2019年06月13日更新
【iPhone】「eSIM」とは?メリット/デメリットも解説!
現代では欠かすことのできないスマートフォンですが、「eSIM規格」のスマホの事はご存知ですか?今回はまだ、浸透率の低いeSIMとは何かについてを解説していきます。eSIMとは何か、eSIMのメリット・デメリットを知りたい方はぜひご覧ください。
目次
- 1eSIMとは?
- ・埋め込み型のSIM
- ・通常のSIMカードとは別に利用できる
- ・そもそもSIMって?
- 2eSIMのメリット
- ・情報をユーザー自身で書き換えられる
- ・海外で利用する時に素早く現地キャリアに切り替えられる
- ・iPhoneならデュアルSIMにも対応
- ・ギガ追加が割安
- ・国際ローミングが割安
- 3eSIMのデメリット
- ・日本の大手キャリアは及び腰
- ・初期アクティベート機種が限られている
- 4eSIMの書き換え技術
- ・マルチIMSI
- ・クラウドSIM
- ・GSMA標準eSIM
- ・それぞれのメリット/デメリット(課題)表
- 5eSIMの対応機種
- ・iPhone XS/XS Max/XR
- ・iPad Pro 2018年モデル
- ・Apple Watch Series 3
- ・dtab Compact d-01J
- 6eSIMの使い方
- ・SIMロックを解除する
- ・プランを契約してQRコードを読み込む
- ・eUICCプロファイルのダウンロード
- ・主回線と副回線の設定
- 7eSIMの海外事例
- ・PixelシリーズとProject Fiの組み合わせ
- 8eSIMの課題
- ・QRコードの入手に手間がかかる
- ・プラットフォームが不十分
- ・合わせて読みたい!通信に関する記事一覧
eSIMとは?
現代では、スマートフォンは欠かすことのできない必需品です。日常生活ではもちろん、海外旅行などにも必ずスマホは持っていくかと思います。しかし、海外旅行に行く場合は「通信料」などを気にかけなければなりません。
そういった場面で活躍する、「eSIM」の存在を皆さんはご存知でしょうか。今回の記事では、eSIMとは何のことなのか、またeSIMのメリットやデメリットを徹底解説していきます。
iPhoneでは徐々に浸透率が上がってきているもののまだeSIMのことを詳しくしっている方は多くはありません。今回の記事で、eSIMのことを把握していきましょう!下記項目から、eSIMの説明をおこなっていきます。
埋め込み型のSIM
eSIMとは、「embedded Subscriber Identity Module」の略称です。”e”の部分である「embedded
」は、埋め込みという意味をもつ単語です。つまり、eSIMとは、「埋め込み型」のSIMのことを指します。
従来のSIMは、SDカードのような小さいSIMカードを挿入する形が通常でした。埋め込まれることによって、SIMカードの抜き差しをおこなうといった必要がなくなります。
このeSIMがはじめて登場したのは2017年の5月。ドコモの「dtab Compact d-01J」がはじまりでした。次第にiPhoneにも対応していくようになり、徐々に広まりつつあります。
通常のSIMカードとは別に利用できる
eSIMは、通常のSIMカードとは別に利用することもできます。
現在ではiPhone機種の多くにこのeSIMが対応されていますが、通常のSIMカード挿入口もあるため別々に利用することができるのです。利用の仕方は色々と考えられそうです。
そもそもSIMって?
「そもそもSIMってなに?」と疑問に思う方もいるでしょう。SIMとは、モバイル通信を利用する際は必須のものです。従来までのものであれば、「SIMカード」と呼ばれる小さいカードに通信プランや電話番号などの情報を書き込むのが普通でした。
SIMがなければ、私たちは電話番号を持つこともできなければ、モバイル通信を利用することもできません。Wi-Fiがあればネットは使えるものの、それだけでは「携帯電話」の役割を果たすことができなくなってしまいます。
eSIMという新しいSIM規格が登場したことで、新しいスマホの使い方が生まれた今、それぞれのメリットやデメリットをしっかりと確認しておく必要があるでしょう。
はじめに、eSIMとは一体どういうものかという点についてを説明しました。eSIMについて、そしてSIMについて理解を深めることはできたでしょうか?
