インスタグラムは一部のフィルター機能を規制することになります。インスタグラムのフィルターを作る「Spark AR」という企業は「心身の健康を守る決まり」の一環として、整形を連想させる効果を持つフィルター機能を規制し削除することを発表しました。
現在インスタグラムではクリエイターが作成した様々なフィルター機能を使って多くのユーザーが自撮りを楽しんでいます。
そんな中、インスタグラムのフィルターを作るアメリカの「Spark AR(スパークAR)」という企業は、「well-being policies(心身の健康を守る決まり)」の一環として一部規制に踏み切りました。
「整形手術を連想させる効果を持つすべての機能をインスタグラムのエフェクトギャラリーから削除する」と発表しています。
「Spark AR」のフェイスブックへの投稿によると、美容整形手術のような効果をもたらすとみられるフィルター機能は削除し、新規の採用もしばらく延期するとしています。一方で具体的にどのフィルターをいつ削除するのかについては、明らかにしていません。
インスタグラムのフィルターによって加工された写真に対する慣れが、自分の実際の容姿に対する不満を与え、整形への強い願望や自分の容姿を醜いと感じ極度にこだわるようになるという「身体醜形障害」に繋がることを懸念されていました。
実際にフィルター機能の先駆けとなったスナップチャットを使うユーザーの間で、身体醜形障害に悩む人が急増し「スナップチャット醜形障害(Snapchat Dysmorphia)」と呼ばれる疾患名を生み出すほど、社会問題として取り上げられました。
美容整形を連想させるフィルターについて、多くの医者が声を挙げたことで一部規制に踏み切ることとなったと言います。
今回インスタグラムへの採用が見送られることになるのは主に、実際に美容整形手術を受けるときに顔につけられるマークや線を入れることができる「Fix Me」など、ユーザーが作成した機能になると見られています。
ただ動物の耳を付けたり、最近イギリス王室ファンに話題の「クラウン・フィルター」を使った花の冠やヘッドピースを被せたりする人気のアプリは、引き続き利用できるようです。
インスタグラムでは整形手術を連想させるフィルター機能以外にも、いくつかの機能を規制しています。9月にはダイエットと美容整形に関連のある製品を宣伝する写真の掲載を規制しました。
また一部の国では「いいね!」の数を非表示にするテストを行っています。「Spark AR」のフェイスブックへの投稿によると、このような対応が「well-being(心身の健康、幸福) 」に繋がることを願っているとしています。
ただ今回のフィルターの規制については、クリエイター(@holymariia)がインスタグラムを更新し「この規制は、クリエイターを制限してしまうことになる。私たちにとってフィルターはアート作品だから。」と悪影響があるという考えに反論しています。
「このフィルターは、ただ楽しむためだけに作られたものだと保証する。」と主張しています。彼女が作ったフィルターはきりっとした目元やボリューミーな唇が手に入るとして、人気を集めています。
ただ、SNSに関連する企業は「ユーザーの幸福」を重視する姿勢はますます広がると見られていて、今後の動きが注目されています。