「YouTube TV」は3月13日以降、iOSアプリ内での購入を停止することになりました。iOSアプリ内での購入停止は「YouTube TV」だけでなく、2018年には「Netflix」もApp Store、Google Playからの契約を停止しました。
YouTubeがアメリカで展開しているテレビ番組ストリーミングサービス「YouTube TV」は、3月13日以降AppleのiOSアプリ内決済システムの利用を停止することになりました。
「YouTube TV」は会員に対してカスタマーサービスの電子メールで、3月13日にiOS経由の決済を打ち切ることを通知しています。
「YouTube TV」では新規契約を停止するだけでなく、Apple経由で月々の会費を支払っているアカウントは、新たな決済方法が設定されなければ、3月13日以降の最初の請求日をもって自動的に停止されます。
iOS上では引き続き「YouTube TV」を利用できますが、その契約自体はWebサイト上で改めて行う必要があります。
「YouTube TV」とは、Googleが提供するアメリカの主要テレビ局の番組をインターネットで視聴できるサービスです。「YouTube TV」の利用料金は、動画サービスのサブスクリプションとしては、やや高額な49.99ドル(約5500円)です。
GoogleはiOSアプリ内購入の停止に関して、利用者にメールでお知らせしているだけでその理由を明らかにしていません。ただApp Storeの手数料の高さが背景にあるものと考えられます。
AppleのApp Storeでは15%~30%が売り上げから手数料として徴収される規定になっていて、Googleとしてはこの手数料徴収を回避したかったのではないかと推測されます。
App Storeとの契約を停止したのは、今回のGoogleが初めてというわけではなく、2018年には「Netflix」2019年には「Spotify」がApp Storeとの契約を停止しiOS向けアプリを通じた支払いの新規受け付けを停止していています。
Appleは通常、iOS版アプリからサインアップした会員について、1年目はサブスクリプション売り上げの30%を手数料として徴収し、2年目以降は15%を徴収しています。
このため動画や音楽ストリーミングサービスではアプリ経由での支払い月額に手数料分を上乗せしているケースが多くみられています。
これは一般的なアプリストアの収益の仕組みと言えるかもしれませんが、大手ストリーミングサービス「Netflix」などの規模にもなれば、徴収される額も馬鹿にはならないでしょう。
もし手数料分を上乗せしていることでその手数料を割高に感じ、実際登録を控えている人もいるかもしれません。自社で決済手段を持たないサービスの場合はApp StoreやGoogle Play Storeなどでの決済サービスを利用するメリットもあると言えます。
しかし自社で行えるのであれば手数料を徴収されるデメリットの方が大きいため、自社サイトに一本化するのは合理的な判断でしょう。