スマートフォンの利用には欠かすことができないSIM規格。このeSIMの登場により、スマホの利用幅はさらに広がっています。続いては、eSIMを利用する上での「メリット」についてを紹介していきます。
次の項目でメリットを確認し、どいった使い方ができるのかを把握していきましょう。ぜひ次の項目もご覧ください。
eSIMのメリット
上記では、「eSIMとは何か」についてを具体的に説明いたしました。埋め込み型のSIMであること、そして従来のものはカードタイプが普通であったことが分かったかと思います。
続いては、eSIMを利用することで得られる「メリット」についてを紹介していきます。埋め込み型のSIMであるeSIMは、SIMとはどういった違いがあるのでしょう?
また、その違いによるメリットをしっかりと確認しておくことで、どちらを利用した方が自分にとって良いか判断することが出来るかと思います。下記項目で確認していきましょう。
情報をユーザー自身で書き換えられる
eSIMとは埋め込み型のSIM規格。つまり、カードの抜き差しをおこなうことがありません。ではどうやってeSIMに情報を書き込むのか?という疑問が出てきます。
eSIMは、SIMに情報を登録するための操作をおこなえば「自分でも」情報の書き込みが可能なのです。しかも、eSIMであれば通信プランなどの情報は書き換えをおこなってもOK。
以前であれば、SIMカードひとつにひとつの情報が原則でした。しかしeSIMでは情報を上書きすることができるため、後から通信プランを変更することができます。そしてこれは、海外旅行等でも非常に役立ちます。
海外で利用する時に素早く現地キャリアに切り替えられる
従来のSIMであれば、海外に行く場合そのまま行ってしまうと後から「高額の通信料金」がかかってしまいます。それを回避するために色々と手続きをおこなったりする必要がありました。
しかし、eSIMであればそんな海外旅行でも安心です。海外に行く場合は、日本の通信プランから現地の通信プランに素早く切り替えることが可能です。自分で海外の通信プランに変更するため、書き換え操作を行えば良いのです。
海外でも安心して利用することがeSIMでは可能。日本に戻る時は、日本の通信プランに書き換えればそれでOK。この点は非常にメリットが高いポイントでしょう。
iPhoneならデュアルSIMにも対応
iPhoneであれば「デュアルSIM」にも対応。SIMを2つ同時に利用することも可能です。eSIMもちろん、デュアルSIMで利用することができます。
デュアルSIMを利用することで、プライベートと仕事でスマホを2台持ちにする必要等がなくなります。一台のスマホで切り替えができるので、そういった使い方をしたい方にもおすすめ。
eSIMとデュアルSIM、自分の使い方に合わせた利用方法があるようです。iPhoneユーザーの方であれば、ぜひ詳細を把握して使いこなしてほしいところ。
ギガ追加が割安
また、eSIMなら「ギガ追加」の料金が割安になります。通常のSIMよりも、約5分の1は安くなるのです。そのため、通信プランをより安く抑えたいという方にもeSIMはおすすめなのです。
毎月のデータ容量がなくなった時も、そこまで高値ではないため手軽にギガを追加できます。この点は非常に魅力的なのではないでしょうか。ギガを使いきってしまい、通信制限をそこまで我慢する必要もありません。
5分の1までギガ追加料金が抑えられているなら、月の予算範囲内にも収まるでしょう。ギガについてお悩みの方は、eSIMの利用を考えてみてはいかがでしょうか。
国際ローミングが割安
そもそも、eSIMとは海外にいった時に通信料金を抑えられるようにと搭載された規格。大手キャリアで提供している国際ローミングを利用するよりも、eSIMで直接契約する方が、使い方次第では割安になります。
大手キャリアの国際ローミングも、以前に比べれば安くなった方ではあります。しかし、十日も使えば通信料金は10,000程度はかかるでしょう。
eSIMを利用することで、より海外での通信料を抑えることができるでしょう。仕事で日本と海外の行き来が多いという方にはおすすめです。
eSIMのメリットについてをそれぞれ紹介していきました。海外に行く時は、日本の大手キャリアで手続きをおこなうよりeSIMで直接海外のキャリアと契約した方がお得。
海外旅行、また仕事で海外に出張することが多いという方にはぜひ、埋め込み型のeSIMの利用を検討してほしいところです。
しかし、メリットだけ見ると非常に利便性の高いeSIMですが、デメリットと言える点ももちろんございます。利用する前に、デメリットの確認もおこないましょう。
eSIMのデメリット
