AdobeがPhotoshopで加工した顔写真を検知するAIツールを開発しました。Adobeが新開発した機能とは、Photoshopで加工された顔写真を検知して、加工前に戻せるツールです。Photoshopで加工された顔写真を検知する機能についてご紹介します。
米AdobeリサーチはPhotoshopで加工された顔画像を検知し、元画像を復元するツールをカリフォルニア大学と共同開発したことを発表しました。
米Adobe リサーチは、インターネット上に加工された写真やディープフェイク動画、完全に偽造加工された顔が出回っている中で、Adobe Systemsは偽画像を特定する人工知能(AI)ツールに取り組んでいることを明らかにしていました。
今回、「Adobe Photoshop」の「倫理的影響」に触れた際に、米Adobe リサーチはこの問題に対処するため、カリフォルニア大学バークレー校の研究チームと提携したことを公表しています。
米Adobeと米カリフォルニア大学が開発した機能とは、Photoshopで加工された顔写真を検知して、加工前に戻すことができるツールとなっています。
米Adobeと米カリフォルニア大学が開発した機能では、インターネット上で問題となっているフェイクコンテンツを判別する環境を整えることで、デジタルコンテンツの信頼性を高める目的があるとしています。
現在、改変された精度の高い画像や動画は、インターネット中に蔓延しており、人が実際にはしていない言動をしているように見せかける偽の動画は、Photoshopなどのプログラムで作成された偽の画像の動画版といえるでしょう。
残念ながら、現状では、改変された画像や動画に容易にアクセスできるようになっただけでなく、偽物だと見分けることがますます困難になっているのが現状となっています。
インターネット上に加工された写真やディープフェイク動画、完全に偽造加工された精度の高い顔が出回っている問題について、Adobe Systemsでは、すぐに情報が拡散する今の時代においては重大な問題だととらえています。
そこでPhotoshopを手がけるAdobeでは、カリフォルニア大学バークレー校の研究者とともに、AIをトレーニングすることで、Photoshopを使ってレタッチした写真の変更箇所を検出する技術が可能となりました。
Adobeでは、カリフォルニア大学バークレー校の研究者とともに、AIをトレーニングすることで、Photoshopを使ってレタッチした写真の変更箇所を検出する機能はPhotoshopの「顔立ちを調整」機能で加工された顔写真を検知し元に戻すことができます。
Adobeでは、カリフォルニア大学バークレー校の研究者とともに、深層学習の一種である「畳み込みニューラルネットワーク」(CNN)を活用を行い、精度の高い新機能の開発が可能となりました。
Adobeでは、カリフォルニア大学バークレー校の研究者とともに、インターネット上から取得した大量の顔画像や「顔立ちを調整」機能や手作業で加工した画像を学習材料としてAIに学習させ、可能にしたとしています。
「顔立ちを調整」機能に加工前の顔画像と顔立ちを調整した画像を提示して、どちらが加工された画像なのかを判別させるテストを行ったところ、人間は53%の正答率だったのに対し、開発したツールは精度が高く99%の正解率だったことが判明しています。
Photoshopの「顔立ちを調整」機能では、加工された写真にどのような加工が行われたのかも特定できるため、元の画像に戻すことも可能にしたとしています。
Adobeでは、Photoshopで加工した顔写真を検知するAIツール開発に際し、ディープラーニングの手法である畳み込みニューラルネットワーク(CNN)のトレーニングにより、研究プロジェクトは、顔写真の変更箇所の検出が可能となったと発表しています。
Adobeは、偽造の画像がインターネット上に出回ることを危惧しており、「画像加工ツールを提供すると同時に、デジタルメディアの信頼性に関わるツールの悪用を特定し、思いとどまらせる取り組みも行う」としています。
また、Adobeの別の研究者らは、要人たちの固有の話し方に疑似指紋を作成することにより、ディープフェイクを検出するツールにも取り組んでいるとのことです。今後もますますAdobeの開発に期待が集まることとなりそうです。