HDDやSSDなどの利用を開始する際、違いがある分割方法であるMBRやGPTの選択が必要です。場合によってはどっちかの種類を変換しなければならないこともあります。そんなMBRとGPTはどういった違いがあるのか、どっちが必要なのか、変換方法なども含め解説します。
Windows10からWindows11へのアップグレードをしている、検討しているという人も少なくない中、そのためにはHDDやSSDが「UEFIモード」の「GPTハードディスク」にしか対応していないことで戸惑ったという経験がある人は少なくありません。
もう1つの分割方法であるMBRになっていることもありますが、MBRとGPTはどのような違いがあるのか、と言うのはよく分からない人も多いでしょう。
MBRとはマスターブートレコードの略称、GPTやGUIDパーティションテーブルと呼ばれるものです。
それぞれHDDやSSDなどのパーティション形式がMBRとGPTです。それぞれ違うパーティション形式で、MBRとGPT自体の名前はドライブの最初にあるセクタの名前が取られています。
MBR(マスターブートレコード)はパーティション方式としては古いバージョンのもので、標準BIOSパーティションテーブルを使用しているものです。
MBRのセクタを筆頭とし、2TB以下のディスクと最大4つのプライマリパーティション、もしくは3つのプライマリパーティションと1つの拡張パーティションで構築されているのがMBR(マスターブートレコード)の特徴と言えます。
GPT(GUIDパーティションテーブル)は新しめパーティション方式で、UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)を使用しているものです。
構造としては、GPTパーティションを破壊することを防ぐMBRディスクのみに対応するツール(保護MBR)が1つ目のセクタで、その次がプライマリーGUIDパーティションテーブルヘッダーがあります。このセクタがGPTの呼称部分になっています。
3番目から30~40番目のセクタ(合計で32個のセクタ)がパーティションエントリー部分です。ディスクの最後にあるバックアップパーティションエントリー/プライマリーGPTヘッダーは前述の2~40番目部分のバックアップです。
GPT(GUIDパーティションテーブル)の場合は2TBを超えるディスクを管理することができ、WindowsのOSであれば最大で128個のプライマリパーティションを構築可能です。それぞれの各パーティションのサイズも最大256TBと大きいのも特徴と言えます。
ではそんなMBR(マスターブートレコード)とGPT(GUIDパーティションテーブル)はどういった違いがあるのか、その説明に移ります。
まずはブートモードの違いです。ブートモードにはUEFIモードとLegacy BIOSモードとがあります。コンピューターの起動時に最初に起動するプログラムのことを言います。
MBR(マスターブートレコード)の場合はLegacy BIOSから起動し、GPT(GUIDパーティションテーブル)の場合はUEFI(Unified Extensible Firmware Interface)から起動するようになっています。
Windowsには様々なOSの種類がありますが、それぞれのOSとの互換性の違いもあります。MBR(マスターブートレコード)はLegacy BIOSモードが利用されており、古いWindowsOSでも利用することができるものです。
32ビットのWindows XP、Windows Server 2003はその典型例で、それらについてはMBR(マスターブートレコード)しか利用できません。
Windows 7、Windows 8、Windows 10など現在利用されているWindows OSについては、GPT(GUIDパーティションテーブル)に対応していますので、新しいパーティション形式でも利用することができます。
また、MBRとGPTは前述したようにサポートされているディスク容量も異なります。MBRは2TB以下のディスクにしか対応しているのに対し、GPTは2TBを超えるディスクがサポートされています。
HDDやSSDにはパーティションを作成することも多いですが、MBRとGPTでは作成可能なパーティションの数も異なります。
MBRはで最大4つのプライマリパーティション、もしくは3つのプライマリパーティションと1つの拡張パーティションがサポートされています。
それに対し、GPTは実質無限に作成でき、WindowsOSの場合最大で128個のプライマリパーティションが作成可能です。それぞれのパーティションの最大サイズは256TBとなっています。
MBRとGPTのどっちにするかはメリットやデメリットも考慮して利用する必要があります。
MBRの場合、古くからあるパーティション方式ということもあり、多くのOSが対応しています。
しかし、MBRはパーティションの数は少なく、ドライブのパーティションやブートデータの情報を保持する場所は1つに限られるため、そのパーティションが破損するとそのHDDやSSDの読み込みができなくなってしまいます。
GPTはパーティション数が多く、対応しているディスク容量も、OSの制限を受けなければMBRよりかなり多いです。
コピーデータを複数HDDのプライマリやカンダリパーティションテーブルに格納することができますので、GPTであればプライマリテーブルの破損が起きたとしてもデータの回復も可能です。
また、GPTだと起動が早くなったと感じる人も多く、Windows10の高速起動モードもGPTのパーティション形式で利用することができます。
古いOSには対応していないというデメリットはあるものの、古いOSの利用が少ない今ではほとんどどメリットがないパーティション形式と言えるでしょう。
ハードディスク(HDD)の場合どっちがいいのか、という部分ですが、BIOSベースのパソコンを利用しているのであればMBRがおすすめです。
特にこだわりがない、最近のWindowsを利用しているということであればもしもがあってもバックアップのセクタから回復できるGPTの利用をおすすめします。UEFIベースのパソコンの場合はGPTを選択しましょう。
利用しているのがSSDという場合はMBRとGPTのどっちを選べばいいのかですが、こちらもハードディスクの場合と同じです。最近のWindowsであればGPTを選択しておけば基本的には問題ないでしょう。
1 / 2
続きを読む