上記では、eSIMの「メリット」についてを紹介しました。通信料金を安く抑えられる可能性があるeSIM、ギガ追加料金も割安という点が非常に魅力的です。
しかし、eSIMにもデメリットは存在します。利用する前に、デメリットをよく確認する必要があるでしょう。この項目では、eSIMのデメリットについてを紹介。
下記項目で、eSIMのデメリットの確認をおこないましょう。
日本の大手キャリアは及び腰
eSIMのデメリットとしてまず挙げられるのは、日本ではまだ使いづらいという点です。日本の大手キャリアは、eSIMに対してまだ消極的。簡単にキャリアの切り替えができるのは、日本キャリアにとっては危惧すべき問題なのでしょう。
格安SIM等が流行っている日本では、キャリアの囲いこみが激しい傾向にあります。このことが、日本でのeSIM浸透率を下げている要因となっているのです。
今は大手キャリアの競争率が高いですから、徐々にeSIMの認知度は上がっているもののまだまだ浸透するには時間がかかりそうです。
初期アクティベート機種が限られている
また、eSIMは「初期アクティベート機種」が限られているという問題もあります。eSIMの機能をアクティベートできる対応端末は、現時点だと非常に少ないです。
対応機種については後ほど詳しく紹介しますが、現時点ではiPhoneの一部のみにしか対応していないことを覚えておきましょう。
アクティベート機種が限られているという点も、浸透率が上がらない要因のひとつでしょう。これらのデメリットが、後々の課題点となりそうです。
eSIMを利用する上でのデメリットについてを紹介いたしました。非常にメリットの高い埋め込み型SIMですが、日本で使用するにはまだまだ上記のデメリットが邪魔をしてしまいます。
今後これらのデメリットが改善されていくのを望むほかありません。それでも。対応機種等に問題がなければeSIMを利用しても良いと思います。
次の項目では、eSIMの書き換え技術についてを紹介していきます。書き換え技術や、それらのメリット・課題点についてなどを確認していきましょう。
eSIMの書き換え技術
上記では、eSIMの「デメリット」についてを紹介していきました。日本での浸透率が低い要因、使用する上でデメリットとなる内容の確認はできましたでしょうか。
続いては、eSIMの書き換え技術についてを紹介していきます。SIMのISIMを書き換える技術は複数存在します。ある会社が独自に開発した技術や、標準規格のものなど同じように見えてもそれぞれの仕組みは異なるのです。
それらについてのメリットや課題点をこの項目では解説していきます。下記項目で確認していきましょう。
マルチIMSI
まず説明していくのは、「マルチIMSI」。通常のSIMでは、中に1つのIMSIが格納されています。それに対し、マルチISIMは複数のIMSIが保存されているのです。
マルチIMSIでは、ネットワークによって違うIMSIが使用されます。あらかじめSIMに保存されたIMSIを切り替えて使用するという仕組みになっているためSIMの書き換えができるという訳ではありません。
eSIMのように、新しいIMSIを自分で書きこめたりするわけではないので要注意です。
クラウドSIM
続いて説明していくのは、「クラウドSIM」。クラウド上にIMSIが存在しており、それを使用したいスマートフォンにダウンロードする仕組みで使われているものです。
クラウド上に情報があるため、インターネット環境がない場所では情報のダウンロードをおこなうことができません。そのため、クラウドSIM搭載の端末には、あらかじめダウンロード用のIMSIが内蔵されていることが多いようです。
ダウンロードするという時に、内蔵されているIMSIを使ってインターネットに接続する仕組みになっています。
GSMA標準eSIM
続いて説明していくのは、「GSMA標準eSIM」。まず、GSMAとは世界の携帯電話事業者、メーカーなどが参加している団体のことを指します。
GSMAでは書き換え可能のSIM標準規格を定めており、標準に基づいて開発された端末であれば利用することが可能の技術。この技術では、eSIM内に「eUICCプロファイル」を複数保存することが可能。
eUICCのダウンロード・切り替えは、スマートフォンに搭載されているLPAという機能を用いておこなわれます。これについては、インターネットを使用してダウンロードをおこなう必要があります。
それぞれのメリット/デメリット(課題)表
似た働きをしながらも、仕組みがそれぞれ異なるこれらの技術は、もちろんそれぞれでメリットや課題点などが違います。下記表で確認しましょう。
