Windows 10のInsider Previewが公開されましたが、クラウドからのOS再インストールが可能になりました。Windows 10でクラウドからの再インストールが可能となることで、ストレージに余裕がないPCでも初期化がやりやすくなります。
Microsoftは米現地時間8月29日、Windows 10の開発者向けの早期ビルドを公開するFast ringで、Insider Preview「Build 18970(20H1)」を公開しました。
これまであらゆるWindowsは物理媒体かデバイス上のローカルコピーを使ってインストールすることが基本とされてきました。
Windows 10ではバージョン1507以降、OSを再インストールするための手段として、インストールディスクなどを使わずにローカルドライブから復旧が行なえるようになりましたが、今回のビルドではインターネットを利用したクラウドから可能になりました。
クラウドからの再インストール機能は全てのWindowsマシンで利用可能となっています。この復旧作業を行なうと、同じビルド/バージョン/エディションのWindows 10が再インストールされる仕組みです。
この機能はSurfaceなどの一部のPCで実現されていましたが、これらのデバイスに採用されていた「Recover from the cloud(クラウドからの回復)」とは別の機能です。
ただ、現時点では特定のオプションを有効化している場合、クラウド復旧機能が正しく動作しません。その該当するオプションはWindows 10の「EMS/SACツールセット」「赤外線ポート」「プリントマネジメントコンソール」などです。
Fast ringで公開中のInsider Preview「Build 18970(20H1)」では、Windows 10 Insider Preview版をリセット、再インストールする際に現れる「Windowsを再インストールする方法を選択する」というところからダウンロードする項目が選択可能です。
クラウドからのOS再インストールは、高速なインターネット環境さえあればインストールメディアを用意したり別の端末でUSBメモリーにインストールイメージを用意したりする必要がなく、すでにMacシリーズでは利用可能になっていた機能でもあります。
ただ、MicrosoftクラウドからのWindows再インストールオプションを使用する場合、既存のアプリやデータがすべて削除されることが警告されました。
さらにFast ringで公開されている「Insider Preview」とは製品版ではないため予期せぬ不具合を含んでいる可能性もあり注意が必要です。クラウドから再インストールしようとしてPCが使用不能になってしまったという最悪の事態もないとは言い切れません。
もしスキルに自信がなく安全にPCを続けるのであれば、この機能が製品版に搭載されるのを待ってから試すのが無難と言えます。逆に例えばタダ同然で引き取ったPCを1台準備できるのであれば、気軽に試してみても良いかも知れません。