2019年05月19日更新
「毎日3万円稼げるアプリ」の無料体験に注意!相談118件【消費者庁が注意喚起】
消費者庁は「ゲーム感覚で毎日3万円稼げる」という虚偽の広告で顧客を勧誘し、アプリ入手のために多額の金銭を支払わせていた事業者への注意喚起を発表しました。毎日3万円稼げるアプリの虚偽体験談をサイトに掲載する業者もいるので、被害に合わないために注意しましょう。
消費者庁、アプリ「Tech Box」事業者に対して注意喚起
消費者庁は5月17日、「ゲーム感覚で毎日3万円稼げる」などとうたい、多額の金銭を支払わせる事業者への注意喚起を発表しました。
事業者名は株式会社CCSで、SNSなどで「ゲーム感覚で毎日3万円稼げる次世代の複合型アプリTech Box」や「0円から始めて1年後1080万円完全保証」といった無料アプリの広告を掲載し自社のウェブサイトに誘導しユーザー登録を行わせていました。
「毎日3万円稼げるアプリ」の無料体験に注意
そして同ウェブサイト上で「ゲーム感覚で稼げる日本初の暗号通貨アプリを今日から無料で使える視聴者体験型プロジェクト」「半年で資産2000 万円まで導きます」 とうたってアプリの無料体験をさせます。
「Tech Frontier Project」と称する組織への入会(入会金9.8万円)への勧誘を行い、関心があればウェブサイト上でメールアドレスを登録するよう消費者を促していました。
さらにその会員になった消費者に「何もせずに2週間に一度確認するだけで1日15万円稼げます」と言う文句でより高額なアプリを勧めていました。
この無料体験では、同一の暗号通貨を複数の取引所間で価格差が生じた際に自動的に通知されるため、その通知された取引所を選ぶだけで、1日15分の操作だけで毎日最低3万円の利益が得られるとしていました。
実際に体験型プロジェクトで取引を行うことで収益を得たような疑似体験をし「体験型ではなく正規環境で行えば簡単に利益が得られるのではないか」と期待を抱くようなものとなっています。
これを消費者庁が調査したところ、無料体験できたアプリの取引は架空のものだった上、有料のアプリであっても簡単に利益が得られるという事実は確認できなかったようです。
CCSはメールやLINEで利益の保証や正規アプリの配布などといった情報を与え使用料50万円・入会金9.8万円を支払うように誘導し、およそ3か月間で2000人から3億円ほどを売り上げていたと言われています。
アプリの代金を支払ってもアプリをダウンロードすらできなかったという詐欺事例やその代金決済に関してはCCSがクレジットカード番号を巧みに聞き出し入会金9.8万円で合意したにも関わらず使用料50万円の決済がされたという詐欺事例もあったようです。
消費者庁の相談件数は118件にのぼっているとされています。
詐欺被害に合わないために
今回の事案は「実際には得られない利益を誰でも確実に得られる」という虚偽または著しく誇大な説明や勧誘を行って多数の消費者を騙した行為ですが、このような詐欺行為は今回の件に限らず数多くあります。
「絶対に儲かる」というようなありもしない利益をあるように説明して、さらに成功者や体験者の声を掲載し、虚偽の体験談を見せることで信ぴょう性を増すようにしています。
まず日本では仮想通貨交換業を行う際には、資金決済法に関する法律第63条の2の規定に基づいて仮想通貨交換業者として登録することが必要となっています。
詐欺被害に合わないためには、無登録業者が勧誘行為を行っている可能性を疑い業者の名称などから登録業者であるかどうかの確認を取ることが大切です。
また暗号通貨だけでなく取引を推奨・勧誘する行為は国内の法律に抵触する可能性があので、業者が勧誘を行ってきた際には1度、消費者庁や警察、消費生活センターなどに相談することをおすすめします。
詐欺被害に合わないために慎重に冷静に対応し、消費者ホットライン「188」や警察相談専用電話「#9110」に相談するようにしましょう。