メリット | 課題/制限 | |
マルチIMSI | 端末側に特別な仕組みを必要としない | あらかじめSIMに登録されたIMSIしか使用することができない |
クラウドSIM | IMSIのダウンロードを含めて機能がパッケージ化されている | 特定のメーカー技術に依存してしまっている |
GSMA標準eSIM | 複数のeUICCの切り替えが可能であり、メーカー依存もない | 特定の機種にしか対応しておらず、QRコードの入手にも時間がかかる。プラットフォームの不十分の現状。 |
それぞれの技術について、詳細やメリット、課題点などは確認できましたでしょうか。それぞれ似た働きを持ちながらも、どのようにして動いているかなどの仕組みが変わってきます。
情報のダウンロードにインターネットが必須であったり、特定のメーカーに依存してしまう技術もあったり、自分にとっては不便になるポイント等もあったのではないでしょうか。
GSMA標準eSIMについては、対応機種など上記でも挙げたデメリットが課題点として挙げられていました。次の項目では、対応機種についてを紹介していきます。確認しましょう。
eSIMの対応機種
上記では、eSIMの書き換え技術についてを紹介しました。技術の詳細やメリット、それぞれの課題点などは把握できましたでしょうか。
続いては、eSIMの最大の課題点である「対応機種」についてを紹介していきます。eSIMに対応している機種は徐々に増えつつありますが、それでもまだ多いとは言えません。
eSIMを利用してみたいという方は、まずどの機種に対応しているのかを確認する必要があります。下記項目で、対応機種を確認していきましょう。
iPhone XS/XS Max/XR
まず対応しているのは、最新の「iPhone」。eSIMは日本だと2017年からスタートしており、それ以降に登場しているiPhoneには大体搭載されています。
iPhoneは積極的にeSIMを搭載しており、今後発売されるであろう機種にもeSIMは組み込まれていくでしょう。iPhoneユーザーの方比較的、eSIMを利用しやすいと思います。
また、eSIMの埋め込みがおこなわれているのはiPhoneだけではありません。
iPad Pro 2018年モデル
iPhoneだけでなく、iPadにもeSIMが埋め込みされています。「iPad Pro」の2018年のモデルはeSIMに対応しており、タブレットでもeSIMの書き込みによって通信プランを利用できるように。
今後新たなモデルのiPadが登場するのであれば、そのiPadにも恐らくeSIMが埋め込みされているでしょう。
Apple Watch Series 3
そして、Apple製品では「Apple Watch」にもeSIMが搭載されています。Apple Watch Series 3にeSIMが搭載されており、使い方次第ではこのeSIMを利用して通信プランを設定しても良いのかな、と思います。
dtab Compact d-01J
続いては、dtab Compact d-01J。こちらはdocomo初となるeSIM搭載タブレットです。メーカーはHuaweiで、nanoSIMも利用できるのが特徴。
埋め込み型のeSIMも利用できれば、通常のnanoSIMも利用できるためユーザーから見れば一見「通常のSIM規格」のように見えます。
埋め込み型のeSIMが搭載されている機種をそれぞれ紹介しました。対応機種の中に、自分が使っているものや今後買い替えようか悩んでいた機種などはあったでようか。
iPhoneでは積極的にeSIMを搭載しているものの、Android機種で対応しているのはdocomoから出ているタブレットだけ。Androidで浸透していくのは、まだ先のようです。
iPhoneユーザーであれば、機種次第では実際にeSIMを利用することが可能です。次の項目では「使い方」についてを紹介していきます。
eSIMの使い方
上記では、eSIMに対応している機種をそれぞれ紹介いたしました。まだまだ使える機種は少なく、今後eSIMの対応が増えていくのを期待したいところです。
続いては、実際にeSIMを使いたい方のためにeSIMの「使い方」を紹介。eUICCプロファイルのダウンロード方法などを解説していきます。
eSIMを使用したい場合、まずはSIMロックを解除するなどの事前準備もございます。デュアルSIMで活用したい場合は、下記リンクに詳細が記載されているのでぜひご確認ください。
SIMロックを解除する
eSIMを利用したい方は、まずSIMロックの解除をおこなう必要があります。大手キャリアで端末を購入する場合、SIMロック解除にも条件がございます。
