iPadに書いたメモをiPadから空中に引っ張り出し、VRでメモを空中に張り付けることができるアプリ映像が公開されました。これはAR体験可能な「ZED mini」を使用して作成され、このアプリは子供でも簡単に扱うことができARを体験することができます。
インタラクション・UXデザイナーのWu Shengzhi氏は、iPadに書いたメモをiPadから引っ張り出して画像を空間内にぺたりと張り付けることができるアプリの映像を、自身のTwitterアカウントで公開し話題を集めています。
このアプリは、VRヘッドセットでARも体験可能にする小型ステレオマッピングカメラの「ZED mini」を使用して作成したと言われています。
Wu Shengzhi氏のTwitterの映像によると、まずiPad上に好きなように絵を描きます。
そしてそのメモをiPadから引っ張り出すようにスライドすると、メモがiPadの外の空中に画像として出現します。Wu Shengzhi氏は、よりリアリティを醸し出すために画像を引っ張り出す瞬間に少し揺れが入るよう調整したとコメントしています。
空中に取り出したメモは、空間内の好きなところへ自由に張り付けることができます。一度張り付けたメモは自由に動かして再び貼り付けることも可能です。
このシンプルな操作性は子供でも容易に扱うことができ、Wu Shengzhi氏は実際に6歳の少年に試用テストを行ってみたところすぐに理解できたと言います。
アプリ作成のためにWu Shengzhi氏が使用した「ZED mini」とは、VRヘッドセットのOculus RiftやHTC Viveヘッドセットの前面に装着して使う小型ステレオ深度マッピングカメラです。
ステレオカメラを通じて現実世界をリアルタイムに映し出し、そこに3D映像を重ねることでARを体験することができます。「ZED mini」は外部のセンサーを使用することなく最大15mまで正確にマッピングすることが可能です。
「ZED mini」を制作するSTEREO LABSの公式サイトでは、目の前にバーチャルの卓球台を表示し、ラケットを操りまるで本物の卓球をプレイする映像が公開されています。
ARとは「Augmented Reality」の略で、実在する風景にバーチャルの視覚画像を重ねて表示することで、目の前にある世界を「仮想的に拡張する」というものです。ARを使ったサービスの例としてあげられるのは、スマホ用ゲーム「ポケモンGO」でしょう。
登場したポケモンがスマホ画面内で目の前の風景に重なって表示されることで、あたかも「ポケモンたちが現実世界に現れたかのような実在感」が出ます。これによって画面上のCGだけで完結するゲームとは違ってにその世界に入り込めるのです。
ARと同様に話題の技術としてVR(Virtual Reality)がありますが、VRは「非現実の世界をあたかも現実のように感じさせる」もので、現実を完全に切り離し非日常の体験をもたらしてくれます。
映画や遠隔地の旅行体験などのエンターテインメント、あるいは各種危険を伴う職業のシミュレーション訓練などで、不可欠な存在です。
一方でARは現実世界に視覚情報を重複表示させる「拡張現実」とされていて、日常に近い場所で利用でき今後情報をアシストする方向でますますわたしたちの日常生活に溶け込んでくれそうです。