2019年12月23日更新
【研究結果】スマホのナイトモード(暖色系)は寝付きに逆効果!
スマホの「ナイトモード」はスマホ画面を暖色系へ変更し寝付きをよくすると言われていました。しかし今回スマホの「ナイトモード(暖色系)」は寝付きに逆効果で、かえって暖色系の色の方が寝付きに影響を及ぼすという研究結果が出ています。
「ナイトモード(暖色系)」は、寝付きに逆効果という研究結果
一般的にスマホのブルーライトは、目に負担をかけるため寝付きに悪影響を及ぼすと言われています。その対策がスマホの「ナイトモード」です。
「ナイトモード」とは、日没後スマホの画面において青色を減らし暖色の色合いへと変更することで目を疲れにくくし、寝付きをよくすると言われています。
各社デバイスの「ナイトモード」は、このような趣旨で急速に普及していて今ではスマホの標準装備となっています。
たとえばGoogleの「Pixelシリーズ」の「Night Light」は、青色光が寝付きを悪くするとして画面を赤や橙色にすると説明されています。また同じくiPhoneやiPadなどの「Night Shift」も、ディスプレイの色を暖色系の色域に自動的に切り替えるものです。
しかし今回、英マンチェスター大学の研究者はこのような定説を覆し、暖色系を増やす「ナイトモード」には寝付きを良くする効果はなく、むしろ逆効果で悪影響を及ぼすという研究結果を発表しました。
研究結果によると、マウスによる実験の結果正反対の傾向が示されたというものです。
これまで、なぜブルーライトが寝付きを邪魔するかと信じられていたかと言うと、青い色が特に目の網膜にある光受容体メラノプシンを刺激しやすいとされていたことにあります。
青い光を浴びると覚醒を促すメラノプシン細胞によって睡眠障害が引き起こされるということが定説でした。
しかしマウスを対象とした研究報告によれば、薄暗い場合は黄色などの暖色よりもむしろ青のほうがリラックスできるため間違っているという結果に至りました。
さらにメラノプシンシステムでは、どの色域にも影響に差はないどころか、逆に暖色系の光の方が悪影響を及ぼすとされています。
快適な睡眠には、スマホの電源をオフにすることが効果的
さらに英マンチェスター大学の研究者の調査によると、人間の体内時計への影響については、実は色よりも輝度レベルの方が重要とされています。
つまりディスプレイの色を変えるよりも、画面の輝度を落とした方が影響が抑えられる可能性があるという結果が出ています。そして光が同じぐらい薄暗ければ、かえって青色は黄色よりもリラックス効果があるとのことです。
この理由としては昼光色には黄色、日の出と日の入りの太陽光には青色成分が多く、体内時計もそれと連動していることから影響は低いというわけです。
実験はまだマウスのみですが、研究者によると、この理論は人間にも当然当てはまる理由が十分にあるとしています。
今のところの結論としては、スマホから「ナイトモード」に切り替えるよう指示される遅い時間であれば、携帯電話を置いて画面を見ないことが快適な睡眠にとっては正解というわけです。
この問題に関しては、この先も議論が続くと思われますが、今回の一件を報じた「The Guardian紙」は、「ナイトモード」よりも確実に寝付きをよくする方法として、スマホの電源を落とすことを推奨しています。