購入してからの経過日数などが条件になりますので、事前にキャリアによるSIMロック解除の条件を確認しておく必要があるでしょう。
auなどの大手キャリアでは、条件をクリアしていればインターネット上でもSIMロック解除の手続きが可能です。(上記画像参照)ぜひ一度、契約しているキャリアのサイト等で確認をおこなってみてください。
初期化でロック解除完了
キャリアでSIMロック解除の手続きが完了したら、一度端末を「初期化」しなければなりません。初期化することで、SIMロック解除が完全に終了します。
eSIMに切り替えたい時はSIMロック解除をおこない、一度初期化をおこなってください。その際、端末上のデータのバックアップをとるなど必要となる操作を忘れないよう気を付けましょう。
プランを契約してQRコードを読み込む
SIMロックの解除ができたら、次はeSIMで情報の書き込みをおこなっていきます。eSIMによる契約プランを提供しているキャリアを探し、そのキャリアから提供されたQRコードを読み込むことで書き換えが可能です。
あるいは、「アプリ」を用いて情報を書き換えることも可能です。eSIMと検索すると、eSIMの書き込み用アプリがヒットするため、そちらで契約・書き込みをおこなうことができるのです。
お好きな方法で契約、書き込みをおこなってください。
eUICCプロファイルのダウンロード
上記の項目で、eSIMの書き込み技術を紹介しましたが、その中で「eUICCのプロファイルダウンロード」が必要になることを説明しました。
eUICCのプロファイルダウンロードをおこない、eSIMの回線設定へと進みましょう。
主回線と副回線の設定
eUICCのプロファイルダウンロードが終わったら、次は主回線と副回線の設定です。iPhoneのデュアルSIMにeSIMを活用したいのであれば、プランの使い分けをおこないましょう。
eSIMを使いたい場合の事前準備、設定方法を紹介しました。SIMロック解除さえおこなえれば、後は案外簡単にeSIMによるプラン契約・設定が可能です。
デュアルSIMにも対応しているため、個人に合わせた使い方ができるでしょう。次の項目では、eSIMの海外事例を紹介していきます。
eSIMの海外事例
上記項目まででは、日本によるeSIMの現状や使い方を紹介しました。現時点では、まだまだ課題点の多いeSIM規格。そこで、eSIMの利点を生かした「海外事例」についてをこの項目では紹介していきます。
海外ではどのようにeSIMが広まりつつあるのか、確認していきましょう。
PixelシリーズとProject Fiの組み合わせ
Googleが発表したスマートフォン、「Pixelシリーズ」と、「Project Fi」の組み合わせが海外での一例です。Pixel 2とProject Fiをセットで契約し、初期アクティベートをすることでeSIMに情報の書き込みが行われます。
このセットを利用すると、国外に行った際に到着した時点で現地のキャリア切り替えを推奨するポップアップが表示されます。ワンタッチで現地のキャリア情報が書き込まれる仕組み。
海外ではすでにこのような便利なeSIMの利用方法が広まりつつあるのです。
eSIMの課題
eSIMの海外事例についてを紹介しました。日本にはまだない便利なシステム。しかし、日本ではまだまだeSIMの課題点が目立ちます。
最後の項目では、eSIMの「課題点」についてを紹介します。
QRコードの入手に手間がかかる
上記の使い方では、eSIMで情報を書き込む際は「QRコード」を用いることを説明しました。このQRコードですが、契約してから提供されるまでに時間がかかってしまうのです。
日本ではまだeSIMが浸透していないので、そういった点が原因かもしれません。eSIMの最大のメリットである、手軽にユーザーが情報を書き換えられるという点がこれでは半減されてしまいます。
プラットフォームが不十分
そして、プラットフォームが未だ不十分という点もeSIMの課題点です。プラットフォームに関しては、大t絵キャリアが提供しているeSIMのプラットフォームを、MVNOでも利用できるように…と一部企業では動きがあるようです。
今後改善されていくのを期待しましょう。
今回は、「eSIMとは何か」という点を記事にまとめました。いかがでしたか?格安SIMなど、さまざまなスマホの使い方が増えてきている中、eSIMが今後どのように広まっていくのか。
非常にメリットの多いSIM規格なので、今後の活躍が期待できるSIMです。デメリットや課題点がまだまだ日本では目立ちますが、徐々に改善されていくでしょう。
iPhoneユーザーの方は、ぜひeSIMの利用も検討してみてはいかがでしょうか?