iPhone 11の位置情報の収集問題に関して、AppleがiOS13.3.1ベータで対処していることが明らかになっています。iPhone 11 Proは位置情報取得をオフにしても位置情報が収集されていましたが、iOS13.3.1ベータでは対策が確認できます。
2019年12月末、iPhone 11シリーズにおいてユーザーの同意なしに位置情報が収集されている問題が明らかになりました。
特にiPhone 11 Proに関しては、位置情報の取得をオフにしていても位置情報が収集され続けている問題をセキュリティの研究者が指摘していました。この件に関して、Appleの最新のiOS13.3.1ベータで対策していることが明らかになっています。
iPhone 11シリーズで位置情報の取得設定がオフになっていても位置情報が取得されている件について、Appleは当初「予想される動作」であると主張しました。
位置情報取得が完全に無効にならない理由は、iPhoneが超広帯域無線(UWB)の使用が禁止されている区域内に位置しているかどうかを判断するために必要な機能であるとしています。
位置情報の取得を無効にしても、位置情報の取得を意味するアイコンが表示される理由として、ユーザーの位置情報の収集を目的としたものではないと説明していました。
これに対して、位置情報サービスをオフにしているにも関わらず、iPhoneが定期的にGPS情報をチェックし位置情報を利用していることになるという理由から、ユーザーからは不満の声が上がっていました。
Appleのユーザーが位置情報の収集を認めるかどうかを選択できない場合もあるシステムサービスはかえって波紋を呼び、Appleのプライバシーに対する姿勢に疑問の目が向けられることになりました。
ユーザーの反応を受け、AppleはiPhone 11シリーズのユーザーが位置情報の取得を完全にオフにすることができる専用のトグルが追加されることを明らかにしました。
「iOS13.3.1ベータ」で新しいトグルが追加されていることは、YouTubeクリエイターのBrandon Butch(ブランドン・バッチ)氏が1月14日に公開された「iOS13.3.1ベータ」で発見しTwitterで共有しました。
iPhone設定アプリの「プライバシー」から「位置情報サービス」をタップし、そして「システム・サービス」内に新たに「Networking&Wireless(ネットワーキングとワイヤレス)」というトグルが追加されていることが分かります。
このトグルをオフにすると、「ネットワーキングとワイヤレスの位置情報サービスをオフにすると、Bluetooth、Wi-Fi、超広帯域無線(UWB)性能に影響を及ぼす可能性があります」との通知が表示されます。
超広帯域無線(UWB)とはiPhone11から搭載された新しい機能です。位置検出の精度が高い超広帯域無線波を利用して、端末の高精度な位置特定が可能となります。これはショッピングエリアなど複雑な場所でもユーザーの正確なナビゲーションを可能とします。
iPhone 11シリーズのUWB機能は、今のところ「自分のiPhoneを相手のiPhoneに向けることで、AirDrop送信先が選べる」程度にしか活用されていませんが、いずれは「忘れ物防止タグ」の高精度な位置特定に活用されることも予想されています。