタンだけのハードウエア「ダッシュボタン」を通じた販売だけとなっています。
スマホアプリや家電機器を通じて使う「バーチャルダッシュ」や家電などのサプライ品を自動補充注文する「Amazon Dash Replenishment」は8月末以降も継続するとされています。
ダッシュボタンはWi-Fi経由でネットに接続し、物理的ボタンに登録されている日用品を1プッシュで注文できるIoT(Internet of Things)端末です。「押すだけで特定の製品が注文できる」技術として2015年に登場し、日本には2016年12月に上陸しました。
各メーカーがAmazonと提携して専用の物理的ボタンを用意し、Amazonで販売する形を採りました。例えば洗剤や水、食料品など、「切れては困る」製品をその物理的ボタンで簡単に注文できることから多くの注目を集めます。
2017年6月にはダッシュボタン経由の売り上げと端末自体の売り上げがアメリカに次ぐ2位になるなど好調で、その後も徐々にラインアップを拡充し、150種類以上のブランドの2000以上の商品に対応していました。
Amazonではすでに米現地時間2月28日、「ダッシュボタン」端末の販売を終了すること発表していました。ダッシュボタン端末の販売終了の理由は、ダッシュボタン以外のサービスや機能を使って商品を注文するユーザーが増えたためと言います。
Amazonではダッシュボタンと同じ機能をWebサイトやスマートフォンアプリで利用できる「バーチャルダッシュ」や、ネットに接続した家電が自ら必要な消耗品を発注するサービス「Amazon Dash Replenishment」の提供を進めています。
これらの利用が伸びていて、実際に「バーチャルダッシュ」経由の販売はグローバルで2倍に伸びていると公表されていました。
Amazon広報によると、これらのサービスビジネスは変わらず好調であるとしています。ただ物理的ボタンである「ダッシュボタン」の利用だけが著しく減っているわけです。
さらに音声アシスタントである今現在「Alexa」を通じたショッピングが増えつつあることから、Amazonは「ダッシュボタンは役割を終えた」として販売終了し、その後サービスの提供終了を発表したようです。
「ダッシュボタン」で提供されていた同じ商品は、引き続きAmazonのWebサイトやスマホ上のAmazonアプリで利用可能な「バーチャルダッシュ」を通して購入することができますので、ユーザーにとっては何の問題もないでしょう。
もし自宅にダッシュボタンがあって、それをどうしたらよいかわからない場合は、そのダッシュボタンをAmazonのリサイクル事業に送るようAmazonは勧めています。ダッシュボタンの送料と廃棄の手間はAmazonが持つとされています。