iPhone8には防水機能がついていますが、具体的にどの程度の水の侵入を防ぐことができるのか、詳しく解説します。併せて、お風呂で使用することはできるのか、またiPhone8におすすめの防水ケースと、上手な選び方についても解説します。
2016年9月に発売されたiPhone7から、iPhoneには耐水・防塵性能が公式に搭載されるようになりました。この記事で解説するのはiPhone8シリーズです。iPhone8は2017年9月に発売され、iPhone7に引き続き耐水・防塵のIP67等級の性能が搭載されています。
この記事では、そもそもIP67等級とはどんな基準なのか、説明します。そして、iPhone8をお風呂で使うことができるのか、また蒸気の多いお風呂場で使うときの注意点を解説します。
また、iPhone8は「水深1mまで、30分間」の防水性能があるとされていますが、その他に生活防水上の条件はあるのかについても解説します。
記事の後半では、iPhone8を基準以上の水深や蒸気など、生活防水レベル以上の防水性能にすることのできる保護ケースをご紹介。水深の深いところで30分間以上、iPhoneを使用できるようにするケースもあります。
保護ケース選びの注意点もご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
電子機器の防水・耐水・防塵性能を評価する規格に、IEC規格というものがあります。IECとは「国際電気標準会議(International Electrotechnical Commission)」のことで、電子機器などについて一定の基準をもうける、国際的な標準化団体のことです。
これに基づいて決められる防水性能には、テスト対象の電子機器が、ある一定の水深や、「30分間」などと設けられている時間の水没に耐えうるかどうかという明確な基準があります。
IECが国際的に標準としている規格の中でも、IEC規格60529というものがあります。iPhone8で定められているIP等級は、このIEC規格60529に基づいて決められた耐水・防塵性能のことを指します。
IP等級のIPは「International Protection(インターナショナル・プロテクション)」という意味で、IEC規格60529に基づいて設定された、電子機器等の保護性能を等級づける際に使用する文字です。
「IP」とは防塵・防水(耐水)性能を表すコードで、IPに続く2つの数字のうち、左側は固形物に対する保護等級(防塵性能)を表し、右側は水に対する保護等級を表します。
「IP67」でいうと、防塵の6級は「粉塵が機器の中に入らない」ことを意味し、防水(耐水)の7級は「一時的に一定水圧の条件に水没しても内部に浸水することがない」ことを意味します。
「一定水圧の条件」というのが少し回りくどい表現ですが、つまるところ「水深」のことで、「一時的」とは30分間です。ちなみに「生活防水」という言葉には、水深や「30分間」などという明確な基準はありません。
ここで、IEC規格内で定められたIP等級が表す防水等級レベルをご紹介します。iPhone8は、ここでいう防水性能は7級ということになります。
注意点としては、表には書いていませんが、それぞれの等級が「水深1mまで」や「30分間まで」などと、より詳しい基準も内包しています。
等級 | 防水 |
0級 | 特に保護がされていない |
1級 | 鉛直から落ちてくる水滴による有害な影響がない(防滴I形) |
2級 | 鉛直から15度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない(防滴II形) |
3級 | 鉛直から60度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない(防雨形) |
4級 | あらゆる方向からの飛まつによる有害な影響がない(防まつ形) |
5級 | あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない(防噴流形) |
6級 | あらゆる方向からの強い噴流水による有害な影響がない(耐水形) |
7級 | 一時的に一定水圧の条件に水没しても内部に浸水することがない(防浸形) |
8級 | 継続的に水没しても内部に浸水することがない(水中形) |
iPhone8の水に対する保護性能は、具体的なところどの程度なのか、さらに詳しく見ていきます。そもそも、水に対する保護性能は「防水」と「耐水」に分けて考えることができます。
「防水」は、電子機器内部に侵入する水を完全に防ぐということ。「耐水」は、「水に耐える」という意味ですから、電子機器内部に水が侵入する可能性があり、「防水」より弱いものと考えられます。
iPhone8はIP67等級ですので、「水中でiPhine8を使用する」ことは推奨されません。まずは、IP等級でいうところの7級「一時的に一定水圧の条件に水没しても内部に浸水することがない(防浸形)」について具体的に確認します。
iPhone8はIP67ですので、「水中でiPhine8を使用する」ことは推奨されませんが、まずは、iPhone8が「生活防水」レベルには耐えうるのか、というところを解説します。
また、IP等級でいうところの7級「一時的に一定水圧の条件に水没しても内部に浸水することがない(防浸形)」についても、具体的に確認します。
電子機器の防水性能を表現する言葉に、「生活防水」というものがあります。
文字通り、日常生活で発生しうる水没などのアクシデントに対する防水性能に関して使われる言葉です。「生活防水」は明確に数値化された基準ではありませんが、携帯ショップや家電量販店などではひとつの目安としてよくいわれています。
料理をしているときに濡れた手でiPhone8に触ってしまったり、テーブルに置いてあるiPhone8にコップの水がかかってしまったなど、水によるそこまで深刻でないトラブルなら、iPhone8は耐えることができます。
しかし、あくまで「生活防水」というレベルでは、スマートフォンを水に濡れたまま30分以上放置しておけません。また、後述しますが蒸気などにも耐えうるレベルではないので、注意が必要です。
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